ドラゴンランスパネル・1998年9月5日・ジョージア州アトランタ・DragonCon マーガレット・ワイス「ご来場ありがとうございます、私がマーガレット・ワイスです。そして、こちらにおりますのは、親友のジャネット・パック、ドラゴンランスの作家仲間でもあります。彼女は短編をいくつか書いていまして、それと、えーと」 ジャネット「……作曲もしてるかも」(笑) ワイス:……そうね。彼女は私達が使った音楽を書いてくれたし、ドラゴンランス以外の作品でも作曲しているんです。それに、彼女はドラゴンランスの一番初めのテストプレイでは、タッスルホッフだったんですよ パック「私がタイプキャスト(はまり役)なんです」(笑) ワイス:1984年当時のことを振り返ってみますと、私達が最初の本を書き上げてGENCONでプロモーションしたかったんですが、同時期にケノーシャのパークサイドで開催された小さなコンベンションがあったんです。そこで、トレイシーと私はGENCONの前の一週間にドラゴンランスをプレイすることに決めました。ジャネットと夫のグレイ・パックが訪れることになっていたので、私達は2人に電話をかけて、そして私達は・・・(笑いだして後が続けられない) パック「私は本当に奇妙な電話を受けたんです。「ハイ、ジャネット・・・・・・来てプレイできるかしら。それに、えーと、コスプレ衣装、それに、えーと、ね、わかるでしょ、全部よ」」 ワイス(以下略):ジャネットにこう話したんです。「あなたが、ケンダーをやるのよ」そしてジャネットはこう返答したんです「いいわね・・・・・・でもなんでケンダーなのよ」ドラゴンランスは実際に大ヒットして、だれもが楽しんでくれました。群集に出くわしたときのことでした。たぶん娘も一緒にいました、当時9歳で、コンヴェンションのフリーチケットをサンドイッチボードにぶら下げてたかしら。やってきた人は口々にこう言うんです「聞いたこともないものをプレイしているのを本当は見に来たかったのではありません」でもこの金髪の少女が言ったことで幻滅したくはなかったんじゃないかしら。「あなたも来なさいよ、ママのプレイを観てちょうだい」 パック「そこに何もないのに演じているのよ!」 では、フィフスエイジ についてお話いたしましょう。それだけだと、本当に短いセミナーになっちゃうんですけどね。(笑)というのもね、私がフィフスエイジ について知っていることって、話すことを許可されていないんです。ああ、ここに、TSR社のフィフスエイジのブランドマネージャのスー・クックがいたらいいのに。彼女なら話してもいいことを教えてくれるのに。でも本当に彼女がいたらどうなっていたかなんて分かりませんけど。(笑)どうしてフィフスエイジ が出来たかってことなら少し位はしゃべってもいいかな。多くの人がフィフスエイジに当惑してるってことは知っています。ご来場の皆さんもたぶんそうでしょう。ですからお話できることは、私達がフィフスエイジの背景でどう考えたのか、どんな要因で悪い方向にいってしまったのか、どのようにしてみんなで悪い方向から引き戻したかってことです TSRはトレイシーと私に一冊の本、今までとは別のドラゴンランスの本を書くことを望んでアプローチしてきました、彼らは一冊で終えることを望んでいました、3部作を望んではいませんでした。それでトレイシーと私は、この本をどう取り扱うか、どうプロットを作るかを決めはじめたんです。私は(北欧神話の)斜陽の神ラグナレクに興味を持っていました。ラグナレクは他の神々と戦い、世界に終わりをもたらす神です。ドラゴンランスに導入するにはふさわしいのではないかって考えたんです。(笑)おお、ドラゴンランスの他の本の著者リンダ・ベーカーが会場にやってきましたね パック「ハイ、リンダ!」 それで、どうしたら話が盛り上がるかを考えました。ドラゴンズ・オブ・サマーフレーム(以下DoSF)は単独の本にするつもりではさらさらなかったのです。そこでは「本命」の本でした。私達が約束したのは、DoSFの出来事が起こっている一方で、同時に、つまり同事象に起こっているさまざまな出来事を書いた本が存在し、カオスウォー期に起こっているさまざまな出来事に関連しているだろうということでした。エルフ・シビル・ウォーの大作本がいるだろうと考えました、DoSFと同じくらいの長編になるような。でもDoSFに中に含めることは出来ませんでした。でも、ストーリーだけはあるんですよ、クリサニアと虎の話はリンダか書き上げたんだっけ?(リンダの答えを待って)Tears of the Night Sky(再び聞く)来月発売。その本は、先ほど申し上げた通り、カオスウォー時に起こるの話の一つなんです その当時ドラゴンランスのゲームに問題が生じていました、ドラゴンランスはゲームとしては完結していたんです。モジュールの売り上げは激減していました、主な理由はストーリーが語り尽くされてしまっていたからです。語り尽くされてしまった以上、おしまいなのです。彼らは再びドラゴンランスを立ちあげてゲームのラインナップに戻さなければなりませんでした。彼らはSAGAという新しい(ゲーム)システムの中にドラゴンランスを結び付けなければなりませんでした。彼らはDoSFとフィフスエイジを考えました。こうすれば、SAGAを紹介して、フィフスエイジを付け加えるのに理想的な時間があると考えました。トレイシーと私が望んだのはそのプランに私達を参加させて欲しいということでした。私達がそのゲームの扱いでアドバイスしようとしたことはカオスウォーの間のエピソードから選んでゲームを作り出すということでした。私はこう言ったんです「どんなに楽しいかしら、それぞれの神々の側に立って演じて戦うってのは! そうなったら、本当に、本当に、素晴らしいのよ!」ええ、彼らはそうは考えませんでした。私達はカオスウォーに連続して、フィフスエイジの世界に突入したかったんです。フィフスエイジ では魔法を探索して、世界に取り戻す話にしたかったんです。でも彼らはまたそうはしなかったんです。彼らはこんな跳躍を試みたんです、2・30年話を飛ばしてから、新しいゲームシステムを導入するというものでした。加えて、彼らは半分の顧客をも無視しました。AD&Dは好きだがSAGAは嫌いだというユーザー、つまりダイスを使わない代わりにカードを使うというSAGAのゲームシステムが嫌いだというユーザーを。彼らは無視したんです。彼らは、この世界に大跳躍をもたらしてしまうことでまた人々を不幸にしてしまったんです、神々は今やどこにもいませんし、ある種の魔術師をのぞけば魔法はたいしてないし、ケンダーは悲嘆にくれているし(マライス・ザ・レッドによってケンダー郷が蹂躙されたときに、ケンダーは「恐怖」という概念を持つようになった)、そんなの、私は、本当に、ほんとうに、嫌ですよ! 巨大なドラゴンはいても誰もそれがどこから来たか知らなかったんです。 また、同時に、TSR社は深刻な資金難に見舞われていました。ですからこれらの本を書く作者に支払うお金がなかったんです。それでDoSFはそれ自身で孤高のたぐいのものだったんです。人々は私にこう書いてよこしてきたんです「エルフシビルウォーについて説明してくれませんか?」 ええ、そんなことしたら別に500ページは必要ですよね。一冊の本で買い物カゴいっぱいになっちゃいますよ!(DoSF(600p)+ECW(500P)=1100Pってこと?) TSRはとうとうにっちもさっちもいかなくなりました。破産寸前に追い込まれたんです。彼らは長い間印税を払ってくれませんでした。私達は本当に、本当に会社がどうなってしまうのか心配したんですよ。もし倒産したら、こうなってしまっていたんではないでしょうか、商標を1つずつ奪い取ることで帳尻を合わせる人々がいたのではないかと。DelRey社はドラゴンランスを選んだでしょうし、他の会社はフォーゴトン・レルムを選んだでしょう。そして彼らは順次それらをバラバラに持っていこうとしていたのではないかとおもいます。そんなことをしていたら会社は存在していなかったでしょう。ですから私達は現在は幸せです。Wizards of the Coast社が現れて会社を買収してくれたのですから。 私達はWizards of the Coastの社長のピーター・アドキソンに2・3年前に会ったことがありました。ですからドンと私は彼のことを知っていました。彼は私達のロフトや全スタッフのもとを訪れることになっていました。ピーターは仕事柄ゲームの方のドラゴンランスのことをよく知っていましたが、小説の方の大ファンというわけではありませんでした。彼はドラゴンランスはほとんど読んだことがなかったのです。私が考えたのは、TSRがこの大きな会社に会議をさせるだろうということでした。さて、私の娘は現在TSR社で働いています、本の編集者なんです。TSRは大会議を行いました、それは一月にわたって「販売に」ついてのものでした。そしてピーターはTSRのどこがおかしいのかを調べたんです、彼が気付いたのはこのドラゴンランスの大分裂でした。彼はミーティングでどこがおかしいのかを指摘して、それを修正しなければならないといいました。そして続けてこう言ったんです「誰がドラゴンランスを灰にして吹き飛ばしてしまったんだ!?」そして、娘が答えました「あの、ピーター、その件はママがいないと」(笑)ピーターは翌週に電話をよこしてこう言いました「弁解しなければならない、ドラゴンランスがこんな風になっていたとは本当に知らなかったんだ。知らなかったんだ」私は「わかったわ」といいました。彼はトレイシーにもメールを出して彼が言ったことを弁解したんです。トレーシーは何があったのか知りませんでした、こう返答したんですよ「こんなナイスな弁解をしてもらうのはありがたいことですが、あなたは何を言ったんです?」(笑)まあ、とにかく、彼らがしたことがトレイシーと私を相談役として引き戻しました、私達の使命は2つに分裂したドラゴンランスを一緒にすることでした。つまり、4th Ageを閉じて、フィフスエイジを開くということです、フィフスエイジを壊すことなく。なぜならその頃までには、フィフスエイジに興味を持つ人と、SAGAルールが好きだという人が大勢いたのです。そこでやるべきことは皆を一つにまとめることでした、それが私達の使命となったんです。 最初のミーティングで彼らは私達とデザインチームを引き合わせました。あのミーティングはテンションの高いものになりました。フィフスエイジを作ったブランドマネージャーたちは心配していました、私達がフィフスエイジを吹き飛ばして、こういうのではないかと恐れていたんです「そんなの忘れちゃいなさい、でなきゃ、一緒に仕事なんかやってられないわよ」ってね。それから、フィフスエイジを破壊していまうのではないかって。トレイシーはフィフスエイジが現実には「何を意味し」「現実には」何が起こっているのかということについての、本当に、ほんとうに、ほんとうにクールなアイデアを作っていたんです。トレイシーはそれをデザインチームに提出しました、彼らはこう言いました「わあ・・・これは素晴らしい」そのアイデアはフィフスエイジにさまざまなものをもたらし、さらに深みを付け加えました。彼らは熱狂し、今でも興奮しています。私達は2回ミーティングを行いましたが、それは楽しいものとなりましたし、お互いにいい仕事が出来ました。正直なところ、このゲームグループは今では過去のドラゴンランスのデザインチーム以上に仕事をしているんですよ。そこには本当に素晴らしいスピリットがあるんです。私達はフィフスエイジに起こりうるこのストーリーラインの制作をしています(Battle Lineといいます)。来年発売になる予定(1999年の予定だったが、2000年3月に延期)のウォー・オブ・ザ・ソウルズ(War of the Souls/正式名称はThe War of Soulsのようです)という名の3部作です。その話がフィフスエイジの核になるのです。その話に続く本や、脇で起こる話の本が出ることになるでしょう。私達はそれらの本を執筆する作家を用意していますし、資金もありますし、プロモーションも行います。ゲームも販売する予定ですし、それは混合したものになります(SAGAルールに則って記述されたモジュールの所々にAD&Dのルールの記述を挿入する形式になっています)。デザインチームはフィフスエイジの要素をAD&Dに引き戻そうとしているんです、でもそれはSAGAのままであり、SAGAにフィフスエイジを導入するというものでもあるのです。SAGAをプレイしている皆さんは引き続きプレイできますし、AD&Dのルールに戻したい人もプレイ可能です。彼らはカオスウォーの中心になるゲームも作っているんです、それは本当に、ほんとうに素晴らしいものになるでしょう。ですから皆さんはカオスウォーで戦うことが出来るんです、それこそ、トレイシーと私が望んでいたことなんです。こうして、私達はドラゴンランスの制作に戻り、一緒に仕事してるってわけです。これでよかったんだと思います。さてこれで私の「弁解」と「説明」は終わりです。何か質問はありますか? はい? えーっ! レイヴンロフトに行ったソス卿についてどんな意見があるかですって?(パネラーから笑いが起こる) パック「そんな質問するなんて信じられないわ!」(さらに笑いが起こる) よろしいですか、ドラゴンランスのスタッフは本当のところ気にしていないんです。私達が気分を害さねばならなったのは、レイヴンロフトのスタッフにたいしてなんです。レイヴンロフトのスタッフはここにいませんよね。本当に誰もいないかしら、いたら私達は当惑しますよ。トレイシーがレイヴンロフトを制作し、ソス卿もまた設定したわけですが、その2つは決して一緒にするために作ったのではありませんでした。唯一の理由、彼らはそうは答えないでしょうが、唯一の理由はセールスのためにソス卿をレイヴンロフトに置いたのです。そうすればドラゴンランスのファンを惹き付けられます、TSRのファンの大部分はドラゴンランスのファンなのです。ドラゴンランスの小説はTSRのほかの小説よりも売れていました、例外はサルヴァトーレのフォーゴトンレルム(アイスウィンドサーガ)一つだけです。スペルジャマーにクリンの世界を入れたのも同様です。「私たちは新たな製品を作ったんだ、同一の世界にみんなを呼び込もう」 彼らはおこなったのはそういうことでした。彼らはソス卿をレイヴンロフトに連れて行きました、私たちは激怒しましたが、どうすることもできませんでした。かつて私があるRPGをプレイしたときのことです、友人の家でプレイしたんですが、そこで私はキティアラをリーダーとしたパーティーをレイヴンロフトの世界に派遣して、ソス卿を救出させたことがあるんですよ。(笑) さて、しかしレイヴンロフトの住人は皆さんが今何か言ったら当惑しますよ。というのもレイヴンロフトのスタッフがこんな本を作ったからなんです、どのようにしてソス卿がレイヴンロフトを去ったかという本をジェームス・ローダーが今書いているんです。彼らはレイヴンロフトの人々にソス卿が去ることを認めさせねばなりませんでした、その時でさえ、ソス卿の鎧や兜やその他のものを、形見として置いていくことを望んだのです。ねえ、それじゃソス卿らしくないですよね。(笑)彼はダース・ベイダーみたいなものですから。私には信じられませんよ、ソス卿が鎧のパーツをそこここにばら撒きながら歩いているなんて。彼らが解決したとは思えないわ。彼らにしてみれば、レイヴンロフトを去ることを「許可」したということなんでしょ。私たちにしてみれはソス卿は二度と戻ってこないってことなんです。本のなかにこんなシーンを書くことなんてできないわ、彼がドアを一歩またいで「ただいま!」なんて。ですから、彼は帰ってこないんです。そういうわけで、DoSFではソス卿をほんの少し登場させただけだったんです、一個所、ちょっとだけ印象的な出現でした、まさにアリバイ程度の、レイヴンロフトのスタッフはいらいらしたんじゃないかしら。(笑) パック「マーガレットには、逃げ場はないんですよ」(笑) [観客の質問に] そうなんですよ、みなさん、私たちがしていることをもっとお話できたらいいのですけど、ネタバレ厳禁っていう契約にサインしてしまったの。なぜならこの作品が記念になるものですので。それには答えられないの。 [観客の質問に] ええ、それはクリンの世界に起こっていることに関連しているんです。まだ生きていて、年を取っている英雄もいますよね。ゴールドムーンはどういうわけか自分が若くなっていくのに気づいているの、それでいいとは考えていないし、そうなりたいわけではありません、リヴァーウィンドが死んでしまったのだから。でも彼女に休む暇はないんです。彼女は若返っていくのだけれども、(一方で)年老いた女性でもあるのです、肉体だけ若返っていくの。何が起こっているのか彼女は理解はしていません。それがゴールドムーンの経験していることなんです。 パック「ゴールドムーンの娘たちには起こらないの?」 ええ、そうよ、娘たちより若くなっていくのよ。とても興味深いですね。理由があるんです、彼女がそれをしたのではなくってね。でも話せないの!(笑) [観客の質問に] レイストリンはそこにいて、でも誰も想像もつかない方法ではないの、わからないけど 観衆「彼女(ウーシャ)は本当にレイストリンの娘なんですか? たくさんのほのめかしが・・・」 彼が知ってるかはわからないわ [観客の質問に] ウーシャ? そう、わからないわ [「パリン」という語しか聞き取れず] いとこがいるなんてはじめから知らなかったのだから、理解したかわからないわ [観客の質問に] それは話せないわ。(笑) [「混乱」という語しか聞き取れず] 混乱を引き起こしている理由はあります、そしてそれはフィフスエイジに関連していることなんです。レイストリンはアビスに赴いて死にました、基本的には。彼は死んだのです、眠りにつくことで平穏を許されたんです、それから彼は戻ってきた。ですから、彼はこの点では基本的にはおおよそ死んだままなのです、そこに(DoSF)死んだまま戻ってきているのです、そして彼はこの現在に起こっている出来事にタフに立ち向かうのです。皆さんの中でどれくらいの人たちがネット上でこの事(The War of Soulsのあらすじ)を追っているかは知りませんが、タッスルホッフが戻っていたことに気づいたときには、皆さんを当惑させるかもしれません。しかしながら、私は言っておかなければなりません、彼は蘇生したのではないと。彼が戻ってきた方法、戻ってきた理由はまさに論理的なのです、重要な目的のために戻ってきたのです。彼が戻ってきたことに対するネット上での扱いはこういうものでした。「ノー! ノー! タッスルなんか見たくなかったんだ」 でも私は彼らがタッスルを嫌いになったわけではないと思います。 パック「つきつめて考えてみましょう、彼は死んだままでいて、それを理解してすこぶる楽しんでいるのではないでしょうか」 そうよ。うまくいけば、アフリクテッドケンダーを扱うことができるんです、私が前にも言ったことなんですが、私はアフリクテッドケンダーは嫌いです。 観衆「あなたはすでに発売されているフィフスエイジ3部作(New Age Triology,By Jane Rabe)に何か書いているのですか?」 ジェーンの? いえ、書いていません、そのシリーズは私たちがTSRのデザインチームに参加する以前のものですから。でもジェーンは私の大の親友なんですよ。 [観客の質問に] いいえ。ジェーンのキャラクターたちはフィフスエイジのなかで扱われることになるでしょう、特にダーモンは。彼は本当にクールなキャラクターだと思います。 [観客の質問に] シャドウドラゴンについて話すことは認められていないの。彼か誰かは知っていますが、話すことは許されていません。(ここはシャドウドラゴンではなくてシャドウソーサラーかもしれません) [どのようにして整合性を扱うかという質問に] すばらしい質問ね。私が書いた本では、Soulforgeを書いたときには、それはレイストリンの初期の話で上位魔法の塔での大審問のことを書いた本です。ほかにもレイストリンの初期のことを書いた小説やゲームブックはありますよね。私ですら過去にその当時のことを書いたことがあります。でも私はSoulforgeを書いたときには、まだ一度もその話は書かれたことがないと考えて書いたんですよ。ですから私が執筆時に考えたことを彼のストーリーとして語るのですよ。ちょっと立ち止まって考えてみましょう、このように言う人がいますよね、「話を知っているのなら、その人の別の伝記を読むときに「この話」はいつも同じ事が書かれていると考えていいんだ」。よろしいですか、アメリカの歴史を振り返ってみてください、ジョージ・ワシントンが本当に桜の木を切ったんですか? これは話を膨らませるための伝説ですよね。本当に切ったのかなんて、意味ないんです、彼の性格を説明するための話なのですから。それでこのようなたぐいの話は伝説化するのです。整合性で考えることに意義はないんです。同じキャラクターを別の観点から語っているだけなんですよ。 観客「Soulforgeは大好きです。私が読んだとき、私には何故レイストリンが赤いローブになって、何故女神が彼を選らんだのか、理解できなかったんですが」 レイストリン自身が考えたのだと思います。私にとって赤のローブとは・・・・・・なぜなら光と闇のどちらを歩くことを選択しているのではなくて、自分自身の道を歩いているにすぎないのです。レイストリンは自分自身の道を歩こうとした決定的な人物なのです。私はそう考えているのです。だから女神は彼を賞賛したのです。 [観客の質問に] 私はキャラクターたちをゲームの用語のように考えたくはないんです、本当に生きている現実の人々として扱いたいのです。ですから私にとってレイストリンがいつも彼自身の人格であるという考え方がある一方で、ダラマールはローフルなのです、彼は秘密会議という考え方に従っていますし、魔法は規則に則って作られ訓練されねばらないと考えているのですから。レイストリンはもっとRenegade(背教者、上位魔法の塔に所属しない魔術師)なのです、私は赤のローブを着た魔術師が悪に走るのはもっともだと思っているのです、彼は自分こそが一番だと考えているのですから。 [ワイスがキャラクターたちをどうやって作ったかということについての質問に] 私がよく知っているキャラクターはたくさんいます。例えばレイストリン、皆さんがよく知っていて大変好きなキャラクターというのもいますよ、レイストリンはその中のひとりですね、あとはタッスルホッフ。それからエリスタンのような人もいます。以前のセミナーでも話しましたが、私は彼に耐えられませんでした。嫌いでした、彼のことを一度も理解できませんでした。私が始めによくわからなかったのはタニスでした。私が小説を書いている後ろでトレイシーが読んでこう言いました「君はタニスのことがぜんぜんわかってないよ」 「ええ、そうみたい、こいつのことをぜんぜん理解できないわ」「簡単だよ、彼はエンタープライズ号のジェームス・カークなのだから」(笑)「なんだ! そうなんだ! それならわかるわ!」それでタニスという人物が全部わかりました、私が彼を基にしているものを知っている限りですが。レイストリンは私が知っていました。レイストリンがどこから来たのかは知りませんが、私は彼を知っていたのです、彼の歴史を、双子の兄との間の問題をも知っていたのです。それからプレイヤーたちはキャラクターの扱いかたを考えてくれました。テリー・フィリップスは小説化するためのプレイの際にレイストリンをささやき声で演じました、私はそれがクールだと考え、小説に加えました。ええと、ジャネットの演じたタッスルホッフのなかのタッスルホッフからも多くのことを得ました。皆さんは決して知ることはないでしょう、あと、エリスタン、はい? 観客「あなたはエリスタンを殺したいとトレイシーに何度たずねたんですか」(笑) 私はエリスタンを殺したかったんです、だって彼のことを忘れていたんですもの。(笑)私たちは『戦記』の第二部(邦訳3・4巻)を執筆途中でした、私とエリスタンにとっては、デッドラインでしたね。それは一行が離れ離れになる個所でした、二つに分かれて、それぞれの道を進む個所でした。私は一人で書いていました、20章ぐらいまで書いていました。トレイシーがそれを読んで私の方に振り向いてこう言いました「エリスタンはローラナのグループにいるはずなんだが」「いいえ、彼はタニスのグループに行ってしまったの」「いや、だめだ」続けてこう言いました「アウトラインを見るんだ。彼はローラナのグループにいるはずなんだ」ですから私はアウトラインを見て、神の名にかけて(?)、なんとまあ!、エリスタンがそこにいることになっているらしいのです。こう思いましたよ「ちくしょう」って。私はエリスタンが嫌いでした、私は20数章も戻って彼をその中に書き加えたくありませんでした、そしてこう言いました「エルフ王(ロラック)といっしょに殺しちゃいましょう」「彼はクリンの世界にいるただ一人のパラダインの僧侶なんだ!君に殺すことはできないんだ!」(笑)「オーケイ! でも続巻で殺すわよ」というのも、『伝説』を引き続いて書くことが決まっていたからです。トレイシーはこう言いました「いいよ。次のシリーズでは殺してもいいよ」そんなわけで『伝説』のなかで、エリスタンは3部作の間、死の床にあって、死につつあったのです。だから私は彼を殺しました。(笑)。また、『戦記』のなかでエリスタンが不意に現れるたびにこういうのです「ハイ! ここにいるよ!」(笑)。私は話をさかのぼって、彼を付け加えねばならなかったんです。 [観客の質問に] トレイシーと私は、過去の日々に執筆の習慣を作ったのです、トレイシーはゲームの制作担当で、私は本の方の担当でしたから。また私たちはお互いにTSRでフルタイムの仕事をしていたのですから。私が文章を書き、トレイシーがストーリーの全プロットを作ったのです。『戦記』3部作のストーリーラインは仕上がっておりました、デザインチームがゲームをプレイしてプロットをフォローしなければなりませんでしたので。ですから私はストーリーがどこまで進んでいるのかを知っていました。私が執筆をして、私の後ろにいたトレイシーに出来上がった数章を渡し、彼がそれを読み、足りない個所を付け加えたものです。彼は描写を付け加えました、それが得意なのです、そして私に送り返すのです。でも、エリスタンのときには、ミスっちゃいましたけどね。(笑)このようにして私たちは著作方法を作り上げてきたのです。そんな風にして私たちは共同で仕事を続けました。現在、Starshieldを執筆中ですが、トレイシーは自分で書くと決意しました。ですから私たちはお互いの役割を変えました、トレイシーが執筆をする一方で私がサポート役なのです。 しかし、今では、夫と私で共同著作の際には、夫には軍隊経験があるので、夫が軍時的な場面を書いています。いいですか、共同で何かおこなうときにはもう一人の意見を覚えていることが肝心なんです。一人で書いているときでさえもう一人の意見というのは必要なんです。ですからこんな風に考えたり言ったりしないでください「なんだ、彼女がここを書いて、彼ががここを書いているんだ。わかったぞ!」。ですからドンが戦闘シーンを書いてから、私は「上書き」して話を広げるのです。もちろん私たちは共同で著作しているのです、ドンと私、トレイシーと私で、お互いにプロットを出し合い、いっしょに仕事をしているんです。共同作業の際にはプロット制作はもっとも重要なのです。トレイシーとの作業の際には、私はコンスタントに書き続け、難所にさしかかると、トレイシーに連絡して意見を聞こうとします。一番おかしかったことは『伝説』での出来事です。私たちの作業は終盤にさしかかっておりました、キャラモンは<奈落>に入ってクリサニアを助け、レイストリンを守ろうとしなければなりませんでしたよね。<奈落>への入る方法はレイストのやり方一つだけしかなかったのに、キャラモンはなんとしても入らねばならないのです。さて、私には突然疑問が湧き起こりました。『伝説』はあと5章以内で終わりのはずでしたが、突然こう思ったのです、レイストリンはクリサニアを連れてきて彼の一世一代の魔法と全てを賭けて<奈落>に分け入ったのに、私はキャラモンをワルツでも踊るかのようにいとも簡単に<奈落>に入れていたのですよ。(笑)。パニくっちゃいました! 我が人生最大の危機にノイローゼ気味になりました。だって、ストーリーをさかのぼって、書き加えることはできませんでした。すでに2部(邦訳の3・4巻)まで出版していたのですから。トレイシーを呼びました、私はノイローゼになってました。こう言いました「トレイシー、私たちはキャラモンを<奈落>に送り込まなければならないのに、どうやってやればいいのかわからないの!」彼はこう答えました「僕にはわかっているよ。どういう方法でキャラモンが<奈落>に入ることができたのか正確にわかっているよ」「ほんと、よかった! 教えてよ!」言う前からすでに執筆を再開していました。トレイシーはこう言ったんです「キャラモンは<奈落>入ることができたんだ、なぜなら・・・・・・彼は携帯していたんだよ、<アメリカンエクスプレスカード>を」。(笑)。「どうも、ありがと」しかしトレイシーは問題を解決したんですよ、それでキャラモンは<奈落>に入ることができました。常識的な方法でね。でも私はその時は本当にパニくっていたんです。誰かを呼んで考えを出してもらうというのは大変いい方法なんです。私は一人で『ディオン』を書いたのですが、プロットを考えるのに一人で四苦八苦して眠れない夜を幾度も過ごしたのですよ。何か質問はありますか? [観客の質問に] おお、ありがとう。本当に、ありがとう。それが、私の考えに近いわね、というのも、10年間ぐらい書きたいと思っていた本だったし、ついに、書く機会を得たわけですから。それに、長年にわたってその話とともに暮らしてきましたし、それこそが、本当に好きな作品でした。皆さんのお気に入りの本ではないんですけど。私はシリーズ作品をいくつも書いてきましたが、どの作品にも好きな個所があります。しかし、いいですか、『ディオン・スターファイア』はね、こう言っておきたいなあ、たぶん私の著作の中でベストだと もちろん! 読んでます パック「ランチの最中も?」(笑) そうよ! 食べながらよむのよ、チャールズ・ディケンズはお気に入りの作家です、『荒涼館』は毎年、一年に一度は読みます、お気に入りの中のお気に入りなんですよ。現在読了しかけているのは、パトリック・オブライエンのSea Storiesです。彼はナポレオン時代の戦争と海戦を書いているんですが、読むと本当に楽しいんです。マリー・ルノー、あまりお勧めできません。彼女の歴史小説は重要ではあるんですけど。ジェイン・オースティン(も大好きですよ)。質問はありますか? 観客「レイストリンは大審問でフィスタンダンティラスに自分を売り渡しましたよね、そして彼は赤のローブを着るようになりました。『ドラゴンランス戦記』で彼はドラゴンオーブを得て、黒のローブを着るようになりました。どの時点で彼は自分を暗黒の女王にを売り渡し、黒の属性を選ぶことになったんでしょうか?」 彼がパランサスの図書館の階段で死にかけていたときのことです、彼は<鍵>を見つけて… 観客「そこにはそう書かれていましたが、似てはいるのですが、フィスタンダンティラスに売り渡して以来、すでに決心していたのではありませんか」 いえ、いえ、違います。それが彼の選択だったのですよ。彼が理解するのは、彼が悟ったときだけなんです、自分自身のなかの暗闇に抵抗していると、悟ったときにね。<鍵>とは自己理解のことなんです。彼がフィスタンダンティラスと接触したのは自分の中の暗闇を理解し抵抗している時点であったというのがポイントです。もし自分のなかの暗闇を理解できないままだったのなら、もしその暗闇を消して克服できていたなら、思うに、フィスタンダンティラスはレイストを捕えることは出来なったのに。 [観客の質問に] それも私には答えられないわ。口止めされているの。彼(アスティヌス)がギレアンなのかは 観客「神々は去り、タッスルとフリントはまさに私達を見下ろしているのですか」 答えられないわ、そんなことしたら、たくさんのプロットを明らかにしてしまいますもの はい、はい、それが私達を基本的には楽しませてくれるものでした。なぜならあのゲームの中に狂った老人が必要だったんです、私達はこう考えたんです、フィズバンを加えたら楽しいのではないかと。ですがパラダインという名を使うことは出来ませんでした、登録商標ですし、それで彼のことをズイフナブと名づけたんです。私達(ワイスとトレイシー)は彼が神に戻って欲しくなかったんです、そこで、(『冥界の門』では)彼を子供の思考同然のたくさんの本を読んだ狂ったサータン族の老人にしたてあげたばかりか、ジェームス・ボンドでありドロシーでありルーク・スカイウォーカーでありその他もろもろのものでもあるのです。彼は執筆を楽しいものにしてくれて… パック「私は28通りの以上のフィズバンの名前をつけくわえたんですよ。(笑)。きっともっとあるでしょう、ですから、注意してくださいね。(笑)」 [観客の質問に] そうね、それは興味あることでした。かつてこのような本を読んだりモジュールをプレイした人はいませんでしたので、私たちは誰も考えたことがない分野に踏み込んでいたんです。私たちはいくつもの間違いをしでかしました、間違いの一つは、ドラゴンランスの読者たちがモジュールで本同様のプロットを追いかけたくなるものだと考えたことでした。ですから、私たちは本とモジュールがお互いに近いプロットになるように作ったんです。私が執筆したとき私たちが遭遇したことを見ているかのようにモジュールにそって書いたんです。私たちが気づいたのは、読者がキャラクターに惹かれて本を読むのが好きという一方で、モジュールを楽しむためにプレイするということが好きだということでした、同じ道すじで進むことは望んでいなかったのです。自分たちのやり方で進むことを好んだのです。始めは、その2つの道すじは少しだけパラレルな関係にあったのですが、しかし、その後私たちはそれを分離することができました、モジュールはプレーヤーたちとは別の道すじを進んだのです。こんなわけで起こったのでした。私たちはプレイヤーたちからこんな手紙を受け取るようになりました「親愛なるミセスワイス、ダンジョンマスターにこう言ってください、ドラゴンランスの小説を読んでもいいよ」って。(笑)一方でダンジョンマスターたちからはこんな手紙を受け取りました「私たちがドラゴンランスのモジュールをプレイしているときには読んじゃいけないんだ」このようにしてダンジョンマスターというもの本当の力量を知りました。こう思うんですよ、ここにいらっしゃる皆さん! (笑)こう言っておきましょう。(笑)「本を読みなさい! でもマスターに言わないで!」(笑) そして、もう一つ、死のルールが不明瞭であったこと、それがもう一つの間違いでした。本当に皆さんを不幸にしてしまいましたものね。始めのいくつかのモジュールでは、主要なキャラクターは殺してはいけないって書いていました。ですから、一行の中でスタームが死ぬような状況になったとしても、彼を殺すことはできなかったんです。当惑するのももっともです。ですから、三つ目のモジュールからあとでは、モットーはこうなったんです、「彼らが死ぬなら、グッバイって言おう」ってね。はい?なんです? [観客の質問に] 一行は鮮血海の渦のなかに落ちていきました、その本を書いたのはずいぶん前です。ドラゴンオーブ、そう、彼はドラゴンオーブを使って・・・ [観客の質問に] それは塔での大審問でのことでした。Soulforgeを読めば、どんなことが、何が大審問で起きたのか、彼が本当にフィスタンダンティラスの助力で大審問を生き延びたという理由がわかるでしょう。 [観客の質問に] ああ、そうですね。彼は時間通りに戻ってきます。私には説明できないわ、トレイシーだけが理解しているのですから、トレイシーはチョークボードを使って説明してくれました、使わざるをえなかったんです、全ての時間跳躍を説明するためにね。私はそのことを書いたときには理解していたんですが、それ以来わからないんです。(笑) [DoSFという語以外は聞き取れず] 誰も気にしてないとは思いませんでした。私が気にしなかったわけではありませんよ。気にしています。いつも命名には注意を払っています。必要だったんです、第一に、私は名前を当然知らなかったのですから、実際のところガイ・スタームとかブラザー・スタームとか呼ぶという間違った考え方をしてしまったのです。スターム・ブライトブレードについて語っていると思っていたら、たくさんの混乱を引き起こしてしまったのです。スターム・ジュニアとは呼びたくなかったんですよ。(笑)。スターム・ザ・セカンド、それこそ彼の名なのです、そう呼ばれる運命にあったのです。ですから私は片方の名を取り除いちゃったんです。(笑)。そして、第二に、パリンを活気づけるために何か必要だったんです。パリンは兄たちの影にいつもいるような人間ではありませんでした。パリンは取り引きする状況に巻き込まれなければならなかったのです。それから、第三に、理解して欲しかったのです、本当に悪い状況であるということを、私たちが好きなキャラクターたちが死んでしまうのは本当に悪い状況なのです、本当に悪い状況なのですから。スティール・ブライトブレードを登場させるにはうってつけの状況でした、スティールはパリンに出会いました。全てはうまく機能しました、このような決断にはたくさんの要因があったのです。 観客「言いたいことがあります。兄弟たちの短編が好きなんですが、特にドワーフの神に会う話が。もう一度あのキャラクターの話を読んでみたいんです。ダウガン・レッドハンマーの」 彼はダグラス・ナイルズの本に登場するのでしたね、The Last Thaneにダウガンは登場したのでしたね。たぶん。違うかもしれないけど。ちゃんと記憶しているわけではないけど。質問の時間はまだあるみたいですね。 [観客の質問に] 楽しんでいるわ。私はいつも楽しんでいるわ、属性そのものではなくて、ローフルエビルについて再度話しておきましょうか。ダークパラディン、つまり悪に拘束されその身を捧げるというパラディンという考え方。それは私を本当に魅了しました(ダークパラディンはDoSFに登場) [観客の質問に] トレイシーのこと、えっ、初期のモジュール群が18レベルまでだったのか、知りたいって。お気づきでしょうが、基本的には、ゲームデザイナーはみんな、高レベルのキャラクターを、敬遠します、大嫌いなんです。みなさんだって、ダンジョンマスターからこんな手紙を送ってこられたらどうします。「私のプレーヤーたちは64レベルに達しています。神々を殺しちゃいました。どうすればよいのでしょうか?」(笑) パック「マーガレットの息子はかつて98レベルのパラディンだったんです。だって、あなたったら、このガキンチョに何かを「させる」ことなんかできなかったんですもの」 デザインチームがドラゴンランスを制作したときに、プレイヤーに示したかったのは、低レベルのキャラクターでプレイできて、低レベルのままゲームを楽しむことが出来るってことでした。楽しく遊ぶのに98レベルのパラディンなんて必要なかったんですよ。こんなわけで、18レベルまでに制限したんです、低レベルのキャラクターでプレイするプレイヤーを応援しようとしていたんです。初めに私が考えたのは、レイストリンがまだ3レベルの魔術師にすぎなかったので、彼が2.3の呪文しか使えなかったということでした。おかげて、私はレイストを扱うのにタフになっていったんです。彼が出来ることは、多くはありませんでしたし、彼は可能な範囲でまさに創造的にならざるを得なったんです。 [観客の質問に] はい、わかったわ。この話は面白いものね。以前のセミナーでもすでにお話ししましたが。私がTSRに入社したとき、会社は私をこの本のプロジェクトにおいては執筆担当の編集者として雇ったんです、(一方、)トレイシーはゲームの担当でした。それで私達は出会ったんです。ご存知ですよね、私が創作に関わったことを。彼らは登場人物を作っていました、会議では戦記の二部までの全プロットが出来上がっていたばかりかキャラクターも出来ていました。彼らはキャラクタークラスのために登場人物を作りました、それで私達は魔術師とシーフをそれぞれ一人づつ作りました。では、どのようにしてケンダー族が誕生したのかというと、彼らは小柄な種族を望んでいたんですが、トレイシーは道徳的背景から(訳注:トレイシーはかつてモルモン教の伝道師でした。現在も敬虔なモルモン教徒です)盗賊の種族に反対しました。そこで彼らはこう言ったんです「わかったよ、ではこうしよう、ケンダーは盗みをはたらくけど、お金のためではなくて、好奇心があるから盗んじゃうんだ。それに彼らは恐怖心を持たないことにしてしまおう、そうすればケンダー達はパーティーを「確実に」たくさんの揉め事に巻き込むようになるからね。(笑)そうやって、彼らはケンダーを生み出し、私はケンダーとその歴史をストーリーをさかのぼって付け加えました。私も何人か登場人物を作りました、私がレイストリンを作ったんですよ。私が知っていたのは、レイストが若くて、20代で、傷つきやすいってことでした。彼はSly One(陰険なやつ)と呼ばれていました。彼の友人たちですらそう呼んでいたんです。彼はレベル3の魔術師で、肌は金色の肌で、瞳はまるで砂時計のようにくびれていました。そして、私は考え込んじゃいました「えっ、何でよ?」 で、尋ねたんです。「なぜレイストは金色の肌と砂時計のようにくびれた瞳なの」 彼らはこう答えたんです「だって絵描きさんたちがそうした方がクールだって考えているんだ」(笑)オーケイ! ですから私はレイストがなぜ金色の肌と砂時計のような瞳なのかという理由を付け加えなければならなかったんです。こう考えました、レイストは生まれてきたときからそうではなかった、なぜなら双子の兄は正常だったのだから。彼が魔法に従事しているときに何かがあったのではないか、それで思いついたのが、上位魔法の塔と大審問だったのです。その出来事がレイストリンの全体像を私に開示したのです。私達は彼の生い立ちからスタートしました。そこから出発したのです(ドラゴンランスで一番最初に発表された小説はドラゴン誌に掲載されたマーガレット・ワイスの『双子の大審問』(1984.3)でした。この作品は『英雄伝』に収録されています) [観客の質問に] おお、トレイシーのThe Immortals? 素晴らしい本よね。あの本はトレイシーにとってはNearでありDearなんですよ、それが私にとっての『ディオン・スターファイア』であるようにね。あの本こそ、トレイシーがまさに書きたかった本なんです。The Immortals、機会があったら読んでちょうだい! 素晴らしい本なんです。かつて読んだことがないような本なんです! そこで語られているのは、最悪の未来像、まさにダークなものです。エイズの隔離キャンプについての本なんですが、本当に恐ろしげによく描かれているんです。ほんと、すごい本なんです。 [観客の質問に] よろしいですか、私の夫は西暦700年からドラゴンランスの世界を経てナポレオン時代へ跳躍する構想を持っているんですよ。(そのジョークに笑う)私が考えるのもそんなことなんです。ですから私たちはそのようなことがわかるのでしょう。その世界で私たちが楽しめる限り、書き続けられるのです。もしそこで楽しめなくなったら、そんなことがあるかはわかりませんが、私は前に戻って、レイストリンの前史を書いて楽しむのです。それは本当に楽しいことなんです。私たちはSoulforgeの続編をBrother in Armsと名づけて書いているところですが、それはレイストリンとキャラモンに関わる話です。彼らは軍事訓練を受けるために、ほかの言葉で言い換えれば、新兵訓練所に初めて入るのです。その話を私たちは本当に楽しんで書いていて・・・ 観客「3部作になるのですか?それとも、The War of Soulsとともにシリーズになるのですか?」 シリーズになります。The War of Soulsは実際にシリーズになります、ですから私たちはThe War of Soulsを核になる話にするために書いているのです、そこには周囲のキャラクターたちの前史を振り返るようなストーリーを扱う本も出るでしょう。Doom Brigadeを読んだ人はいるかしら、ドンとわたしで書いた本なんですけど、周辺本のひとつです、その都市でドラコニアンが探していることについての本です。 観客「伝説のようになるのですか、それとも序曲のようになるのですか」 えーと、そうですね、いまはカオスウォーについてもう少し話しておきましょう。カオスウォーについての新しい本がいくつか出るのですから。リンダのクリサニアについての本、それはカオスウォーの背景を満たす本です。 [観客の質問に] 私は『ディオン』のレディ・メイグレイのようになりたいと思っているんです。彼女は私が一番尊敬するキャラクターです。トレイシーは常々スタームのようになりたいと申しておりますが、多分タニスに似ています、でも(ふざけると)フィズバンのように振る舞うんですよ。(笑)さて、私はレディ・メイグレイのようになりたいのです。実際にかつて私はチェックに彼女の名前でサインしてしまったんですよ。(笑)食料品店で買い物をしていたときのことです、彼女と『ディオン』について面白いアイデアが浮かんでいたのでしょう、あまりに彼女に気をとられていてレジで彼女の名でサインしちゃったんです。 [観客の質問に] 書いてないわ。フォーゴトン・レルムは一度も書いたことがありません。それはR・A・サルヴァトーレですよ、彼の本は好きです。私たちが書いたのはダーク・ソード、熱砂の大陸、冥界の門です。フォーゴトン・レルムでは書いたことはありません。書かせてくれなかったの。 [観客の質問に] その塔で何が起こっているのか知っています、でも本当に起こっているわけではありません、ですから、再び言いたくはないのです。塔はこれからも存在するでしょうし、いまはまだ存在しているのです。まるで別々に存在するように。 [観客からの質問は上位魔法の塔という語だけしか聞き取れない] 彼はイスタルにあった塔を見下ろしているのです。イスタルの宮殿と塔は大変動に見舞われた際に、鮮血海の底に沈みました。彼は実際にパランサスの塔を見下ろしたのです、それは魔術師が飛び降りて自らの血を撒き散らして呪いをかけたときのことでした。私はニュースグループ(alt.fan.dragonlance)に何回も訪れてこう言っているのです「私を助けてください! バックグラウンドスタッフが必要なんです! 背景の情報が必要なんです!」 再読は嫌いなの、本当に嫌いなんです。 [観客の質問に] ゲームのデザインはやっていません。私がゲームの用語としてのウィッチリンとスペクターの違いを知っていると思えません。 観客「Doom Brigadeのなかで、つまりトルバルディンのなかで、ファイアードラゴンたちはどのようにしてそこにいたのでしょうか? マップ上にはいませんでしたが」 彼らは地下から現れたのです 観客「カオス神が彼らを作ったのですか?」 そうです、カオス神が作ったのです [観客の質問に] いえ、いえ。違います。他にもカオス神の創造物はいます。それはカオスウォーを盛り上げるために作ったのです、カオスウォーシリーズの他の作者もそれぞれ自分たちでモンスターを作っているのです。ある作者がミノタウロスの話を書いていますよね、カオスウォーのミノタウロスたちの戦いがどのように進行したのかということに対して、彼オリジナルのモンスターたちを作ったのです。そうやって話を盛り上げるのです。 [観客の質問に] The War of Soulsの最初の本は来年出版される予定です、たぶん11月頃でしょう。その本がシリーズの始まりであるのです。ゲームも発売されると思います、その本の内容とその時期を含んだものになるでしょう。他にもAD&DとSAGAを混合したものが発売されるでしょう。今はスケジュールが出来ていないので混沌としていますが。 観客「The War of Soulsはまだ3部作全部は書き上げていないんですか?」 全然書いていないの! まだ執筆中なんです。話したくない理由があるんです。話したら変わっちゃうかもしれないの。 [観客の質問に] いまのところ、ドラゴンランスの映画はまさにストレンジな法的混乱に巻き込まれています。 パネラー(笑)「ストレンジ、それとも。ストレイン(不自然・こじつけ)って言ったの?」 (笑)ストレンジよ! 簡潔に述べておきます、TSRが経営にいきずまっていたときのことでした、TSRはAD&Dの映画化の権利をいかかがわしい人物に廉価で売ったのです、5年間以内に作るという期限付きのものでした。そして、五年が経過し、Wizard社がTSRを買収した際に、その人は突然に理解したのです、映画化してしまわねばと。さもないと、権利を失効してしまうからです。私たちが知っていることは、厳密にいうとみんなうわさや風刺のたぐいなのですが、彼が本当に「ちゃちな」低予算のAD&Dの映画を作っているということです。ユーゴスラヴィアかどこかは知りませんか、制作中なんです、まさに権利を維持するためだけに。そして、TSRがドラゴンランスにSAGAのシステムを導入したのも実はその理由の一つだったんです。この状況を打破するために、TSRが望んだのです、ですから、法的な拘束が切れない限りは、ドラゴンランスはAD&Dから外れたままなのです。さて、もちろん、今はTSRはこの人物を法廷に訴えています、この人物もTSRを訴えています。彼に権利を売ったのは大きな間違いでした。 今年のGenConでこんなことがあったんですよ。GenConはほんと、楽しいコンヴェンションですよね、機会があったら、いってみてね。トレイシーと私はブース(たぶんMag Force 7)に立ってファンにサインをしたり、ファンやスタッフ、たくさんの友人達と話していたときのことです。青年がやってきてこう言うんです「お話を遮っちゃいたくはないんですが、長居はできません、でもあなたがたにお会いできて最高です」私はこう思ったんです「どこかで見たことがあるけど、てことは、知ってる人よね」「私はエイロン・アイゼンバーグです、ディープ・スペース・ナイン(スター・トレック)でノーグ役の」「わあ! なんてことでしょ」彼が言ったときにはもちろんこう思いました「この人がノーグだったのね! どうりで知ってるわけよね! ディープ・スペース・ナインですもの!」(笑)彼は本当にナイスガイでした。スタートレックのゲームのブースでサイン会をしてたんだそうです。「ブースに戻って写真にサインしなければならないんですが、聞きたいことがあるんです。ドラゴンランスの映画が製作されることを心から望んでいたんですが、お二人はその映画の制作は望んでなかったんだそうですね」「いえ、いえ、そうじゃないの! 違うんですよ。映画になったら見たかったんですよ」「そうでしたか! というのも、映画を作るんだったら、タッスルフォッフを演じたかったんですよ」(笑)ほんと、彼が演じてくれたらよかったのにね。適役ですよね。ですから、トレイシーと私はこういったんです「ワーオ! そうだったらいいのに!」 楽しかったなあ。だって、トレイシーも私もディープ・スペース・ナインの大ファンなんですもの。それから私はこう言いました「うわっ、あなたがエイロン・アイゼンバーグなんだ!」「うわっ、あなたがマーガレット・ワイスなんだ!」(笑)すごいですよね。そのあとドラゴンランス・ドラマティック・リーディングを開催したんですが、彼もやってきたんです。 パック「うわーすごい」 それでね、そこで私達アマチュアは立って朗読していたんですよ、一方では、プロの俳優さんが座って私達を見ているのよ。(笑)。そりゃもう楽しかった。 パック「私達の朗読会って、いつも楽しいことになっちゃうのよ」 (笑)ジャネットってば、すぐ興奮しちゃうんですよ、朗読会のことを手ひどく批評するときには パック「いいえ! 疲れていたし台無しにしちゃったし…(小声で聞き取れず。それから笑う) もう一個ぐらい質問いけそうね。はい、どうぞ! [観客の質問に] 私が本当に書いてみたいのは西部劇なんです。一大構想があるんです、無法者の話の。私がジェシー・ジェームス(アメリカの無法者・強盗で殺人者だが伝説では義賊で民間英雄)の伝記を読んだときに、彼らについて出来る限りリサーチをしたんですが、ジェシーとともに、ある一人の人物にたいへん興味を持ちました。「ブラッディー・ビル」アンダーソン。私が本当に書きたいのは彼の本です。でもその時は、私のエージェントを撃ち殺して床に転がしとかないといけないわね。(笑)彼が私の次の愛人ってことになるのかなあ。(笑) いつかそうなるかもしれませんが、書くとしたら、出来る限く時間をかけてリサーチをしないといけないわ。彼は中傷されていますが、彼のことをけなしている映画なんて信用しないでね 時間ですね、ご来場ありがとうございました Translated by watoku(abyssinside trilogy)(2002/4/25修正)