チャンピオンシップ争いの歴史

独走か、逆転か。50年の歴史の中で、チャンピオンシップがどのように争われてきたか。 50〜70年代はひとりが独走する例が多かったが、80、90年代は接戦が多い。

1950年代

独走は52、53、54、55、57年の5回。逆転は50、56、58年の3回。 56年のファンジオはコリンズに譲られてのチャンピオンだった。コリンズは「自分は若く、チャンピオンはいつかなれる」と言ったが、58年ニュルブルクリングで事故死してしまった。 ※桃色は優勝、赤字がチャンピオン決定時点。

チャンピオン 2位 3位 チャンピオンのポイント順位変遷 最大ピンチ 決定前
R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 得点差 得点差
1950 ファリ−ナ ファンジオ ファジオーリ 1 1 1 1 3 1         R5 -4 -4
1951 ファンジオ アスカーリ ゴンザレス 1 2 1 1 1 1 1       R2 -2 2
1952 アスカーリ ファリ−ナ タルッフィ - 1 1 1 1 1 1       R1 -9 8
1953 アスカーリ ファンジオ ファリ−ナ 1 1 1 1 1 1 1 1     R1 3 17.5
1954 ファンジオ ゴンザレス ホーソン 1 1 1 1 1 1 1 1     R1 2 18.5
1955 ファンジオ モス キャスティロッティ 1 2 1 1 1 1         R2 -1.3 14
1956 ファンジオ モス コリンズ 2 2 4 3 2 1 1       R2 -2 8
1957 ファンジオ モス ムッソ 1 1 1 1 1 1 1       R1 2 12
1958 ホーソン モス ブルックス 3 4 5 2 2 1 1 1 1 1 R3 -10 8
1959 ブラバム ブルックス モス 1 1 1 1 1 1 1       R1 3 5.5


1960年代

独走は60、63、65、66、69年の5回。逆転は61、64年の2回。61年はポイントリーダーのトリップス伯爵がモンツァで事故死し、フェラーリの同僚P・ヒルがチャンピオンになる。 64年は最終戦の最終ラップにクラーク→G・ヒル→サーティースと運命の行方が変わる劇的な幕切れだった。

チャンピオン 2位 3位 チャンピオンのポイント順位変遷 最大ピンチ 決定前
R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 R11 R12 得点差 得点差
1960 ブラバム マクラーレン モス - - 3 2 1 1 1 1 1       R2 -14 5
1961 P・ヒル トリップス モス 3 3 1 1 2 2 1 1         R1 -5 -4
1962 G・ヒル クラーク マクラーレン 1 1 1 1 1 1 1 1 1       R2 0 9
1963 クラーク ギンザー G・ヒル - 1 1 1 1 1 1 1 1 1     R1 -9 20
1964 サーティース G・ヒル クラーク - 3 5 8 7 3 3 3 2 1     R5 -20 -5
1965 クラーク G・ヒル スチュワート 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1     R2 -4 19
1966 ブラバム サーティース リント - 6 1 1 1 1 1 1 1       R2 -7 22
1967 ハルム ブラバム クラーク 4 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R1 -6 5
1968 G・ヒル スチュワート ハルム 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 R1 -3 3
1969 スチュワート イクス マクラーレン 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R1 3 29


1970年代

独走は70、71、72、73、75、77の6回。70年リントはモンツァ(R10)の予選で事故死したが、追いつく者がなく死後チャンピオンになる。 逆転は74、76年の2回。76年は独走ラウダがニュルブルクリング(R10)で大火傷、史上最大の35点差をハントが逆転した(最終戦富士で決定)。

チャンピオン 2位 3位 チャンピオンのポイント順位変遷 最大ピンチ 決定前
R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 R11 R12 R13 R14 R15 R16 R17 得点差 得点差
1970 リント イクス レガッツォーニ - - 3 4 1 1 1 1 1 1 1 1 1         R2 -13 17
1971 スチュワート ペテルソン セベール 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1             R1 -3 32
1972 フィッティパルディ スチュワート ハルム - 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1           R2 -9 25
1973 スチュワート フィッティパルディ ペテルソン 4 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1     R4 -12 24
1974 フィッティパルディ レガッツォーニ シェクター - 2 2 3 1 1 1 1 3 2 4 4 3 1 1     R12 -9 0
1975 ラウダ フィッティパルディ ロイテマン 6 7 9 9 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1       R2 -12 17.5
1976 ハント ラウダ シェクター - 2 5 2 2 2 4 2 3 3 2 2 2 2 2 1   R7 -35 -3
1977 ラウダ シェクター アンドレッティ - 5 2 1 3 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 R2 -9 27
1978 アンドレッティ ペテルソン ロイテマン 1 1 1 2 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R5 -5 12
1979 シェクター G・ビルヌーブ ジョーンズ - 8 5 3 5 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1     R2 -17 12


1980年代

独走といえる年はなく、ほとんどの年が逆転。ピケは81、83年とも最終戦に逆転。 82年は事故多発の混乱の中、わずか1勝のロズベルグが王座。 84年はラウダが0.5点差でプロストをかわす。86年はプロストが最終戦としては最大の6点差をマンセルのタイヤバーストで逆転する。

チャンピオン 2位 3位 チャンピオンのポイント順位変遷 最大ピンチ 決定前
R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 R11 R12 R13 R14 R15 R16 得点差 得点差
1980 ジョーンズ ピケ ロイテマン 1 1 2 3 2 3 1 1 1 1 1 2 1 1     R4 -5 -1
1981 ピケ ロイテマン ジョーンズ 3 3 3 2 2 3 3 2 2 2 2 1 2 2 1   R9 -17 -1
1982 ロズベルグ ワトソン ピローニ 5 7 3 5 3 4 4 5 3 4 5 3 2 1 1 1 R11 -16 9
1983 ピケ プロスト アルヌー 1 2 1 1 1 2 2 2 2 2 2 3 3 2 1   R12 -14 -2
1984 ラウダ プロスト アンジェリス   2 3 5 2 2 2 2 3 2 2 1 1 1 1 1 R4 -15 3.5
1985 プロスト アルボレート ロズベルグ 1 2 4 2 2 3 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 R6 -9 16
1986 プロスト マンセル ピケ   4 3 1 2 1 2 1 2 2 4 2 3 3 2 1 R14 -11 -6
1987 ピケ マンセル セナ 2 4 4 4 3 3 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 R3 -12 12
1988 セナ プロスト ベルガー   2 3 3 2 2 2 2 2 1 1 1 2 2 1 1 R4 -18 -5
1989 プロスト セナ パトレーゼ 2 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 R4 -7 16


1990年代

90年代はポイントリーダー先行逃げ切りパターンが多い。 92、93年は独走。97年が逆転。セナは90年プロスト、91年マンセルの攻勢をしのぐ。 シューマッハは94年最終戦にヒルと衝突して王座を獲るが、97年最終戦はビルヌーブと衝突して王座を逃す。

チャンピオン 2位 3位 チャンピオンのポイント順位変遷 最大ピンチ 決定前
R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 R11 R12 R13 R14 R15 R16 R17 得点差 得点差
1990 セナ プロスト ピケ 1 1 1 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1   R8 -2 9
1991 セナ マンセル パトレーゼ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R1 4 16
1992 マンセル パトレーゼ シューマッハ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R1 4 46
1993 プロスト セナ ヒル 1 2 2 2 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R3 -12 23
1994 シューマッハ ヒル ベルガー 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R15 1 1
1995 シューマッハ ヒル クルサード 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 R3 -6 27
1996 ヒル J・ビルヌーブ シューマッハ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R1 4 9
1997 J・ビルヌーブ シューマッハ フレンツェン   1 1 1 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 1 2 1 R8 -14 -1
1998 ハッキネン シューマッハ クルサード 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1   R14 0 4
1999 ハッキネン アーバイン フレンツェン   2 3 3 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 2 1  

R1

-10 -4