王鈴交配 ゴールデンデリシャス×デリシャス収穫時期 10月下旬 青森県りんご試験場で育成、1951年(昭和26年)登録。長円筒形、大きさ150〜200g、黄色品種。果肉は硬めだが、甘味が強い。さびの発生は少なく、貯蔵性もゴールデンデリシャスより勝る。生産性が低いこと、小玉であることなどから市場性は低い。 紅玉 Jonathan交配 イソパス・スピチェンバーグ×不明収穫時期 9〜10月 アメリカ・ニューヨーク州原産、明治初年導入。 アメリカ大陸でりんごの種を蒔きながら、栽培普及に努めていたジョナサン・チャップマン。人々は「りんごの聖者ジョニー」と呼んでその功績をたたえたという。これにちなんだのだろうか。 大きさ180〜200g、濃紅色。貯蔵中に生理障害を起こす、病害虫防除に手間がかかりすぎるといった理由で作られなくなってきたが、その料理用・加工用としての優れた品質が再び注目を集めている。 ゴールデンデリシャス交配 アメリカ産の偶発実生収穫時期 10月中旬〜下旬 1914年発表、1923年日本に導入。長円〜円形、大きさ250〜300g、黄色品種。果汁が多く甘味が強く味は濃厚である。さびが多いため無袋栽培をしにくい。貯蔵性に欠点があり、果実の表面にしわができやすい。育種母本として優れているため、ゴールデンデリシャスの血をひいた品種が多い。世界で最も広く栽培されている品種の一つである。 スターキング・デリシャス系 Starking Delicious交配 デリシャスの枝変わり収穫時期 10月 アメリカ産、1921年発見。長円錐形、大きさ300g前後、暗濃紅色の縞状に着色。肉質は緻密で果汁が多く、酸味が少ない。貯蔵性に問題があり、ぼけやすく、内部褐変などの貯蔵障害も多い。 世界の主要品種であるデリシャス系の枝変わりは大変多く、数十系統ある。スターキングの他、リチャードデリシャス、レッドスパーなど。 ジョナゴールド Jona Gold交配 ゴールデンデリシャス×紅玉収穫時期 10月中旬 アメリカ産で、1968年に命名、発表。日本へは1970年(昭和45年)に導入。円形〜楕円形、大きさ300g程度、黄色地に鮮紅色。豊産性で育てやすく、特に標高の高い地域に適している。適度な酸味があり、ジュースやジャムに向いている。ワックスが出やすい品種でもある。 世界一交配 デリシャス×ゴールデンデリシャス収穫時期 9〜10月 青森県りんご試験場が1951年(昭和26年)選抜、1974年(昭和49年)青リ4号として発表。円錐形で、1個で1kgにも達することもある巨大果。その大きさから、贈答用としての需要がある。果汁が多く、やや淡白であるが味は良い。昼夜の気温差の大きい、標高の高い地域に適している。落果しやすく、着色不良になりやすい。 高嶺交配 レッドゴールドの偶発実生より選抜収穫時期 9月下旬〜10月上旬 長野県果樹試験場が初めて育成、1982年(昭和57年)に種苗登録。350〜400g、濃紅色。標高の高い地域に適している。 はつあき交配 紅玉×ゴールデンデリシャス収穫時期 9月下旬〜10月上旬 農林水産省果樹試験場盛岡支場で育成、1976年(昭和51年)命名、登録。円錐形、大きさ250〜300g、橙紅色。果肉はやや粗く、酸味が若干強い。貯蔵性は良く、ぼけにくいが、表面がしなびやすい。 北斗交配 ふじ×陸奥収穫時期 大きさ350g程度。青森県りんご試験場が1970年(昭和45年)から交配育成、1983年(昭和58年)2月に農林水産省種苗法登録。果実の色は黄緑に紅色の縞入りでふじに似ているが、味はふじを上回る。冷蔵すれば4月中頃まで貯蔵できる。しかし、栽培が難しく、中心にカビ(芯カビといいます)が入りやすく、着色が悪く、長く貯蔵はできない。そのため市場性はあまりないようである。 恵交配 国光×紅玉収穫時期 10月下旬 青森県りんご試験場で交配、1950年(昭和25年)登録命名。大きさ240g、色は紅玉に近い紅色。果汁が多く濃厚な味で甘味が強い。土壌が不良でも生産力が高く、落果が少ない。 陸奥交配 ゴールデンデリシャス×印度収穫時期 10月中旬 青森りんご試験場が1941年(昭和16年)選抜、1949年(昭和24年)登録。ゴールデンより大きさ(400g〜600g)、外観、貯蔵性において優れている。無袋栽培では果実は黄色に、二重・三重袋による有袋栽培では淡紅色に色づく。有袋の方が贈答用高級品種。しかし、養分・水分が過剰だったり、実をつけすぎると青実のまま終わってしまう。豊産性で、生食・加工両方に向くため、国外での評価が高い。イギリスではクリスピン(Crispin)と呼んで栽培している。 レッドゴールド交配 ゴールデンデリシャス×リチャードデリシャス収穫時期 10月上旬〜中旬 アメリカ産で1946年登録、日本へは1950年(昭和25年)導入。円形、大きさ250g前後、暗紅色。つるさびが出やすく、表面に光沢がない。肉質は粗いが果汁は多い。日持ち性がないため、ぼけやすく、暖地での栽培は難しい。 千秋、陽光についてはりんごにはどんな種類があるの?〜大上果樹園のりんごたち〜の方に記載しました。 |