「第一回 八方美人なオフ会」レポート

参加者:くら様、のっち様、ゆぎり様、まこりん様、八方美人男(順不同)


 今世紀も残すところ50日を切った、西暦2000年11月18日(土)。私こと八方美人男はJR高田馬場駅内のキオスク前(※1)で、参加者の到着を待っていた。
 以前から私が中心となってオフ会を主催したい、という気持ちがあり、そこにまこりんさんの「オフ会しませんか」との働きかけが加わって、ようやく今日にいたったわけだが、蓋を開けてみると、オフ会には初参加、という方々ばかり。一抹の不安を感じつつ待つことしばし、携帯電話が鳴って、慣れない手つきで(※2)電話に出ようとしたところ、「それ私です」という声とともにのっちさんがご到着。そのすぐ後に「八方美人男さんですか?」とくらさんが登場、私たちはさっそく西早稲田の古本屋を巡り歩くという「古本屋ツアー」に出発した。
 古本屋ツアーは、オフ会用掲示板の話題の中で、私が「高田馬場近くに古本屋通りがある」という話をしたところ、くらさんが興味ありげにその話に乗ってくれたことから企画されたもので、『死の蔵書』(※3)に出てくるイースト・コールファックス通り書店街の雰囲気をもっともよく表しているスポットでもある昔からの古本屋を巡ってその気分に浸ろう、というのが目的だ。
 まず地下鉄東西線で早稲田駅まで行き、そこから高田馬場駅まで歩く、というコースを私は選んだ。途中にあった噂のカレー屋「メーヤウ」(※4)や、穴八幡神社(※5)の説明をしながら歩くことしばし、道路の左右に徐々にいかにも、という感じの古本屋が見えてくる。そのうちの何件かをピックアップしつつ、さっそく中を物色する。くらさんものっちさんもすごく熱心に棚を眺めたり、古本を手にとってめくったりしている。私は初期に出版された『注文の多い料理店』(※6)や『高野聖』(※7)などの名作本を開いて、中の挿絵(※8)を見て楽しんだり、いかにも高級そうな装丁の『こころ』(※9)や『罪と罰』(※10)を発見、私もはじめて見る天金(※11)の輝きを堪能していたのだが、その間にくらさんものっちさんも一冊ずつ本を購入。私はと言えば、吉本ばななの『TUGUMI』の文庫本を探すのも忘れているという有様だ。
 外は日が翳り、木枯らしが吹く。昼間の暖かさはどこへやら、少しばかり寒い。こりゃ時期が悪かったか、と思いつつ(※12)、そろそろ二次の待ち合わせ時間が近づいたので、高田馬場駅へと急ぐことにする。

 18時10分、ゆぎりさんがご到着。このときすでにsilverberryさんとまこりんさんから遅れそうだという連絡をいただいたため、とりあえず飲み会の場所である「がんばり屋」(※13)へと向かうことにする。
 ようやく木枯らしがしのげる場所について、皆さんホッとしたご様子。さっそく飲み物と料理を注文する。掲示板でもちょっと話題になっていた「ちょっと大きなコロッケ」(※14)は外せないとして、あと何を注文しようか、と考えているうちに、肉類の話から真保裕一の『連鎖』と『奪取』(※15)の話題となり、私が引っ張り出した一万円札を広げて、一ミリのなかに十一本の線が入っている福沢諭吉の目元の皺や、日銀総裁印の下の波形に施されたレインボー印刷(※16)の説明などをする。福沢諭吉も、オフ会のネタになってさぞかし本望だろう(笑)。
 それから飲み物と食べ物が届き、乾杯の後はしばらくいろいろな本の話題に花が咲いた。私が常々「良い本だ」と連呼している『首飾り』(※17)からはじまって、みなさんが普段どんな本を読んでいるかの話になり、くらさんのハードボイルド系、ゆぎりさんのファンタジー系の話題から、のっちさんの文庫本傾向の話、そしていわゆる「青臭い本」(※18)の話題になって、そこから三田誠広(※19)へと話が移り変わっていく。ちなみに、このとき唯一の学生であるゆぎりさんが空手部に入っていることが判明。空手や格闘技の話題も出た。
 18:45頃、高田馬場駅に到着したまこりんさんをお迎えして、話は一時ホームページの話題に。のっちさんの非公開のホームページは、どうやら酒飲みのページらしい。それを証明するように、のっちさんのアルコール摂取のピッチも早くなっていたような・・・・・・。まこりんさんのホームページ一時閉鎖の話題から、なぜかCGI(※20)やJAVA(※21)となり、パソコンを持っていないくらさんにパソコンを買えばコールや、私へのサーバ変えろコール、さらに私もすっかり忘れていた隠しページ(※22)の話題へとヒートアップ。「書いたのはいいけどあんまりに青臭い文章になって、それで隠しページにしたんですけど、ゆぎりさんに検索エンジンから見つけられてしまって・・・・・・」と話すと、まこりんさんから「でも読んでほしいからアップしたんだよね」という鋭いツッコミ。まったくその通りです(笑)。「僕、青臭いの好きですよ」とのっちさんにフォローを頂いて、アルコールで赤くなった私の顔がますます赤くなったような気がした。
 私のホームページでやっているリクエスト書評に関することも、話題になった。「これは誉められない、っていう本もあるでしょう?」とまこりんさんに聞かれて、「でも本は最後まで読んでみないとわからない」という意見にくらさんも同調。私はあまり好き嫌いがないほう(※23)なので、最近リクエスト関係で読んでいたノンフィクションの話をしたが、自分がいかに読んだ本の影響を受けやすいか(※24)を説明するに終わったような気がする。でも正直な話、『徳川家康』(※25)や『大菩薩峠』(※26)を書評してくれ、と言われたらキツイだろうなあ、ということも話す。
 ゆぎりさんに「ハイペリオンシリーズ(※27)は何日くらいで読み終わりました?」と聞かれ、そこからハードカバーを持ち歩くのは大変だという話に。私が『屍鬼』(※28)を読んでいたとき、上巻が読み終わりそうなとき、あの分厚いハードカバーを上下巻カバンに入れて出勤したと話すと、みんなはずいぶん驚いていたようだ。読書家にとって、体力は必須だろうと私などは思うのだが、文庫派ののっちさんとはちょっと意見が違っていたようだ。そののっちさん、木でできたなかなかおしゃれなブックカバー(※29)を持っていて、そこからのっちさんが旅行先で体験したバンジージャンプ(※30)体験になって大いに盛り上がった。
 盛り上がったと言えば、まこりんさんの「DASACON」(※31)参加秘話もかなり盛り上がった。まこりんさんの話では、SF系の人たちの話題がかなり印象に残っていたようだ。もしその場にsilverberryさんがいてくれれば、もう少しいろいろな話で盛り上がったのかもしれないのが、どうにも残念だ。silverberryさんはSF系のホームページを持っていらっしゃる方で、今回は残念ながら、仕事が忙しくてドタキャンになってしまった。そこから一時話題はテレビ番組のことになり、私はリニューアルする前の「本パラ! 関口堂書店」(※32)の、「絵本のコーナー」がどんなに素晴らしかったかを酔っぱらいながらも説明し、ほかにも「仮面ライダークウガ」の話なども話題になった。
 その他にも、漫画の話や私が昔書いていた小説のことなど、本当にいろいろなことを話したと思うのだが、酔った私の頭はもうおぼろげだ。飲むものを飲み、食うものを食ってたけなわになった21:40頃にお開きとし、再び木枯らしの吹く道を高田馬場駅に向かいながら、くらさんに『遥か南へ』(※33)の書評をアップしたことを告げる。第二回の開催はもっと暖かい時期にしようと決意しながら、まこりんさんにリクエストされた『希望の国のエクソダス』(※34)を忘れないようにしつつ、皆さんとお別れすることにした。

 参加してくださった皆さん、まことにありがとうございました。




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