田宮アバンテ系・近代化改修

 2001年JMRCA電動オフロード選手権・中国地区1次予選にて、年代物とは思えない俊敏なクイックステップで最新鋭マシンと互角以上の戦いを繰り広げた田宮バンキッシュnyaoスペシャル。その陰にはアフターサービス打ち切り後、6年間にわたる様々な試行錯誤があった。
 今回はバンキッシュの予選通過を記念して、日本各地で奮闘しているアバンテ系ユーザーのために、nyaoが実施した近代化改修計画の全貌を披露しよう。




Step1:電子装備の近代化


 アバンテ系の悩みのひとつはヘビー級の車体重量にある。スクリューやナットを軽量化するのはもちろんだが、忘れてならないのは電子装備の近代化である。はっきり言ってしまえば、ESC(アンプ)や受信機を小型・軽量な新型に交換してしまうことだ。
 nyaoの実例で言えば、99年以降はESCをキーエンスA01に変更している。ハイパワー対応でありながら市販最軽量クラスなので、旧式アンプから30〜50gの軽量化を実現できるばかりか、大幅な効率向上も図られる。受信機については防水型のキーエンスR912を選んだが、これはバンドチェッカーとしての役割も果たせるからだ。



Step2:パワーソースの近代化

 Step1での電子装備強化を終えたら、次はパワーソースの近代化である。バッテリーからコネクターを経てモーターに至るまで、ストレスフリーでパワーを供給するのがこのStep2である。バッテリーをRC2000以上の高規格バッテリーに変更するのは当然として、高効率なコネクターや高出力モーターへの転換もまた重要である。
 nyaoの場合はコネクターにシャインテクニカ製「ロッキー」を制式採用している。抵抗少なく確実に接続できるロックコネクターであることが、激しい振動のなかでハイパワーを要求される電動オフロードバギーにとっては他に代えがたい存在となっている。ただしパワーアップは衝撃増大を招くので、サスペンション強化が課題となる。サスペンション強化はStep4で紹介する。

Step3:タイヤ&ホイールの近代化

 田宮のオフロードタイヤは一般に硬めのコンパウンドを使用しており、ここ一番のグリップ力に欠けている。幸いバハチャンプ標準のスターディッシュホイールは、ヨコモなどが扱うROAR規格の大径タイヤを装着できるので、インナースポンジと併せて使用する。ただし今までにない強烈なグリップ感は、同時にステアリング系統への過大な負担を招くことにもなり、この部分の強化もまた不可欠である。これまたStep4でご紹介。





Step4:nyao流サスペンション&ステアリングの強化


 ハイパワー化対策の第一歩はフロントダンパーの強化である。ここではハイキャップダンパーミニ付属のダンパーステーを例に取るが、イラストの赤い部分に注目。左右各ダンパーの取り付け部をストラットバーでつなぐことにより、衝撃でフロントダンパーステーが折損するのを防ぐ。
 これは同時にフロントダンパーの減衰力を最大限引き出すための工夫でもある。ダンパーを取り付けるスクリューが衝撃により曲がってしまい、十分な減衰力を発揮できなくなる恐れがあるからだ。
 作成そのものは簡単で、短い両ネジシャフトとボールエンドがあればよい。ターンバックルを使用できればなお結構。nyaoの実例では京商製のボールエンドとターンバックルシャフトを使っているが、この強化策を施したことでダンパーの効き具合が各段に向上している。
 リアダンパーステーについては、意外や簡単な対策がある。カーボンロングシャーシではステー前方にダンパー、後方にウイングを付けることになっているが、このままでは剛性にいささか不安が残る。そこで固定用の3×20mmスクリューを前からではなく後から取り付け穴に差し込み、ウイングを前方に移してしまう。この変更によりウイングステーの鋼材がそのままリアダンパー補強剤となり、わざわざ補強のためにやりたくない重量増を招かずとも済むようになる。



 続いてはステアリング。強力なサーボとレーシングステアを使うことまでは思いつくが、サーボとレーシングステアの間に挟まれたサーボセイバーホーンとステアリングロッドにまでは考えが及ばないこともある。放っておくと両方とも壊れてしまい、操舵不能に陥る危険がある。それを防ぐ工夫がイラストにあるハイトルクサーボセイバーと、ステアリングロッド用「副え木」である。
 ハイトルクサーボセイバーについては説明不要であろうが、問題はステアリングロッドの補強。ピニオンギアなどで使う1.5mmアレンキーを加工して5cmほどの「副え木」を作り、エンジンカーでよく見かけるストッパーを使ってステアリングロッドに固定する。
nyaoの実例では固定用ストッパーとして、またもや京商製のKC18「3mmストッパー」を使用。サーボのトルクが5kg/cm・60度以上になる場合は、ステアリングロッド保護のため必ず実施すること。




【参考資料】
アバンテ系最終ギア比一覧表
*アバンテ系ギア比公式 (最終ギア比)=550÷(ピニオン歯数×3)

ピニオンギア 12T 13T 14T 15T 16T 17T 18T 19T 20T 21T
最終ギア比 15.27 14.10 13.09 12.22 11.45 10.78 10.18 9.64 9.16 8.73

バンキッシュのキット標準は21T(540SH)、アバンテ2001のキット標準は20T(スポーツチューン)である。21Tを越える歯数のピニオンを装着することはほぼ皆無と判断したので、表には掲載していない。