マジックを見る人へ




マジックをやっていますと、見る人の反応によって、その人の人柄が

良く分かります。

素直に驚く人、わからないと言って悔しがる人、

タネを明かそうと意地悪な見方をする人・・・

一番困るのは、最後の、意地悪な見方をする人です。

何とかタネを見破ろうとして、マジックをやっている最中に

やれ「そっちの手を見せてみろ」だの、やれ「今これ開けて見ていい?」だのと言って、

演技の流れを乱してくれるのです。

マジシャンは、決して「勝負してやろう」とか、「どうだ、わからないだろう」などと言う

気持ちでマジックをやっているのではないのです。

見ている人に楽しんでもらおうと思ってやっているのですから、

どうぞ楽しもうと言う気持ちでマジックをご覧ください。

よく、「わかった!こうやっているんだ!」などと、周りの人に得意げに

説明し始める人がいますが、そういう人の推測に限って、たいてい間違っています。

そんな時、こちらの方としては「そうじゃないですよ」としか言えません。

「違いますよ、こうしてるんですよ」なんて種明かしできませんからね。

それから、もう一回やってと言われても、マジシャンはその場で2回も続けて

同じ事をやりません。

2回目には、驚きがないのと、2回見ようと言う人は、今度こそ種明かしを

してやろうという目で見るからです。

もう一つ、ちょっとだけ困るのは、以前来たお客様が、友達を連れて見えて、

「何々をやってよ!」と、結末を先に言ってしまう事です。

たとえば、マジシャンがお客様に千円札を借りるとします。

その時点ではお客様は何が起こるかわかっていません。

そして見ていると、いきなり千円札が空中に浮かんだとしたら、お客様はびっくりするでしょう?

ところが、「ねえ、あのお札の浮くやつをやって下さいよ!」などと、最初に言われると、

周りの人に「これからお札を浮かせますよ」と宣言してるようなもので、

はじめから何が起こるかわかっているマジックなんて、意外性がなくなって

面白さも半減しますので、そんな時は、他のマジックをやる事が多いのです。(私の場合)





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