Part6

2000.7.7
対 笛吹丈太郎(大和)2nd

 前回の試合が終わったとき、周囲に私はこう言っていた。「またやっても、また同じようになるよ。。。」

 両者のスタイルを考えると、どっちかがスタイルを妥協しない限り、どうしても当たってしまうのだ。でも、やっぱりいざそうなるとねぇ。まさか、という感じです。

 まあ気を取り直して、試合当日の様子を一通りご紹介しておきましょう。

 当日計量にも慣れ、前日はぐっすり眠った。10時から後楽園ホールで計量があるのだが、御茶ノ水駅で会社に向かって歩きそうになった(会社は御茶ノ水にある)くらい平常心。リミット400グラム以上アンダーで余裕でパス。前回の試合から2日前くらいからリミットを保つようにしているのだが、これが良いみたいだ。

 そこから速攻で地元柴又にもどり、1度目の食事。弱っている胃を刺激しないように温かい柔らかいものから口にするのが鉄則。ここで食べ過ぎたり、いきなり冷たいものを食べると、後で痛い目を見る。1時半ころもう一度食事(うどん)を摂りエネルギー充填完了。いよいよ出陣だ。

【出陣前の儀式その1】
 帝釈天へのお参りに行く。参道沿いの佃煮屋で働いている石毛のお母ちゃんにあいさつすると、
「ああ野崎くん! 今日頑張ってね。佃煮持っていきなさいよ」
「いえいえ、もう食わないし。。。」
「試合終わってから食べなさいよ」
「ああ、じゃあありがたく……」
と佃煮4つももらってしまった。

【出陣前の儀式その2】
 延藤対立嶋戦のビデオを観て燃える。毎回これを観て出陣している。

 アイパワー水足と、ジムで4時に待ち合わせ。早めに着いたので、一度汗を流すことにする。後楽園でやればいいのだが、お客さんのいる前や相手と鉢合わせしてりするのがイヤなので、ジムでする。軽く10分くらい。

 後楽園に入ったのは、4時50分ころ。例のごとく自分でバンデージを巻く。パンフレットを見ていると、なかなかいいこと書いてある。うむ。
 第1試合が始まる頃、とりあえずの準備が完了。とりあえずヨコになってぼーっとする。2試合目が終了すると、タイオイルというオイルを使ってのマッサージに入る。「どういう効能なのか説明しろ!」と言われても知らないのだが、これで身体があったかくなるのだ。打撲予防にもいいのかな!?

 控え室を出ると、前の4試合目が始まるころ。広川対佐藤だ。広川君は前の日「がんばってください」とのメールをくれた。「おまえもだろ!」と思った。

(さて、ここからはビデオを観ての感想)

 「野崎勇治選手の入場です!」というコールから、ビデオが始まった。途端に場内から「のざき〜!!」「ゆうじ〜かっこいいぞ〜!!」と大声援……ではなく、これはセコンドの楠本勝也と井上玄斗の声なのだ。ホンット、どこに居てもこういうノリだ、この二人。。。
 リングに上がり、四方に礼しようと思ったら入場曲が切れてしまった。これで二回目。腹が立つ。こういう儀式はきちんとしたいのだが。。。
 
 さあ試合開始。開始早々、右ロー、右ストレート、右ローのコンビネーションがバシッと決まる。うん、いい感じだ。途端に笛吹はサウスポーにチェンジし、左ミドルを蹴ってくる。戦い方を観てると、ずいぶん研究してきた感じだ。私は、相手を「研究するけど縛られない」ようにしている。たしかにサウスポーになられてちょっと戸惑ったが、それも数秒。そうくるんなら、こちらにもいくらでもやりようがある。
 そして開始30秒、首相撲への入り際、右ヒジが入る。見るとちょっと切れている。切ったのは初めて。「これで勝ったら、『柴又のカッターナイフ』と名乗ろう」と一瞬思ったが、レフェリーは続行を支持した。
 そして、そのまた30秒後、左ジャブ、左ヒジのコンビネーションがバッチし決まる。切れはしなかったが、ダメージを与えるだけの手応えがあった。後半、ちょっとパンチをもらう場面もあったが、自分でみる限り、ちょっと押し気味で1R終了。
 2Rはちょっと静かな展開。こちらもパンチを警戒してるし、相手もヒジを警戒しはじめた感じでなかなか踏み込めない。途中、笛吹がラッシュをかけてきたが、わしは走って逃げる(笑)場内ざわめく。オーエンジャイのノリが自然と出てしまった。。。まあ、自分の世界に相手を引っ張り込むためには、こういうのもアリでしょう。
 後半、単発のパンチをもらって下がる場面もあったが、まあ大けがせず終了。ちょっと押され気味な印象を与えたかもしれない。
 そして、問題の3R。笛吹が得意のボディーフックを放ってきたとき、またもやバッティング。当のわし自身がよくわかんないくらいだったのだが、笛吹は立ってきそうにない。結局、そのままノーコンテストとなってしまった。
 
 試合後、笛吹選手と少し話をしたが、「応援に来てくれた人に悪くて。そちらもそうだろうけど。。。」と言っていた。まあ、再戦はしばらくいいでしょ。次はお互いメインでやれるくらいになって、やりたい。そうなったら、雑誌の方、いっぱい取材に来て因縁煽ってくださいね。「後ろから刺してやりたい」くらいのことは言いまっせ!


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