SOLO WORKS

3. Lucio Fabbri

  Mauro Pagani - Gregory Bloch と続いたヴァイオリン・パートを引き継ぐ形で「Suonare Suonare」より正式加入.ただし,PFMとは Fabrizio De Andre とのツアー時から行動を共にしていたようです.さらに,PFMのオリジナル・メンバー Flavio Premoli 脱退の後を受けてキーボードも担当する他,ギターやヴォーカルもこなすなど多彩な才能を持っています.来日公演時のパンフレットなどを見ると,現在はプロデューサー業に忙しくイタリア本国では高い評価を受けているようです.
 しかし,PFMの正式メンバーだったのが「Suonare Suonare」〜「Miss Baker」という日本のファンには馴染みの薄い時期だったために,日本では現在に至るまでほとんど評価されていません.

 とは言っても,’80年代のPFMも愛聴していた方やサポート・メンバーとして参加したPFMの再来日公演を見た方々には分かってもらえると思いますが,Fabbri が豊かな才能を持っていること,とくにヴァイオリン奏者としては素晴らしい実力を持っていることは間違いないと思います.



Amarena / Lucio "Violino" Fabbri




 1. DYNAMO
 2. DANCIN' & SINGIN'
 3. SNEEW (NEVE)
 4. AMARENA
 5. TELEPHONE LINE
 6. BLACKGOLD (ORO NERO)
 7. CHARLESTONED
 8. CRAMPS
 9. IL LUPO, I CINESI & LA FAVOLA
   DELLE PERLE DI VETRO







 いろいろな楽器をこなすマルチ・プレーヤーには違いありませんが,やはり Fabbri の本領はヴァイオリンです.それは自他共に認めるところなのでしょう.ニックネームは自ら"Violino"を名乗っています.

 わたしが知る限り,これが唯一のソロ・アルバムです.’78年作なのでPFM正式参加の前に録音されたものだと思います.(間違ってたらごめんなさい) サポート・ミュージシャンとして,後にPFMに加入するWalter Calloli なども参加しています.

 けっして”名作!”とまでは言いませんが,単なるラブ・ポップにはなっていないのがさすが.もちろん,もろプログレ・サウンドではありませんが,普通に良質なジャズ・ロックです.ただ,アルバム全編を通じて非常に明るい雰囲気に統一されているので,当時のジャンル分けでいえばイージーリスニング的な面も多分に感じられます.また,時代的な背景を無視して似た感触のジャンルをあげるなら,この数年もてはやされている”ニューエイジ”に通じるものもあります.

 プログレ・ファンに高く評価されることはないでしょうが,一人のミュージシャンとして卓越した才能を持った人物だと思います.”プログレ”という縛りを外して見つめ直すと,彼が”単なる穴埋め”としてPFMに参加したわけではないことが理解できると思うのですが....



 ソロ・アルバムは1枚だけですが,ヴァイオリン奏者としての Lucio Fabbri を堪能する作品は事欠きません.念のためPFM在籍時の作品も含めて列挙します.

PFM加入前
In Concerto Vol. 1 & Vol. 2  / Fabrizio De Andre + PFM
Amarena / Lucio Fabbri
Recitarcantando / Demetorio Stratos & Lucio Fabbri

PFM在籍時
Suonare Suonare
Come Ti Va in Riva Alla Citta
Performance
PFM ? PFM !
Miss Baker

PFM脱退後
Live in Japan 2002 / PFM
Piazza del Campo  / PFM + Pagani



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