2000.1.29 後楽園ホール

NJKF Millenium Wars


楠本勝也 対 中島稔倫(大和)

5R判定負け(46-50、47-50、47-49)

 楠本の完敗だった。
 1Rは重いローキックを軸に、幅広い攻めを見せた楠本。中島に「49」を
つけたジャッジがいたが、おそらく1Rを楠本のラウンドにしたのだろう。そ
のくらい快調な出足だった。
 しかししかし、2R後半からガクンと失速し始めた。明らかにスタミナ切れ
だ。スタミナがなくなれば、技術もパワーも気迫も、何の役にも立たない。あ
とは、ほぼ一方的に中島の試合となった。5Rにはヒザでダウン。判定は文句
なく、中島に上がった。

 中島選手の勝利は動かしがたい事実だが、今回の楠本の敗因ははっきりして
いる。試合2日前に風邪を引いたことだ。試合前は気が張っていたのか、通常
の様子だったが、試合後は咳が止まらなかったほど。
 今回は、いつになく密度の濃い練習をしていただけに残念だ。スタミナも延
藤さんが下を巻くほどだった。途中からアラビアンとともにファーキャウにし
ごかれていたが、そのハードな練習が逆にオーバーワークになってしまったか。
 ともあれ、コンディショニングも実力のうち。言い訳にはなるまい。

 試合前には、こんなこともあった。タイの大物プロモーター・ソンチャイ氏
が通訳とともに楠本を訪問。「ラックハーイ(宇宙人ルカイ)とタイで試合す
るか?」と楠本をスカウトしにきたのだ。ラックハーイとやるとなれば、やは
りテレビマッチだろう。大飛躍のチャンスだ。
 しかしそれは試合前のこと。この試合を見たソンチャイ氏が、楠本に対して
の印象を変えたのかどうかは、今の時点ではわからない。

【その他の試合】
 まともに見たのは、メインだけ。オーローノーはさすがに凄かったが、一番感心したのは、レフェリーのうまさ。倒れた相手に蹴りに行く選手を、ダイビングタックルで制止に行く素早さに感動した。プロじゃ。。。安心して、命を任せられそう。

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