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2008

2008 AUSTRALIA


アルバートパークで勝った者は過去12回中、のべ8人がチャンピオンになっている。これは12年間でバルセロナと同じ最も高い頻度だ。モントリオール7人、マニクール6人、シルバーストン5人、ハンガロリング4人、モンテカルロ3人、モンツァ2人。ストレートと低速コーナーしかないアルバートパークは特殊と言われているが、選手権を占う意味で大きいものがある。それはコースというより、開幕戦ということがあるだろう。長い準備期間を経て、このレースでの成績はチームの力が如実に表れる。そしてフェラーリは前評判の良さが地に落ちた。速さはある。だが信頼性はポイントを積み重ねなければならない現行の選手権で足を引っ張りかねない。
ハミルトンの速さはラップタイム図でも強く表れた。チームメイトのコバライネンは第1スティントこそクビサの後ろで詰まっていたためだが、2位にいた第2スティントで一気に離されてしまった。
抜けないサーキットのため、多くのドライバーがポテンシャルを引き出せないまま終わっている。それはレースの大半で詰まっていたライコネンにも言えた。

散々な結果に見えたライコネンだが、絶好のチャンスが来たときがあった。2度目のセーフティカーが出た30周目、ハミルトンの0.8秒後ろの3位につけたときだ。だがライコネンはコバライネンを抜こうとしてコースアウトし、チャンスを棒に振った。もしミスしなかったとしても、給油で順位を落としたかもしれない。だがライコネンはさらに45周目にもタイムを大きく落としており、ややモチベーションが落ちた捨てレースになってしまった。結局自分もリタイヤしてしまったが、幸運にも1ポイントを得た。昨年のモナコと同じだ。シーズンは長い。次戦のセパンは高速コーナーのあるサーキットなので、フェラーリが力を発揮したいところだ。

トラクションコントロール禁止はさほどドライバーに負担を増やさなかった。それを補う電子技術があったためだろう。現代において、ドライバーの力の要素を増やすことは容易でないことが思い知らされる。

ハミルトンSC3度の乱戦制す
フェラーリ散々、一貴入賞

TCS禁止・全車標準ECUのシーズンが開幕したが、スタートでの差はあまりなかった。だが1周目にベッテル、フィジケラ、ウェバー、デビッドソン、バトンがアクシデントでリタイヤ。マッサと中嶋がフロントウィングを破損。1回目のセーフティカーの後、ライコネンは8位にアップするがバリチェロを抜けない。ハミルトンは2位クビサを引き離し独走し始める。
25周目、マッサはクルサードと接触し、後に止まる。ライコネンはコバライネンを抜こうとしてコースアウト。フェラーリが散々な開幕戦なのに対し、マクラーレンは一時1−2を走る。佐藤は最高10位を走るがリタイヤ。
44周目、グロックがクラッシュしてセーフティカー。その前にピットを済ませたハミルトンと、済ませていなかったコバライネンに明暗。コバライネンはアロンソとコース上で抜き合いを演じる。バリチェロは赤信号でピットから出てしまい6位から失格。クビサは中嶋と接触してリタイヤ。
ブルデーが4位を走りながらも白煙。そしてライコネンも止まり、チェッカーを受けたのはわずか7台。乱戦でもずっと1位を守ったのはハミルトンであった。気がつけばハイドフェルド2位、ロズベルグ初表彰台、中嶋は初入賞。一週間後にマレーシアへ。

ハミルトンPP
ライコネントラブル16位
 

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