第3回チャモアペットムエタイセミナー レポート
「最初の授業ってのは、一番大事なことを言うんだ!」 その科目を学ぶうえでの本質を教え、その後の道筋を示してあげる、、、、それが基礎……なのだと思う。だが、「キックの本質」って? 日本で、キックの本質を教えられる人間がどのくらいいるんだろう? かくいうわしだって、「これがキックの本質だ!」って言える自信はない。タイ人だって、ガキのころから「習うより慣れろ」で身につけた技術だから、それを言葉で表現するのは難しい。言葉の問題もある。 ワンツーの打ち方 そんなの基礎じゃない。もっと先に教えなくちゃいけないことがあるはずだ。 日本人の大部分は、「ボクシングに蹴りを加えたものがキックボクシング」そういう認識だ。最初はそれでも勝てる。だけど、上に行けば行くほど、それでは勝てない。気付いたときには、もう遅い。
観る側は別に何言ってもいいのだが、「タイ人はKOできない」なんて平気で言う。それは「倒しに来ない」「倒すタイプではない」タイ人だからであって、それに当てはまらない例もいっぱいある。サムゴー、ヨーデーチャー……玉城会長の内臓を破裂させたセンサック……、メイドインタイランドの倒し屋もいっぱいいる。 「ムエタイなんて……」なんて言う権利あるのは、藤原敏男さん(こんな字だっけ?)など数人くらいだ。そして、その数人は、みんなムエタイの強さ、凄さを認める発言をしている。 「チャモアペットムエタイセミナー基礎編」。この手の浅はかな認識をわからせることを目的にした。やる側も観る側も、楽しめるはずだ。 ただ、二時間という短い時間で、どうやってそれを伝えるか。身体でわからすしかない! 「この世界のゴールってのを身体でわかってもらう」、これをチャモアペットムエタイセミナー「基礎編」のコンセプトにした。
幸い、講師はまたしても最高級。ムエタイ9冠王チャモアペット、3冠王パノントワレック、2冠王ヌンサヤーム……3人合わせてベルト14本!! こんな良いお手本を体感しない手はない! 参加者でプロでばりばりにやってるのは、2名ほど(いずれも女性)。他は格闘技ファン、他ジムのダイエットキック、スポーツジムのダイエットコース受講者、地方でキックを教えている方……などなど。半数が女性。名古屋、茨城、山梨…全国津々浦々からの参加だ。別にプロで試合をする気など無い人も大勢いる。だからって、嘘は教えられない。ハイ、ワンツー、ハイ、ミドル♪ なんて踊らせるつもりはない(それが悪いなんて言ってない)。 「身体でわからせる」とは言っても、理屈でわかった上でのほうが吸収は早い。まず、構え。「立ち方3年」と俗に言うが、どうやって構えるか、どうやって立つか。これがしっくり来るのには、ホントに時間がかかる。個人的にもしっくりきだしたのは、5回戦に上がってからくらいか。。。 こういう構えでこうやって攻めるのはどうしてダメか? わしとチャモさんが実演を見せて、納得してもらうようにした。ボクシングのパンチでは、チャモアペット先生には当たらないってことをわかってもらった(たぶん)。
そして、一個一個の技の実演。チャモさんに前蹴り、ヌンサヤームさんにミドル、ヒジ、パノントワレックさんにテンカオ、首相撲からのヒザを解説とともに披露してもらった。
世界最高級の技を目に焼きつけたら、早速実行。タイ人先生とわしの四人でミットを持って、参加者全員が、講師全員のミットを蹴った。それぞれ教えることは違うから、なるべくいろんなミットを体験してもらった。 次は講師全員とのマススパ。「え?ダイエットキックしかやったことがない女性がマススパ? そんな無茶な?」と思うかもしれないが、心配御無用。講師は軽くやるだけだし、参加者の攻撃はどうせ当たらない。「当たらない」ことがわかってくれれば良いのだ。
次は講師全員との首相撲。タイ人の首相撲は恐ろしい、まったく何もできない……それがわかってくれれば良いのだ。そして、みんな思い知ったはずだ。 他ジムでプロを目指している参加者(♂)の講習後の感想。「ムエタイをナメていた。レベルが違いすぎて、自信をなくした」。ウンウン、それで良いのだ。 パンチが得意なプロキックボクサー(♀)の感想。「蹴りが重要なのがよくわかった」。わかればよろしい。 ダイエットキック経験の女性参加者の感想。「本格的なことをやれて、とても楽しかった」。そう思ってもらえて、よかったです。 そんなこんなで、大盛況のうちに終了したセミナー。次回の開催は今のところ未定だ。それは皆様のお声次第。さぁ掲示板へ! |