奥日光道中記第四話

■希望のすぐ先の絶望

沢から命からがら脱出をし、再び沢と登山道の交点まで戻ってきた。「もし沢が登山道じゃないのなら、一体どこが登山道なのだろう?」と思い近くを散策すると、あった! 「登山道」の看板があった! 「なんでこんなわかりにくいところに立てるんだよ!」とも思ったが、まあ良い。

 道がわかればこっちのもんである。
 それが「道」ならばこっちのもんである。
 運動靴履いてたってこっちのもんである。

疲労と濡れたパンツのことも忘れ、再び闘志を燃やし、頂上を目指すことにした。いやあ、快適である。人の通れる「道」は快適である。もう楽勝モード。運動靴でもノープロブレム。足腰が違うわい!バカたれめが!!

しかし、そんな天国も長くは続かなかった。わずか5分ほど歩いただけで、わしは立ちすくんでしまった。眼前に広がる景色に愕然とした。

完璧、雪景色である。

雪だけならまだ良い。だが、凍っているからどうしようもない。それでも登ってみた。何度も何度もこけ、さらにパンツを濡らしながら、ときに木の枝を杖がわりにして、登ったのだ。20分ほど粘ったのだ。。。。

だが、そこまでだった。闘志も、気合いも、精神力も、自然の前では無力だ。

■まさかとは思ったが‥‥

精も根も尽き果てたわしが、雪道に座ると、ソリに乗ったように、滑って下方まで。20分かけて登ってきた道を、わずか30秒で滑り降りてしま?た。パンツはさらにびちょ濡れである。

…………

一時間後、わしは麓のビジターハウスというところにいた。登山情報がいろいろ掲示してあるところだった。「雪崩注意」「凍結危険」「地割れ有り」などの恐ろしい警告がいろいろ書かれていたが、そんなものはまだ可愛い。ある警告を目にしたとき、わしの顔は真っ青になった(はずだ)。

たしかに出そうな景色だったが、ホントに出るとは……。ツキノワグマだから凶暴じゃないらしいが、でも、熊は熊。真っ向勝負を挑んで、「熊殺し野崎」として一躍スターになるってのも手だが、やっぱ熊は強いんだろうな。小熊でも勝てないかな?

旅館へチェックインするのにはまだ早い時間だ。「再び山へ熊退治!」そんな欲求も頭をかすめたが、そこまで人生に自暴自棄ではない。結局、一般庶民がよく歩くという、湯の湖〜戦場ヶ原へのコースを歩いてみることにした。

■ふつうの散策

書くのは面倒なので、写真を中心に。いやあ、めまぐるしく景色の変わるキレイなところでした。

スタートの湯の湖

スタート地点。コンクリートの上を歩きに来たんじゃないのだが

すぐにこんな湖畔の茂みの中を歩くことに

湖を越えると滝(湯の滝)に出る

湯の滝を下から

今度は川辺を歩いていく

続いて戦場ヶ原ってところに
丸印の中に野生の鹿が

男体山の見える辺りで引き返した

この後にも、多少いろいろあったんですが、疲れたのでこの辺で終わり。結局、旅の結論としては、

山は凄い
また白根山には登りたい
同じ季節に登りたい
雪が残ってる季節に再挑戦
また運動靴で!

ご意見・ご感想・恋文お待ちしてます!!

(完)

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