訳文の間違いの責任は全て当方にあります。原文はこちら
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The Origins of the Kindred
血族の起源
by Casper the Friendly Ghost
「友好的な幽霊」カスパー筆
ヴェントルー:良いでしょう、友人たち、腰を落ち着けたまえ。私がなぜここに貴方達を呼び集めたか、いぶかしんでいるに違いないと思うのだが。
トレアドール:たしかにそう考えているに違いないねえ。何しろ二時間以内に顔を出さなければならない会合の約束を控えているんでね。遅くならないように願いたいね。
ヴェントルー:ごもっとも、ごもっとも。約束は守らなければ。さて、私はあなた達が抱えている問題は知らないが、私の子供たちはいくつかのまごつかされるような問題を抱えていてね。そこで私は・・・・
マルカヴ:単にこう言えばいいんじゃないか、父ちゃんと母ちゃんがとっても仲良く愛し合ったので・・・・
ヴェントルー:黙りなさい、マルカヴ。なんであれ、彼らは私達がどこから、どうして何のために来たのか全て知りたがっている。私が思うに私達がひとつ答えを用意しておくべき時だと思うのだが。
(沈黙)
ブルーハー:ふん、なんで貴様は俺達に尋ねるんだ?****の俺達は知らねえじゃねえか?
サウロット:言葉に気をつけなさい。
ブルーハー:ごめんよ。
ヴェントルー:君はどう思うかね、ラルフ?君はどこにでも鼻を突っ込んで嗅ぎ回っているようだが。
ノスフェラトゥ:違う、僕は・・・・もう「ラルフ」という名前じゃないんだ。今日からは君達は僕のことを「ノスフェラトゥ」と呼んでくれ。
(沈黙)
ラヴノス:いやだな、そんなの。ラルフが君に合ってるよ。
ノスフェラトゥ:駄目だ!僕はその名前にこだわるのを断固拒否する!
ヴェントルー:彼をほっといてやれよ、ラヴノス。
トレアドール:まったくのところ、問題は置いておいて・・・・
ヴェントルー:今度はなんだい?
トレアドール:私は「トレアドール」の雅名を用いようと思う。
(さらに沈黙)
ハッサム:貴方は牛を見たことすらないではないか、このノルマン人を一対一で牛と闘わせてみるか?(訳注:トレアドールとはスペイン語で闘牛士の意味。)
トレアドール:ほっとけ!!!
ラヴノス:私は危うく「気障ったらしい」と言うところ・・・・いや、まあ、気にするな。(訳注:full of prunes?)
ヴェントルー:問題に戻っても良いかね?
ラソンブラ:私が思うに「ノスフェラトゥ」はかなりいかしてると思うよ、ラルフ。
ノスフェラトゥ:それに君達が牙を引っ込めることが出来ないときにはずいぶん発音しやすいしね。
ヴェントルー:紳士諸君!
(沈黙)
ヴェントルー:よろしい、アイデアがあったらどうぞ。
ツィミィーシ:うぐ・・・・
ヴェントルー:なんだい、ツィミィーシ?
ツィミィーシ:ぶむ、ぎみたちはごれが病気だとおぞらっぐおもッでいるんだろうな?
サウロット:違いますね・・・そうは私は思いません。もしそうなら私はそれと今わかるはずです。
マルカヴ:そうだ!そうだ!良いこと思いついたぞ!
ヴェントルー:どんな?
マルカヴ:そうだ!そうだ!俺達はみんな・・・・宇宙人なんだ!惑星・・・・ユゴスから来た!
ブルーハー:マルカヴ?
マルカヴ:おう?
ブルーハー:くたばっちまえ。
(沈黙)
マルカヴ:《支配》を持っていないのがそんなにあんたには「都合の悪い」ことなのかい?
ブルーハー:いっぱしの男は《支配》なんぞ必要としないもんだ!
(ゴツン)
マルカヴ:ぐはあ!
ラヴノス:そうだ、思いついた。
ヴェントルー:どんな?
ラヴノス:彼らは本当のヴァンパイアじゃない、単にそう思い込んでいるだけなんだ。(訳注:ラヴノスは《幻術》の司)
ヴェントルー:うーん、悪くない。だが間抜けなやつらがあんたが間違っていることを日光浴で証明しようとしたら?
ラソンブラ:だから?馬鹿なやつを間引きするのさ、人口問題を減らし、ばかげた質問をする幼童を減らすというわけ。
トレアドール:ラソンブラ、あんたってねじまがってるね。
ラソンブラ:おい、俺は兄弟の番人か?(訳注:有名なカインの言葉。ラソンブラは番人と呼ばれる。)
ツィミィーシ:彼には説得力があるね、とーおもだちよ。
トレアドール:病んだ生き物だ。
(忍び笑い)
サウロット:兄弟の番人・・・。そうそう!連想できることがあります!君達はひょうきんなふきんでひたいをくるんでいる連中を見たことがある...(訳注:カインは追放されるとき額に印をつけられた。)
ハッサム:気をつけ給え、彼の三番目の眼に。
サウロット:これは失礼しました。なんにせよ、彼らは自分の兄弟を殺して呪いをかけられた男についての昔話を知っていますよ。見なさい。
ステック:呪われれた、と君は言っったのか?うーむ...わたし好みの話だ!(訳注:周知の通り、セトはオシリスを殺して太陽神に呪われた。カインとアベルの話より古い。)
ノスフェラトゥ:そうね、でももし「君」がそうだと言ったなら、誰もそうだと信じないだろうね。(訳注:セトはもっとも信用がない血族である。)
トレメール:我輩は知っている!我らはマギック(訳注:Magick)によって創られたのだ!
(沈黙)
ブルーハー:一体全体てめえは誰だ?
トレメール:ああ、トレメールだよ。傲慢にして狡猾なるメイジ見参というところ。
サウロット:ちょっと待て、あんた西暦1314年までここには現れるべきじゃないぞ!
トレメール:そうかね?我輩は時間の賢者(訳注:OracleはMageの「昇華」を果たした賢人のこと)ゆえ、望むままの時に現れるのだ。
ヴェントルー:死にゆく者がか?おい、トレメール!
ヴェントルー(訳注:原文そのまま、おそらくトレメール):何と?
ヴェントルー:出て行け。
[silence]トレメール:わかった。(ドスン)(押し潰されるような音)くそ、どうすれば良いか調べる必要があるな。
ヴェントルー:さて、わたしたちはこの「呪われる」課題についてなんらかの結論に近づいている。わたしたちはまだギャンレルから話を聞いていない。そしてこのような重要な問題には女性の意見がひとつ必要だ。どう思うかい、ギャンレル?
(沈黙)
ヴェントルー:ギャンレル?
(それでも沈黙)
ヴェントルー:誰かギャンレルを見なかったかね?
ラヴノス:そうね、実際のところ、我々ふたりには少々意見の相違があって・・・
マルカヴ:あれれ、マミーの問題はもうあんたを縛っていないのか?(訳注:この箇所意味不明、エジプトの話か?ミイラ達とラヴノスやギャンレルのからみが?)
ラヴノス:しゃぶってろよ。
マルカヴ:彼女は犬の格好で「あれ」をやるのかい?
(ポカリ)
ラヴノス:ありがとう、ブルーハー
ブルーハー:なんでもねえよ、兄貴。
ヴェントルー:よろしい、この呪いの説明について何か付け加えることは?
サウロット:うん、彼らがいうには、最初の人間のはじめての二人の息子が神様に捧げものをしなければならなかったということで。最初の兄のほうは作物とそれからつくったものを捧げ、次の弟のほうは動物の血を捧げたと。
全員:なるほど! 素敵! うまくできている! なかなかだ!
サウロット:それで年上のほうが・・・私が推測するにカインという名前で・・・年下のアベルを殺し、最初の殺人の罪で神に呪われたという。
ハッサム:革命的な男であるな、このカインという男は。
ステック:それれれじゃ、我々はあたたたまのいかかれた青物屋ののししそんんだというわけか。「殺されたほう」の子孫だとしししたほうがいいんじゃないか?そそれれで我々は神にええええらばれたものとなり、「神の力」の後継者ややになったと・・・(訳注:オシリスは農耕の神、セトは狩猟の神である。)
マルカヴ:あんた本当に「神」にこだわりをもってるね、そうじゃないかい、ステック?あんたの母親について話してくれよ。あんたの母親はあんたを押入れに閉じ込めたのかい?それとも・・・
(バキ)
ブルーハー:最後の警告だぞ、キチガイ。
ヴェントルー:ステック、頼むから椅子の上に仁王立ちになるのはやめてくれ。
トレメール:我輩はほんとうのところ「神に呪われた」の話が好みだな。
ヴェントルー:どうやってここに入ってきたんだ?
トレメール:「位相」の術で。あなたは「何も」知らないのか?もし、サウロット!
サウロット:何かな?
トレメール:ちょうど我輩は自分が以前貴方を目にしたことがある場所を案出したところだ。外で貴方と二人きりで話せないか?五分もかからないだろう。約束する。
サウロット:よろしいでしょう。貴方は礼儀正しいおひとのようだ。(ドアを閉める音)
ラソンブラ:彼が望んでいることは何だろう・・・まあいいか・・・
トレアドール:私は兄のほうにするほうが好きだね。彼は自分の神様に忠実な魅力的で威厳にあふれた人物だった。しかし嫉妬に蝕まれてやぶれかぶれの行為に駆り立てられて・・・もちろん彼は後悔するんだけど・・・しかし「薄情な」神のむごい審判を拒むにはあまりにも遅すぎた。そして地上をさまようよう「呪われて」、仲間達から「追放」された!ああ、なんて恐ろしさ!ああ、人であることの苦しみよ!おお、何たる苦悩(アングスト)か!
ブルーハー:アングストって何だ?(訳注:ドイツ語で「苦悩」)
ステック:なあ、そりゃあああ台無しだよよ。でもちょっとばかり最初のところに変なところがあるのを除いて、私はこここの話が好きだと思うよ。
ブルーハー:あん、俺は気にいらねえな。
トレアドール:ペリシテ人どもめ。(訳注:俗物の意。ペリシテ人は古代ユダヤ人の敵。)
(外に叫び声)
ツィミィーシ:いっだい全体何がおごっでいるんだ?
ノスフェラトゥ:サウロットの声のように聞こえたけど。おい!おまえ達はここに入ることを禁止されているのだぞ!
(ドアが開く)
トレメール:ああ、ちょっと失礼、ううむ・・・サウロットはこう言うつもりでこう言った、ううむ・・・彼は本当に急いで・・・出かけねばならないそうで・・・ううむ、しかし彼はこう出来て本当に嬉しかったそうで・・・それから、ううむ、彼は貴方がたともう一度集まりを持てて嬉しかったそうだ。
ノスフェラトゥ:僕と彼、どっちが顔色が悪く見える?
ヴェントルー:誰がそんなこと気にする?呪われることの問題に戻ろうよ。
ラソンブラ:それなら、我々は彼の直接的な継嗣というわけか?もしそうならば、なぜ我々が彼が今どこにいるか知らないのか、という問題にいきつくな。
マルカヴ:それは、彼が我々を創った後、走り去ったから。本当に早々に。
ラヴノス:違う違う、違うよ。彼は「最初」、他の連中を創り、その後「彼ら」が「我々」を創った・・・
トレアドール:そして彼は自分が「地上」に解き放った「恐怖」を悔いた!そして自分自身を「万物」から追放したのだ!
マルカヴ:そしてとても急いで走り去ったとさ。
トレアドール:もしあんたがそうしたいのならね。
ヴェントルー:でも我々がみんなこんなに違っている理由は何か?
トレアドール:「呪い」は神秘的な働きかけを行った・・・
ノスフェラトゥ:そうなんだ!僕は世界で一番の美男子だったのだ!
ラヴノス:うん、それが良い。
ラソンブラ:そして私は鏡に映っていた!
ブルーハー:俺が哲学者だったことにして良いのか?
ラヴノス:そしてトレアドールは趣味が良かった・・・
マルカヴ:そして俺は前はキチガイだった!
(沈黙)
ヴェントルー:私が思うにこの話に我々の運勢を賭けるべきかもしれない。
ステック:他にもっと良い案んんんはないのか?
ヴェントルー:よろしい、それなら、多数決を取ろう。マギックが良いと思う人。
トレメール:おう。
ヴェントルー:一人。
(沈黙)
ヴェントルー:次、惑星ユゴスからやってきたエイリアンに賛成する人は?
マルカヴ:にじゅうさんにん。
ヴェントルー:あんたの多重人格は数えないよ、マルカヴ君。
マルカヴ:えええ・・・
ヴェントルー:「神」に選ばれし息子の案は?・・・ステック、ラソンブラ、ツィミィーシ。他には?
ハッサム:私もだ。
ヴェントルー:よろしい、では四人だな。気が狂った青物屋の「呪われた」子供達に投じる者は?・・・四人いる。そして私も加えて、五人。
(うめき声)
ラソンブラ:票操作だ、あんたは投票資格のない審判のはずだぞ!
ヴェントルー:あんたが気に入らないのなら、出ていって自分のためのグループを作ればいいだろう。
ラソンブラ:たぶんそうするだろうさ。(訳注:ラソンブラは後のサバトの中核)
ヴェントルー:ではそういうことで、私は君達全員にこの情報を自分の子供達に伝えるように指示します。そして私は次の財務報告の年の始めの前に「私の」一族に「あなたがた」の一族に三本の複製した記録を渡すように命じておきます。会議は閉会します!(バタン、ドスンという音。ひそやかな不平の声とものを動かす音が飛び交う。)誰か飲み物は?
マルカヴ:俺が思うに、トレメールは食っちまったんだ。アアアアアアアアアアアア・・・・
ツィミィーシ:なんであんだは彼を窓のそどに放り出さないんだ、ブルーハー?
ブルーハー:俺はしなけりゃならなかったことをただ知らないんだ。(すねた顔)なんにせよ、誰も俺のことなんか理解してくれない。
ハッサム:おい、トレメール!
トレメール:何だね?
ハッサム:サウロット・・・あなたは彼を取りこんでしまった、そうじゃないかね?あなたは彼を飲み込んだ。カラカラになるまで。
トレメール:ううむ・・・ああ、その通りだ。
(沈黙)
ハッサム:それってどんな感じだね?(訳注:アサマイトはご存知の通り・・・)
(おしまい)
版権:コリン・スミス、ショーン・ハリガン、ウェイン・ジェニングス、レオナード・キング 1993年11月