DEATH GATE CYCLE
VOLUME 7
(1994)
金緑のドラゴンに変身することの出来る、サーペントメイジの、アルフレッドは、迷宮のドラゴンに捕えられた。
アブリを旅立ったマリットとヒューは、、ドラゴンの巣を発見する。ドラゴンが狩に出かけている隙に、アルフレッドを発見して、救出しようとするが、間に合わず、ドラゴンと戦う羽目になる。瀕死のアルフレッドは、竜に変化するが、危機を救ったのは、ヒューの持つ「呪われた剣」だった。剣は、サータンの危機の際にも魔力を発揮するのだ。剣はドラゴンに変化した。
危機を脱した3人の前に、ズィフナブが現れる。アルフレッドは初対面だったが、ズィフナブのことを知っていた。ズィフナブはサータンの偉大な魔法使いだった。ズィフナブの連れているプリアンのトラゴンが、善のドラゴンであることも知っていた。大分裂の際に、善と悪という2つの要素は、ドラゴンとして具現し、善のドラゴンはプリアンに、悪のドラゴン(サーペント)はチェレストラに、それぞれ誕生したのだった。
ネクサスのパトリン族は、サーペントの襲撃を受けて、最終門を通って迷宮の中に引き戻されていた。もし、最終門が閉じられたら、パトリンは迷宮に未来永劫閉じ込められ、サーペントの支配のもとで、サータンと未来永劫戦うことになるだろう。憎悪と恐怖が、サーペントの糧だった。たから、ヴァスの率いるアブリの住民とネクサスのパトリンは最終門をサーペントから協力して守る戦いを強いられることになる。
水の世界、チェレストラ。サマがアバラクに出立して以来、息子のラムがサータンを率いている。
ラムの前にジェームス・ボンドを名乗る老人が現れる。老人は、サマがパトリンに殺害されたことを知らせと、アバラクのサータンを連れてネクサスへ行ってパトリンと戦うべきだと助言した。
炎の世界にして、現在は、死者の跋扈する世界、アバラク。
領主ザールは、ハプロを魔法で死に至らしめ、サータンの黒魔術で、死者にした。しかし、ラザロのジョナサンがハプロを解放する。ただし、「魂が無い」とも言う。
アルフレッドとマリットはハプロの死体を発見するが、アルフレッドは、自分の中からハプロの声が聞えることに気付く。ハプロは死んだわけではなかった。昔、ハプロが迷宮を脱出する際に現れたドッグは、じつは、ハプロが作り出した生物だった。どちらかが死んでも、本当に死んだことにはならないのだ(「炎の海」でドッグがマグマの中に放り込まれたのに生きていたことを覚えているでしょうか)
領主は2人を発見し、マリットの記憶を探り、ネクサスの都市がサーペントに襲撃を受けて破壊されたことを知り、驚愕する。
しかし、領主はパトリンを救うことよりも、第七門を目指すことを優先した。アルフレッドとマリットは逃げ出した。
ヒューの待つ安全港への途上、二人はバルタザール率いるアバラクのサータンに取り囲まれる。2人は事情を説明し、一時の休息を得る。
アルフレッドとマリットとバルタザールは船上でクレイトゥスに襲撃されるが、チェレストラからやってきたラムが撃退する。
ヒューはラムに「呪われた剣」で立ち向かうが、ラムの魔法を跳ね返す。ラムは呪われた剣の威力に恐怖する。
バルタザールは、アバラクのサータンを救うと云うラムに従がうことにした。マリットは捕らえられるが、アルフレッドは逃亡して、呪われた部屋を目指す。
アバラクのサータンたちは安全港へ進撃する。領主はアバラクに進駐するパトリンを迷宮へ向かわせる。
ネクサスは、蛇竜によって、破壊されていたが、ラムは、サータンの襲来を前にして、パトリンが都市を焼き捨てて逃亡したものだと勘違いする。
ハプロとジョナサンの計画は、冥界の門を閉じてサータンとパトリンを全て迷宮に留めてしまい、共同してサーペントと戦わざるを得ない状況を作り出す、というものだった。門を閉じるには、世界を制御できる、第七門へ行かなければならなかった。
呪われた部屋。そこは、世界を制御する、迷宮の第七門でもあった。
実体化したハプロは、アルフレッドを第七門から去らせた。
残されたヒューにむかって、ハプロは、「領主さま」と声をかける。そこにいたのは、ヒューではなかった、領主が変化していたのだ。アバラクで、入れ替わっていたのだ。
領主の背後から、サングドラクスが襲いかかる。ハプロは、一瞬躊躇いながらも、領主に警告する。サングドラクスはハプロを攻撃し、瀕死の重傷を負わせる。領主は、ハプロが裏切ったのではなかったことをようやく悟り、サングドラクスに攻撃をかけるが、返り討ちにされた。
アルフレッドは最終門に辿り着く。パトリンとサータンが共同して、サーペントたちと絶望的な戦いを繰り広げていたが、ズィフナブ(自称ルーク(笑))率いる善竜も参戦した。
第七門に戻ったアルフレッドは、ハプロに、この場所では、相手が戦う意思を持たないかぎり、サーペントは無力だと教える。
4つの世界に別れを告げながら、それぞれの世界の扉をハプロは閉じていく。サングドラクスは、隷属して世界を支配させると申し出るが、ハプロは取り合わない。サングドラクスは無力化していく。冥界の門は閉ざされた。
2つの死体。ヒュー・ザ・ハンドと領主の死体。
ヒューは、2つの種族のために迷宮の魔物と戦って死んだ。望み通りに、今度こそ、本当に死ぬことが出来た。
「最後には領主も真実を理解したのだ」と肉体を取り戻したジョナサンは評し、迷宮を後にする。死者しかいないアバラクに帰ったのだった。
閉ざされた迷宮の中で、ヴァスがパトリンを、バルタザールがサータンを率い、合同で迷宮の中にいるパトリンを救い出し、蛇竜達を監視するということになった。ズィフナブも、善竜達と共に蛇竜を監視しているという。
ハプロとマリットは、結婚して、迷宮に置き去りにした娘のルーを探し出すことを宣言した。
アルフレッドが疑問に思う。バルタザールが、なぜ、サータンを率いているのだろうか?
実は、怪我をしたラムは、リーダーの座を降りたのだった。
バルタザールが答える。「かわいそうに、ラムは、犬に噛みつかれたらしい」
EPILOGUE
激しい嵐が、アリアヌスを蹂躙する。ケンカリエルフの管理する大聖堂は破壊された。
<扉><書物><魂>の3人の守護者は言葉を交わす。
「魂たちは?」
「行ってしまった」
「自由になった」
APPENDIX I/APPENDIX II
大分裂からの歴史、世界、魔法について、アルフレッドが書いた論文。近況の言及あり。
迷宮の中に娘のルーを探しにいった、ヒューとマリットは沢山の孤児を救い出した。2人は孤児を自分たちの子供として育てることにした。2人の家で研究にふけるアルフレッドは、子供達から「アルフレッドおじいちゃん」と呼ばれている。
最後に、アルフレッドはこう締めくくる。
Only in closing the gate on our prison are we now truly free.
(了)