「なりゆきのマンガ喫茶オフ会」レポート
またの名を「甘味処で甘いもの食べ尽くそうオフ」(笑)

参加者:silverberry様、きょん1様、みちる様、くら様、ゆぎり様、みと様、八方美人男(順不同)


◆◆ 第1章 さよらな「マンガ喫茶ヨムヨム」 ◆◆

 「マンガ喫茶に行ってみたいけど、ひとりであそこに入る勇気がない……」
 そんな掲示板の書きこみが、すべての始まりだった。あれは忘れもしない2001年の3月頃(って、しっかり忘れてるじゃん!)、「マンガが売れない原因はBOOK−OFFとマンガ喫茶が原因」という私の発言から派生したその意見は、学生時代からマンガ喫茶にはお世話になっていた私にとっては、なんとも意外な意見であったが、掲示板の書き込みには「私も入りづらい」という方が多くて、当初私は、「マンガ喫茶もそれほど市民権を得ているわけではないのだな」などとのんきに構えている程度だった。

 ところが、いったい何がどうなったのか、ふと気がついてみると「マンガ喫茶オフをやろう!」「それなら私もぜひ参加したい!」という流れが完全にできあがってしまっており、ほとんどなりゆきのままに2001年4月30日、ゴールデンウィークの前半最後の日に、「マンガ喫茶訪問」に「甘味処で甘いものを食べる」というオプションをつけた「マンガ喫茶&甘味処オフ会」なるものが実現してしまった次第である。

 マンガ喫茶でオフ会――けっしてみんなでワイワイお話する雰囲気ではないマンガ喫茶で、ひたすらマンガを読みふける、という、およそ聞いたことのない内容に一抹の不安を抱きつつ、まずは集合場所へ。silverberryさんがすでにご到着しており、それからみちるさん、ゆぎりさん、くらさん、きょん1さんとメンバーが集まり、ひととおり挨拶を終えてから、いよいよマンガ喫茶へと移動する。

 私が今回オフ会の場所として選んだのは、新宿東口地下通路にある「マンガ喫茶ヨムヨム」。ここは、私がまだ学生だった頃にデビューを果たした思い出の場所であり、おそらく私の知る中ではもっとも早くから存在していた、いわゆる「老舗」(笑)。ここなら店内も広く、蔵書もしっかりしているので問題あるまい、ということで、今回のオフ会企画が持ちあがったときにまっさきに思い出したところである。
 六人で禁煙席を指定すると、席がバラバラになる、という返事だったが、くらさんの「バラバラでもいいから禁煙席にしましょう」という鶴の一声で席は決定。私はゆぎりさんと同じテーブル。野郎同士、向かい合ってマンガを読む――なかなか良い絵になりそうである。

 このあたりは、当然予想はしていたが、会話というものがほとんど存在しない。一度本棚のところで『ハンター×ハンター』(冨樫義博著 集英社コミック)を探していたきょん1さんと、少し話をした程度で、あとはずっとマンガ読んでました。ちなみに、私が読んだのは

   ●『ハンター×ハンター 11巻』(冨樫義博 集英社)
   ●『おまかせ!ピース電器店 22巻』(能田達規 秋田書店)
   ●『バトル・ロワイアル 3巻』(高見広春作/田口雅之画 秋田書店)
   ●『ベルセルク 19巻』(三浦建太郎 白泉社)

 ふとゆぎりさんのほうを見ると、どうやら福本伸行のマンガを読んでいるみたいだが、タイトルまではよくわからない。でも福本伸行とは、なかなかしぶい選択である。

 うーむ、しかしマンガ喫茶に来るたびに思うのだが、たとえ2時間あっても、読むのが大して早くない人にとっては、じつは買って読んでもあまり違いはないような気がする。しかもここ、90分を超えると延長料金とられるし。
 それはともかく、あっという間に時間は過ぎ、次の予定が迫ってきたので、マンガ喫茶を退場。いつかもらった「30円割引券」がまだ有効だったのでそれを使ってみる。ちょっと得した気分にひたっていると、みんな入口のガラス製のドアに内側から貼られた張り紙に注目している。いったい何事か――とよくよくその内容を見てみると……

「マンガ喫茶ヨムヨムは、4/30をもって閉店することになりました……」

 もし、このオフ会の予定が一日ズレていたら、私たちは閉店した「マンガ喫茶ヨムヨム」の前で途方にくれていたことになる。このオフ会でマンガ喫茶初デビュー、という方も多くいらっしゃいましたが、あろうことか、はじめて入ったマンガ喫茶はその日で閉店という、なんともできすぎた偶然に、一同呆然とするしかなかった。

 期せずして、「マンガ喫茶オフ」は「さよなら『マンガ喫茶ヨムヨム』オフ」となったのでした。嗚呼、我が青春の「マンガ喫茶ヨムヨム」よ、永遠なれ。

 

◆◆ 第2章 オフ会メンバーそろい踏み ◆◆

 さて、マンガ喫茶オフもつつがなく終了、今度は甘味処巡り、ということで、私たちはみとさんを迎えに再び新宿駅へ向かう。花粉症のみとさんは煙草のけむりがどうしても駄目で、マンガ喫茶のほうは泣く泣く辞退していたのだ。
 新宿駅に向かう途中、みちるさんの記憶を頼りに、『体の贈り物』(レベッカ・ブラウン著 マガジンハウス)を買うためにMyCity内の書店(山下書店)に寄った。この本は、みちるさんの年間リクエストのうちのひとつで、ずっと探してはいたのだが、近くの書店にはもちろん、出版社でも品切返品待ち、という状態で、なかなか手に入らない本だったのだ。
 みちるさんの記憶に間違いはなく、私はなんなく本をゲットしたのだが、うーん、本って、あるところにはあるんだなあ。

 新宿駅の集合場所で、無事みとさんとも合流。メインの「高野フルーツバー」の予約は17:30からなので、それまでどこかの甘味処で時間つぶしをすることになっている。私はおもむろに実業之日本社の『おいしいケーキの店』という本を開き、ひとまず伊勢丹内の甘味処に行こうということで移動開始。
 しかし、さすがはGWと言うべきか、伊勢丹4階の「カフェ・ロダン」も、同じ4階のあんみつ系のお店も満席状態。みとさんの提案で伊勢丹会館のほうへ移動するも、そこの珈琲館「バン」も満席、なかなか7人が入れるような場所がない。とりあえず落ち着ける場所を求めて近くをうろうろしているうちに、コーヒーラウンジ「NEW TOPS」という場所を発見、ようやく中に入ることができた。ふう。

 ここはコーヒーラウンジということで、コーヒーやソフトドリンクがメインのようだが、ケーキのセットもやっているようだ。しかし、みなさん後に「高野フルーツバー」が控えているからか、ここでケーキを頼むかどうか、少々お悩みの模様。私もどうしようか考えていたが、きょん1さんの「八方さんは食べますよね? ケーキ」という声に「食べます」と私の口が答えていた。きょん1さんはロウケツ染めのアーティスト、去年11月に開いた個展で本人と直接お会いする機会を得たのだが、そのとき私が喫茶店でケーキをパクついていた姿を思い浮かべていたのかどうか……。

 それぞれの思惑を胸に注文が終了するのを待って、私はおもむろに、今回の目印としていた「ロフトの袋」から荷物を取り出した。中には北海道在住のもろやんさんからいただいたお菓子が入っているはずである。もろやんさんも今回のオフ会に参加の予定だったのだが、日程の関係で断念、その代わりにお菓子を贈ります、というメールはいただいていた。荷物は今日の朝に届いたばかりで、私もまだ中身は確認していなかったのだ。
 出てきたお菓子は、六花亭製菓(北海道のお菓子の会社)の「マルセイバターサンド」、十勝のフレッシュバターを使用した、北海道伝統のお菓子だ。さすがもろやんさん、洒落たチョイスだと思いながらお菓子をみなさんに配っていると、はて、なんか他にも入っている模様。
 ひとつはポストイットの付箋。もろやんさんとはオフ会で何度かお会いしたことはあるのだが、そのとき見せた「剣山状態の本」によほど強い印象を持っていたようである。
 「剣山状態の本」、それは、付箋魔の私が、読んでいる本の気になる箇所にペッタラペッタラ付箋を貼りつけていくうちに、付箋が本の頭から剣山のように飛び出している状態のことを指す。今回初顔合わせのみちるさんにそうなってしまった本を見せつつ、さらに荷物を探ってみると、今度は一枚の絵葉書が。

「それから、日本の付箋消費量の3割を占める八方さんのため、新たな付箋を同封しました。」

 もろやんさん、超ナイスです(笑)。思わずみなさんに回してしまいましたよ。当人は私だけが見ることを想定していたようだが、こんなナイスなメッセージを私がひとり占めするのは犯罪であろう。

 それから、話は私が実際にどのくらい付箋を消費するのか、といった話からはじまって、このあいだ行なわれた「東京国際ブックフェア」の文芸社のことや、なぜか会場にいたアイボの話、みとさんの掲示板で話題になっている「ソリの合わないヒロイン」の話や、神林長平や夢枕獏といった作家のこと、くらさんが読んだ『イギリス人の患者』と映画『イングリッシュ・ペイシェント』との違い、私の読んだ『海は涸いていた』と映画『絆』との違いなど、もろもろのよもやま話に花を咲かせる。
 でもやっぱり、本の話が多くなってしまうのねん(笑)。私も『首飾り』の著者である雨森零は、なぜ『月の裏まで走っていけた』以降、小説を書かないのか、とかいうことをえんえん話していたし。

 

後半へつづく




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