AVよもやま話


4.犬神家の一族

 この作品のO.S.T.はユーロロック・プレスでも紹介されていたので,プログレ好きにも馴染みはあるかも.また,テーマ曲は野村O券のTV・CMでも使われているので,知名度は高いでしょう.

inugami.JPG - 9,591Bytes 金田一耕介といえば,TV版の古谷一行氏のイメージが強いかもしれません.また,豊川悦司氏も金田一役をやっているので,そのイメージもあるかもしれません.ただ,原作を(ほぼ全作品)読んだイメージからすると,一番のはまり役は石坂浩二氏ではないでしょうか.原作の金田一はフケだらけのぼさぼさ頭,だらしない服装,それでいて顔の作りはけっこう2枚目で母性本能をくすぐり不思議と女性にもてるという設定なので,古谷氏では可愛さというか,一見頼りなさげな雰囲気に欠け,母性本能をくすぐるという感じがしないし,豊川氏でもかっこ良すぎて,彼もまた母性本能をくすぐるという感じがしない.やはりちょっとイメージ違います.

 角川映画の第1作に当たるこの作品は,TV版と違って作りが丁寧というか金をかけているので,非常に重厚な映像に仕上がっています.さらに,音楽も非常に印象的です.ユーロロック・プレスでは,同シリーズの他作品(悪魔の手毬歌etc.)のO.S.T.も紹介していましたが,音楽面でも,映画全体でも,この「犬神家の一族」が他作品に比べてかなり上です.とくにあのテーマソングは印象的です.他の作品も何回かくり返して観ていますが,フッと頭に浮かぶ曲は「犬神家の一族」のテーマだけです.

 ちなみにこの作品は最近DVDになりました.わたしがDVDプレーヤーを買った最大の動機は,もちろん「deja VROOM」観るため(笑)なので,画質が云々という宣伝文句はピンときませんでしたが,この作品観てその考え改めました.ビデオで見たときには暗い背景につぶれていた細部が,DVDではくっきり描出され映像を際だたせています.

 正直言って,この作品もO.S.T.は持っていないので音楽関連の突っ込んだ話はできなくて申し訳ないのですが,邦画には珍しく何回も観賞できる”娯楽”作品だと感じたので,あえてここにもってきました.

以下はわたしのとりとめのない映画感.
 わたしの邦画に対するイメージって,とくに娯楽作品に関しては,「チープ(もろに悪い意味でね)」というのが第一です.べつに邦画にいい作品がないと言ってるのじゃありません.ただ,最近の邦画で一般的に評価の高い作品は,1)心に沁みるような(でも低予算の)佳作,2)アニメ・CG関連,3)北野タケシ監督作品のようなどこかアングラ的なもの,のどれかに分類されてしまって,俗に言うハリウッド映画と真っ向勝負するような娯楽作品はないように感じてます.心ある映画ファンは,そんな低俗な映画と比較するなと言うでしょう.が,わたしは良くも悪くも低俗な,でも素直にインパクトのある最高の映画っていうのを観たいんです.どーもえらい評論家(や芸術家)の皆さんは,俗物的って言うのを毛嫌いしてるようで,ちょっと違うんでないかという時も多いんですけどね.

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