タネ明かしについて




マジックをお見せすると、よく「タネを教えて」と言われる事がありますが、

基本的に私はどんな簡単なものでもタネを明かしません。

やる方の人間は簡単なタネだと思っても、見る方の人は、

それを知らないわけですから、とても不思議に見えるのです。

ですから、「実はこうやってるんですよ」と教えてしまえば、

「な〜んだ」ということになって、せっかくの不思議さが

跡形もなくきえてしまうのです。

知らなければ、「あれはどうやったんだろう?」と、いつまでも印象に

残してあげる事ができるものを、タネ明かしをしたばっかりに翌日には

どんなマジックを見たのかさえ忘れてしまう。

そんな事になってはつまらないですからね。

それから、「何か一つ簡単なのを教えてよ」と、よく言われます。

そんな時には仕方ないので、ごく簡単なのをお教えするのですが、

たいていの人が勘違いしているのは、やり方がわかった時点で

「ああそうか、わかった、自分にもできるぞ」と思ってしまうということです。

つまり、タネがわかったらゴールだと思ってしまうのです。

実はそうではありません。

マジックはタネがわかった時点がスタートなのです。

やり方がわかったら、いやと言うほど練習をしなければなりません。

そして「これなら人に見せられる」と言う自信がついてはじめて人に見せる事が

できるのです。

多くの人は、やり方を教えると、その場で1〜2回やってみて

「あ、できるできる」と喜んで帰りますが、2〜3日して人に見せようとして

失敗するか、見破られるかするのです。

失敗の多くは復習をしていないため、うろ覚えでやってしまうからなのです。

私は、お教えする時に必ず「よく練習してから人に見せて下さいね」と

言っているのですが・・・。

マジシャンはある演技をやろうと思ったら、納得が行くまで何回も練習します。

それはそれは、いやと言うほどするのです。

そうして、手が自然に動くようになってはじめて人にお見せします。

それでもしばらくやらないと、その演技はスムーズにやれなくるので、

久しぶりの手順をやる時には、数回練習をし直してからでないと人前ではできません。

マジシャンも結構 大変なものなのです。

それから、よく見かけるのですが、マジックをやった後、すぐにタネを明かす人がいます。

プロにしろアマチュアにしろ、マジシャンと呼ばれる人たちは、

まずこんな事はしないのですが、宴会芸として、ちょっと本で読んで覚えたか、

タネを買ったりした程度の人の中には、人から不思議がられて、上手とおだてられると、

「へへへ、実はこうやってるのさ」と、すぐにタネをバラしてしまうのです。

タネをバラしたって尊敬なんかされないんです。

「な〜んだ」と、すぐにさめてしまうのがオチなのです。

それよりもタネ明かしをせずにいた方が、いつまでも「あれは不思議だったね」と

覚えていてもらう事ができるのに・・・。

そこで一言!


マジックのタネと好きな人の私生活は知らない方が良い






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