先日、私が手に入れたEncyclopaedia Vampiricaには
参りました。(悪い意味でだけとは言いません)
この百科全書を書いたビンドゥサーラ氏という名の
ヴェントルーの博学に敬意を表するのはあとにして、
この書物がビンドゥサーラ氏のカマリリャに属して
いないのにも関わらず多分にカマリリャ寄りのもの
の見方をしていることを指摘しておきたい。
(たとえばヴィコス氏などの記述は完全に誹謗に
近い記述がなされている。)この書物の著作に携わ
った者の多くがカマリリャかそれ寄りの人物である
ことを考えればこれは頷けます。(例外はルシタ女
史だが、この文書がアナトールの死の前に編纂され
ている模様であることを見ると、納得できます。)
百科辞典が真に強力かつ危険な存在を、無視または
否定していることは(純粋に読み手の立場からする
と、残念ですが、)著者達の身の安全を考えればこ
れまた納得できなくもありません。
たとえば、黒手団の四人の熾天使たちのうち、真に
危険なイズヒム氏(最近ウル・シュルギ氏の召喚に
応じてアラムートに戻ったらしい)とエリメレク氏
(まだ狂っていないならば)は載っていないし、ま
た赤の名簿の首(ケミンティーリ女史とルシンデ女
史の因縁)や、聖堂騎士のヴィンセント氏などの名
前も載っていません。(アンコニュについてはいう
までもありませんが。)
そういうわけでこの書物はむしろヴァンパイアの世
界を概括して述べたものであり、それほど深い(充
分深いと言えるのかも知れませんが、それはあくま
で比較的に、と言うことで)情報を意識して編纂さ
れたものではないと思われます。
個人的に最も興味深いのは端に書かれた著者たちの
書きこみですが、これは書き手ごとに違ったフォン
トあるいは文体を使っているので本気で調べると意
味深いのかもしれません。(いくつか誰が書いたの
か分からなかったりします。)書き手として可能性
があるのは著者達と情報提供者達:
Bindusara:ヴェントルー、独立
小さくて細い書き文字、32ページなど
Aristotle:ムネモシュネ?、ベケットの師匠
骨太の文字、53ページなど
Lucita:ラソンブラ、最近サバトに加わる
15ページは明らかに彼女の書いたもの。
Albertus:ブルーハー
12ページ、35ページなど。鋭く角張った文字。
Aisling:トレメール(一番若輩だが博覧強記)
48ページなど。几帳面な文字。
Iontius?:トレアドール
わかりにくい…おそらく62ページの上から三つ目
など。男娼らしくなよなよした字?
Beckett?
良く分からない…どれも後書きの彼の字とは異なっ
ている。
の他に前書きに名を出しているJan(ヴェントルー、
ハルデシュタットの後継ぎ、流麗な飾り文字)と
Galebros(読めない…これでいいのかな?160ページ
など。なんだか気味の悪い文字)ですね。
(しかし確かめるには誰に聞いたらいいのやら。)
[2002年9月10日 19時43分47秒]