鹿児島オフ会レポート

参 加 者: 聖月様、old_rose様、室積光様、ヤムヤムジロー様、松太郎様、八方美人男(順不同)


◆◆ えっ、鹿児島で? ◆◆

 今回開くことになった初の出張オフは、2003年11月のはじめごろ、何気なく掲示板で本の貸し借りのことが話題になって、私が冗談半分で「いっそのこと、『いろんな本とか貸し借りするオフ会』とかやっちゃいましょうか?」などと書いたところ、聖月さんがオフ会に対して大きな憧れを抱いていることを表明してきたのに端を発している。

 聖月さんは現在鹿児島在住の方で、インターネットでやりとりするぶんにはそうした距離感は感じないのだが、オフ会をひらくとなると、やはりリアルの距離が問題となってくる。つまり、せっかくオフ会の企画があって、参加したいと思っても、それが関東方面で行なわれるかぎり、おいそれと参加できないというのが実情なのだ。ああ、近くて遠い国、薩摩。

 鹿児島でオフ会を開く、ということを考えたとき、じっさいにどれだけの人が集まってくれるだろうか、というのが問題となってくる。オフ会は、やはり人数が多いほうが楽しい。最悪の場合、私と聖月だけのデートオフになる可能性も・・・などといろいろ考えていたのだが、その頃私は、「ブックジャングル」という、南鹿児島で最大規模という触れ込みの書店で、聖月さんのサイトでオススメしている本のコーナーができた、という話を聞いていて、非常に興味をそそられていたのだ。

 できれば一度は行ってみたい。もちろん、聖月さんともお会いして、いろいろ語り合いたい――いろいろ不安材料はあったが、とりあえずやってしまえ! という感じで開催が決定した次第である。

◆◆ いよいよ鹿児島へ! ◆◆

 やると決まったからにはさっそく準備にとりかからなくては、ということで、とりあえず「オフ会専用掲示板」を設置。日程などの詳細を決めつつ参加者を募集する。開催日は、全日空の「超割」チケットの関係で2004年の1月24日と25日に決定。やることも黒豚しゃぶしゃぶ食べ放題に決まり、同時に鹿児島観光ということで、かごしま近代文学館&メルヘン館は外せないな、などと日程を勝手に決めていく(笑)。懸念事項だった参加者についても、聖月さんの人徳のおかげで、少しずつ集まってきた。

●私が乗った旅客機
 とくに作家で俳優、劇作家に映画監督など、さまざまな分野で活躍する室積光さんが参加してくださることになって、なにやらとんでもないことが起こりそうな予感がしはじめたのも、この時期だった。

 年が明けると急に日本列島の冷え込みが激しくなり、今度は雪による交通の影響が不安材料になってきたが、オフ会当日の東京の天気は「晴れ」。いっぽうの鹿児島の天気は、予報によると「曇り時々雨」ということで、少なくとも飛ばない、という心配はなさそうだった。

 こうして、私を載せた全日空の旅客機は、鹿児島に向けて出発した。

◆◆ 到着、邂逅、観光 ◆◆

 鹿児島空港の到着ロビーで、聖月さんと合流。事前に「長嶋ジャパンの野球ジャンバー、腕番号18、色は白」という情報をいただいていたが、そもそも顔写真がサイトにも載っているので、すぐに見つけることができた。その後、聖月さんの自動車に乗り込んで、鹿児島市城山町へと出発。
 車内ではそれぞれのサイトづくりのことや、最近読んだ本のこと、故郷の話などをした。とくに本の話になると、お互いに熱がこもる。
 そもそも私が聖月さんのサイトの掲示板に書き込みをしたのは、聖月さんが書いた舞城王太郎の書評のなかで、その文体を真似て書いていた部分に感服したのがはじまりだった。最近聖月さんが読んだという『九十九十九』から、清涼院流水の『コズミック』へ、さらにメフィスト賞のことや芥川賞のこと、そして私が最近読み終えていた、白石一文の『一瞬の光』(聖月さんのリクエスト)のことなどなど。

 そして話をしながらも、「あれが桜島ですよ」などと観光案内するのを忘れない聖月さんは、とても気配りがしっかりした、サービス精神満載の方でした。

 まず聖月さんに案内されたのは、丘の上にある「城山公園」。ここの展望台から鹿児島市と桜島が一望できるとのことで、展望台までふたりで散歩。展望台のお店で、冬なのに「紫いもアイスクリーム」を食べる。売店のオバチャンに「初恋の味は250円」と言われたが、その初恋の味のアイスクリームは程よく甘くて、そして木のへらが割れてしまいそうなほどよく冷えてました(笑)。

 桜島というと、火山灰の被害とかが頭にあったのだが、今はそれほど活発な活動はしていないとのこと。ただ、聖月さんが語ってくれた子どもの頃の話で、桜島のほうからドーンと音がして、ヤバイと思って家まで帰ったというエピソードは、火山と生活との結びつきを強く感じさせるものがあった。

●展望台から臨む桜島


●これが噂の桜島ダイコンだ!
 次に案内してくれたのは「維新ふるさと館」。最近できた施設だが、どうやらここの展示物(大河ドラマ「翔ぶが如く」関係のもの)に、室積光さんが出ているらしいという情報を、聖月さんはつかんでいたようだ。室積さんはかつて、この大河ドラマに出演していたこともあったのだ。

 西郷さんのことを薩摩弁で聞くことができるテープのコーナーなど、いろいろ揃っているこの施設だが、なんといってもメインは、地下にある「維新体感ホール」で、明治維新の立役者たちのロボットを中心に、薩摩の時代を再現してみせる、というもの。すごく金がかかった演出でした。そしてやはり、西郷隆盛は鹿児島のヒーローなんだなあ、とあらためて実感。

◆◆ チェックイン、そして文学館へ ◆◆

 「とりあえずチェックインを済ませてしまいましょう」という聖月さんの提案で、今回宿泊する「南洲館」へと向かう。けっして広くはないホテルだが、格安だし、こじんまりしていて、思った以上に良いところでした。

 ちなみに、聖月さんから小川洋子の『博士の愛した数式』をいただいたのも、ここのロビーでのこと。お礼に私も、パトリック・ジュースキントの『香水』を差し上げました。気に入っていただけるといいのだが・・・。

●かごしま近代文学館&メルヘン館


●西郷隆盛の銅像。軍服姿だ
 聖月さんがこれから車を家に戻してくる、ということになって、当初から目的にしていた「かごしま近代文学館&メルヘン館」にはひとりで行くことになった。

 近代文学館では、鹿児島にゆかりのある6人の作家のことを映像と音で説明してくれるコーナーをはじめとする常設展示があり、なかなかに意外な事実を知ることができた。
 たとえば、福岡県出身で、10歳のときに鹿児島の母の家に預けられた林芙美子は、『放浪記』からもわかるように根っからの放浪人で、鹿児島という地に複雑な思いをいだいているのに対し、もともと東京生まれだった向田邦子は、同じく10歳のときに2年程度しか住んでいなかった鹿児島を「第二の故郷」と思うほど愛着を感じていた、ということ。このふたりの女性作家の対極的な考えは、とくに私の印象に残るものだった。

 いっぽうのメルヘン館は、世界じゅうの童話をいっぱいに詰め込んだおもちゃ箱のような施設。聖月さんやold_roseさんも、お子さんといっしょに何度か来たことがあるほどの人気スポットだ。私ももういい年した大人なのだが、こんな施設が近くにあるのはいいなあ、と素直に思ってしまった。

 集合時間が近づいてきたので、ふたたび「南洲館」へと向かう。道中には「西郷隆盛の銅像」があったのだが、この銅像は、上野にあるものとは違い、軍服を着たりりしい姿だった。そういえば、この近くの洞穴で、西郷さんは最期を迎えたのだと、聖月さんも言っていたのを思い出した。

 南洲館に着くと、すでに聖月さんが待っていて、「old_roseさんがもうすぐ来るので、ここで合流しましょう」ということになった。
 しばらくして、今回のオフ会の紅一点、old_roseさんがご到着。雪の影響で車で来る予定を電車に切り替えたというold_roseさんは、びっくりするほど綺麗で、そして気さくなお方でした。

◆◆ ブックジャングル、万十屋、全員集合 ◆◆

 3人が揃ったところで、本来の集合場所である「ブックジャングル」へと向かう。道すがら気がついたのだが、old_roseさんと聖月さんが会話するとき、自然と言葉が方言になっている。今の時代、日本のどこの町もそれほど大きな違いがあるわけではないのだが、こうした方言を聞くと、やはりいつも自分が住んでいる土地とは別の場所にいるんだなあ、としみじみ思う。

 南関東最大の書店、「ブックジャングル」で、今回のオフ会の真打ち、室積光さんとご対面。私はこれが初顔合わせだったのだが、old_roseさんの話によると、『ドスコイ警備保障』の巻末に「著者近影」が載っていたとのこと。ぜんぜん気がつきませんでした……。帰ったら確認しなければ。

 残るはヤムヤムジローさんと松太郎さんのお二方だが、ふたりは直接店に来る、ということで、とりあえず4人で「万十屋」に向かう。ここはもともとはもつ屋らしいのだが、今回の目的はもちろん、黒豚しゃぶしゅぶの食べ放題である(笑)。とりあえずは4人で乾杯。しばらくして、先程まで仕事だったというヤムヤムジローさんと、聖月さんと同じ会社に勤めていて、室積光さんの大ファンという松太郎さんがご到着。全員が揃ったところで私が乾杯の音頭をとることになり、オフ会が無事始められたということなどなどを祝して、あらためて乾杯と相成った。

(後半へつづく)




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