鹿児島オフ会レポート(後半)

参 加 者: 聖月様、old_rose様、室積光様、ヤムヤムジロー様、松太郎様、八方美人男(順不同)


◆◆ 自己紹介の場で ◆◆

 ようやく参加者の皆様とお会いすることができた今回の鹿児島オフ会。黒豚しゃぶしゃぶの肉も並べられ、いよいよ! というときにはじまったのが、お互いの名刺交換だった。

 オフ会というと、あくまでネット上で用いているハンドルネームでお互いに名乗りあうもの、という意識があったので、突如はじまった名刺交換会にはちょっと驚いたのだが、よくよく考えてみると、聖月さんと最初にお会いしたときも、「聖月さん」と呼ばれることに慣れていらっしゃらないご様子だった。
 もちろん、私以外の方々が、なんらかの形でリアルでもつながっている部分があった、というのもあるだろう。だが、このとき私が思い出していたのは、「維新ふるさと館」でやっていた「維新体感ホール」の、とあるナレーションの言葉だった。「薩摩藩では、子どもたちは独自の教育が施され、質実剛健、強い体とまっすぐな心をはぐくんでいった……」――なるほど、ここにいらっしゃる方々は、たしかに薩摩人なのだ、たとえネット上ではハンドルネームを名乗っていても、こうして面と向かった席で、なお偽名を使い続けるのは、彼らにとっては曲がったことなのだ、とおおいに納得したのである。

 万が一のために、会社の名刺は私も何枚かは常に持ち歩いているのだが、まさかこの場で役に立つことになるとは、まったくの予想外でした(笑)。

◆◆ 室積光さん、怒涛のトークショー ◆◆

 今回のオフ会ではいろいろ印象深いことはあったが、なんといっても強烈だったのは、室積光さんの語ってくれたさまざまなエピソードに尽きるだろう。著書『都立水商(おみずしょう)!』『ドスコイ警備保障』にまつわる裏話、現在進行中の映画や連載小説のこと、新しく構想中の企画のこと、ペンネームの由来についてなど、じつに熱く語ってくれた室積さんは、物語を生み出すこと、何かを表現するということに非常に真摯で、またとてもエネルギッシュな方だった。室積さんの小説を読んだときに感じた「すごい人が現われた」という思いは、けっして間違ってはいないと確信できた瞬間でもあった。

 以下に、箇条書きではあるが、そのトークのいくつかを紹介したいと思う。

●戦利品その1 室積光氏のサイン
●『都立水商!』誕生秘話
 『都立水商!』の面白いところは、もちろんその発想の妙もあるが、じつは本書の後半を占める「高校野球編」で、都立水商業高校の紹介ビデオをNHKが流している場面があって、私にはまるでそのときの映像が脳裏に浮かぶほど印象的だったのだが、室積さんの話によると、まさにそこからあの小説は生まれたのだという。
 室積さんは仕事柄、私立高校の紹介ビデオの製作にかかわることがあるそうだが、ある日、そんな「高校紹介ビデオ」の棚の中に、架空の高校、しかも「水商売の専門高校」のビデオがまぎれこんでいたら、楽しいんじゃないかと思ったそうである。

●現在連載中の「殺人小説」
 人の役に立つのに、特別なことをする必要はない。たとえば、駅にやってくる通勤客に必ず挨拶をする人がいる。彼の挨拶は何も特別なことではないが、挨拶された人たちは、ほんのちょっとだけ良い気分になる。その「ちょっと」が、もし積もり積もっていったとしたら、それは結果として何人かの人を救うくらいのものになっていかもしれない。
 だが――もしそれが真実だとするなら、その逆もありえるのではないか。やっていることはささいなことだが、それをされた人たちは、ほんのちょっとだけ嫌な気分になる。それも積もり積もれば、彼は何人かの人を殺しているのど同じ罪を犯しているのかもしれないのだ……。
●旧制高校の対抗野球戦
 大学野球というと、まず思い浮かべるのは「六大学野球」だろうが、戦前に九州で行なわれていた第五高等学校(現熊本大学)と第七高等学校造士館(現鹿児島大学)の対抗戦も、すごいものがあったという。現在室積さんは、その時代に対抗戦の選手だった人たち、同時に太平洋戦争で兵士として駆り出されていった人たちのことを物語にしようとしている。すでに何人かの旧制高校出身のご老人に取材をし、物語のほうもかなり具体的な演出の部分まで惜しげもなく語ってくれたのだが、やはり心憎いというか、聞いていても感動してしまう話だった。ヤムヤムジローさんも諸手を挙げて賛成してました。

 室積さんの考えの基礎にあるのは、戦後の日本人が「悪」だとして切り捨てていった「戦前」には、大切なものがたくさんある、というものだと思う。そして、そこにいたるまでの過程は、けっして付け焼刃の知識などではなくて、自分の目で見、耳で聞いてきたたしかな事実に裏打ちされている。そんな行動派の室積さんであるからこそ、たとえば1作も小説を書いていないのに「小説家になりたい」と言ってくる人たちに厳しい態度であったりする。
 「お酒はまったく飲めないが、よく喋る方です」という聖月さんの事前情報どおりの方でした。サインどうもありがとうございました。

◆◆ 黒豚しゃぶしゃぶとお土産と ◆◆

 そんなわけで、主に室積さんとのトークで盛り上がったのですが、もちろんというか、黒豚しゃぶしゃぶのほうもおおいに堪能させていただきました。
 しゃぶしゃぶ自体、これまであまり口にしたことがなかったので、じつはけっこう楽しみにしていたのですが、想像していた以上にあっさりしていて、ふだんはあまり食べない私もかなりバクバク食べていたように思う(笑)。鍋もいいけど、こんなしゃぶしゃぶも悪くない。

 あと、松太郎さんの勧めで焼酎のほうも少しだけいただいた。松太郎さんは、会の後半では室積さんを独占状態だったのだが、そのときの幸せそうな顔が印象に残っています。

 そして面白かったのが、お土産。私は東京で買ってきた「ひよこサブレ」だったのだが、なんと、old_roseさんが買ってきたのも「ひよこサブレ」! old_roseさんは現在福岡在住なのだが、そちらにも「ひよこサブレ」なるものがあるのだという。まったく面白い偶然なのだが、「ひよこまんじゅんは重そうだったから、軽そうなサブレにした」という心理まで同じ。やはり、人の考えることは似ている、ということらしい。

「えっ、ひよこサブレって、東京名物じゃないんですか?」
「いや、もともとは博多の名物だという話を聞いたことがありますが」
「たしか福岡のひよこは、東京のものよりくちばしが長いらしいですよ」

 こんなことなら、「雷おこし」のほうがよかったかも、と思ったものの、この偶然もいま思えば良い思い出になりました。福岡のひよこサブレ、どうもありがとうございました、old_roseさん。

●夢の跡・・・


●戦利品その2 福岡の「ひよこサブレ」

 その他にも、前々から噂になっていた、ヤムヤムジローさんの「Y」の曲のこと(残念ながら、その歌声は聴けませんでした)、好きな本のこと、聖月さんや私のサイトのこと、教育問題のことなどなど、いろいろな話で盛り上がったしゃぶしゃぶ食べ放題の会は、長いようであっという間に過ぎていってしまいました。宴もたけなわということで、最後に室積さんに一本じめでしめてもらい、終了。遠いところから来てくださった方、忙しいなか時間の都合をつけていただいた方、今回のオフ会に参加いただき、本当にありがとうございました。

 ちなみに、私は南洲館までおくってもらい、そこで皆様とはお別れしたのですが、聖月さん、old_roseさん、ヤムヤムジローさんは同窓会を兼ねての二次会へとくりだしていったそうな。
 なにはともあれ、はじめての鹿児島でのオフ会の第一日目は、こうして終わっていった。

 しかし、このときの私は、まだ気づいていなかったのだ。まさかこの次の日に、とんでもない事態が私を待ち受けていようなどとは……。しかしまあ、それはまた別の話である。

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