Part9 2001.9.8
vs 高野洋一(神武館)
「戦闘記‥‥って戦闘してないじゃん!」
とのキック帝王一味のつっこみが聞こえてきそうですが、とりあえず振り返っておきます。
とにかく、絶対に落とせない一戦だった。トーナメントの表を見渡すと、どう考えても来年後半まで終わりそうにない。このペースで行くと、もっとかかるんじゃねえかという気もしてくる。つまり、負けたら1年以上、試合が組まれないことを意味する。延藤さんは「そんなことはない」って言うけど、現実的に考えてトーナメントの消化だけで手一杯だと思う。王者クラスならまだしも、わし程度のランカーに特別待遇があるとは思えない。この年齢で一年以上干されたら、そりゃ辛い。「負けたら終わりだな」。頭の片隅でそう考えて挑んだ一戦だった。
相手の高野選手については、NJKF参戦前から「いつかやるだろう」とチェックしていた。印象は「真正面から打ち合ったら勝ち目ないなぁ」「首相撲できないんじゃないか」。だから、試合が組まれてすぐ「くっついて勝負になるだろうな」と思った。
試合数日前、ファーキャウが「どんな選手だ?」って聞くから説明すると、「パンチャーは最初だけ気をつけろ。最初は、ジャブと左ミドルだけでいい。中に入ってきたら組めばいい。右は(パンチを合わされやすいから)蹴るな。3Rまでそれでいけば、後半はパンチは軽くなるから大丈夫」と言われた。「お客さんにとってはつまらないだろうな」とは思ったけど、「勝つためには最善の策だろう」と納得した。パンフレットに「負けたら意味がない。毒を盛ってでも勝ちたい」ってコメントが載ったけど、「いい試合」にはなりそうになかったので、あらかじめ言い訳しといたというわけ(笑)
そんな状況での試合前の控え室。ウィラサクレックジムや拳之会と同室だったのだが、ウィラサクレックの宋選手、デッドリーウインカーが揃ってパンチャーに1RKO負け。号泣するデッドリーウインカーを見て、改めて「安全第一」の意志を強くした。横では高橋拓也(拳之会)が「鼻潰れちゃいました」と氷で冷やしている。。。なんとも重苦しい控え室でございました。俺、これから試合なのに・・・(涙)
そして、私の前の試合、ソムチャーイ高津対飯田の一戦は、まさに私が考えていたような試合。「高津って首相撲ばっかだなぁ」と不可解そうな顔をしていた北星ジム練習生連に、「俺も同じような試合になるよ、たぶん」って言ったら、怪訝そうな顔をしていた(笑)。全然、同じようにはならんかったけど。退屈で。
さて、「ま、勝ちゃ文句なかろう」と入場を待つと、な、なんと入場テーマ曲が違う。これ、大ショックである。かといって、「元の曲に戻してくれ!」と言える立場でもなく、仕方なくそのまま入場したが、やはりどうにもしっくりはこない。な〜んかイヤ〜な予感がした。
イヤ〜な気分といえば、試合前の「ファイティングTV サムライ」のインタビュー。インタビュアーの大江氏の発した第一声に絶句。
「はい! K-Uライト級2位の高野選手で〜す」
「‥‥ボク野崎なんですけど‥‥」今まで何度か試合の解説してもらってるはずなんだけど、名前も覚えてもらってなかったとは。。。どうせ、そんなもんすよ、チックショ〜。
とまあ、そんなことがあって迎えた試合。相手が思ったより出てこなかったので、左ミドルでカウンターより、自分で前に出て組む展開が続く。リングサイドの重鎮から「アウトボクシングしろ!」とのヤジが飛ぶが、そこは「うるせ〜! もうちっと待ってろ!」とじっと我慢。おまけに2R終了時には、レフェリーがセコンドの楠本さんに「倒し方教えてやってよ」と余計な一言。あったまくる〜!! 普通レフェリーがそんなこと言うか、試合中に。あ〜腹立った。
しかししかし、そろそろ怒濤の攻撃が始まるはずの3Rが何もなく過ぎ、そろそろ倒すはずの4Rがそこはかとなく過ぎ、結局大した攻撃もできず5Rが終了。正直「負けたな」と思いました。心と体がバラバラでした。「あ〜俺のキック人生もこんなしょっぱい試合で終わりかぁ」と思っていたら、「判定野崎!」。あれれマジすか? 勝ちでいいんすか?
結果的には相手の持ち味封じ込めて、後半ポイントとって勝ったんだからプランどおりっちゅやぁプランどおりなんだけど。なんか恥ずかしい気分でトロフィーをもらったが、勝った気はしないので、他人にあげました。踏んづけるよりはいいでしょ?
今回、雑誌やパンフ等で大きく扱ってもらったので注目度も高かったと思うけど、そういう株価は大下落でしょうね。ごもっともです。その代わりとは言ってはなんだが、勝って首の皮はつながった。これをプラスにとって、次回は、ひと味違う試合できるよう出直します。気持ちが守りに入っちゃやっぱダメっすね。心から磨き直します。
とりあえず、応援してくださった方、どうもありがとうございました。
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