エルグランドと双璧を成す、日産のフラッグシップミニバン
注:当車は知人の車両であり、なんしぃ所有車ではありません。

基本スペック
(2007年式 ライダーS 3.5)

・全長×全高×全幅(mm)
 4,930×1,685×1,800

・車両重量
 1,810kg

・エンジン
 VQ35DE V型6気筒DOHC
 最高出力:231ps/5,600rpm
 最大トルク:25.0kgm/3,600rpm

・装着オプション
 電動ガラスツインサンルーフ
 ウィンカー付きドアミラーカバー
 キッキングプレート(イルミネーション付き)
 日産オリジナルナビ+ETC など

 

イントロダクション

 日産のフラッグシップミニバンといえばエルグランドですが、そのエルグランドと双璧を成すLサイズミニバンが、プレサージュ
ここで紹介するのは2代目で、初代は2列RV「ルネッサ」のコンポーネントを利用した車でした。しかし、電気自動車を見据えて
設計されていたそのシャシーはフロアが高く、ボディサイズ(特に全高)の割には室内が狭く、一世を風靡するまでには至りません
でした。
 そんな初代の反省からか、2代目は大幅進化。室内の広さシートアレンジの多彩さ、各部の使い勝手をことごとく研究し、
ミニバンのポイントをしっかりと押さえて2003年にデビューしました。私もそのパッケージの秀逸さに感激し、「やればできるじゃん」
と日産にエールを贈りました。が!肝心の販売は苦戦。当時日産が得意だった「モダンテイスト」なスタイリングが仇となり、個性派
ぞろいのこのクラスの中では地味に映ったプレサージュは陰に埋もれてしまいました…(涙)。
 好調なこのクラスのライバルたちに後れを取ってはイカン!と日産陣営はまたしても一発奮起。2007年のマイナーチェンジに
「もはやフルモデルチェンジ!?」とも取れる大幅リファインを実施しました。フロントマスクはデザインコンシャスで名を馳せている
ムラーノ風になり、メッキパーツを多用することで煌びやかさを表現。またインパネデザインも一新し、情報共有と視点移動軽減を
目的としていたセンターメーターからオーソドックスなドライバー正面へ再配置。前後移動で使いにくかったシフトレバーも、この
クラスでは一般的な上下移動タイプに変更するなど、ファミリーカーからドライバーメインのプライベートカーへとイメージ転換を行
いました。
 ここで紹介するのは、そのマイナーチェンジ後のモデル、いわゆる後期型プレサージュ。ライダー仕様ですので標準車とはやや
違う部分もありますが、クルマ本来の使い勝手と性能は差はないと思います。購入を検討されている方は要チェック!

ディテールチェック

  「ローハイトミニバン」と呼ばれる、全高を抑えて走行性能を重視
 したタイプであるプレサージュは、サイドビューもスポーティ。
 ただし全長はととても長く、取り回しには気を使うので、購入を検討
 している人は実車の確認を忘れずに。
  写真は社外のアルミホイールが装着されています。またライダー
 ですので、標準車より車高が約20mm下げられています。そのせい
 か、乗り心地はややハード。運転者はともかく、二列目以降の乗員
 には不評ですので、多人数乗車時はスムーズな運転を心がけま
 しょう(笑)。

  マイチェンで大きく変わったヘッドライト周り。
 「ムラーノ顔」と評されることも多いですが、ボンネット形状まで
 変更して大手術した成果、スポーティかつ端正にイメージチェンジ
 を果たしています。250XL以上はキセノンヘッドランプ標準装備。
  ライダーは通常の「ライダー」と「ライダーS」が存在します。
 写真は後者でメッキグリルはスモーク仕上げでスポーティ志向。
 通常の「ライダー」は通常のメッキで、こちらは高級感をアピール
 しています。

  リアビューはマイチェン前と大きく変わっていません。大型リア
 スポイラーとクリアタイプリアコンビランプはライダー装備ですが、
 ディーラーオプションでも用意されています。なお、バンパー及び
 マフラーはライダー専用装備です。
  細かいトリビアですが、標準車(ハイウェイスター含む)はリア
 ゲート下部に「2.5」や「3.5」の排気量表示が入りますが、
 ライダーは専用ロゴが入るため、排気量表示が入りません。
 「あの排気量表示がイヤ!」と言う人は、ライダーをチョイスする
 のも手ですね(^o^)/

  大型リアスポイラーとクリアタイプリアコンビランプは、ライダー
 シリーズの定番装備。精悍さを醸し出すのが目的ですが、そろ
 そろLEDテールランプを展開して欲しい!と思うのは私だけ?
 ライダーに限らず、日産はLEDに消極的。いち早く採用したのは
 同社(Y34グロリア)だったんですが、採用車はこのクラスの
 車のみ。他社はコンパクトカークラスにも採用拡大中ですが…
 頑張れ、日産!

  コクピット周りはマイチェンで大きく変貌。センターメータを廃止
 して、スポーティな3連メーターに変更し、使いづらいと不評だった
 水平移動のシフトレバーも垂直移動タイプに変更。マイチェン前
 の試乗は行ったことがないので比較はできませんが、後期型は
 とても操作しやすくて好印象です。
  フットブレーキはプッシュリリース式で、ハイウェイスターおよび
 ライダーはアクセル&ブレーキペダルにアルミ加飾を施して、
 スポーティさを主張。

  スポーティな3連メーターは、左から燃料計/水温計・回転計・
 速度計と並んでいます。イグニッションオン時は文字盤がうっすら
 オレンジ色に光っており、視認性向上に一役買ってます。
  センターメーターは視点移動が少ないというメリットがあります
 が、弊害としてナビ画面の位置を上げづらい・年配者の方は焦点
 が合わせづらいなどが挙げられ、トヨタ以外は採用に消極的。
 プレサージュの場合は「ドライバーのパーソナル感を強調する」
 ために廃止しましたが、やはりメーターはドライバーの前に鎮座
 したほうが良い!と思うのは、クルマおたくの私だけ?

  メーター配置変更に伴い、センタークラスターも大幅刷新。
 オーソドックスな配置になりましたが、不評だったシフトレバーが
 一般的な配置になり、非常に好印象です。
  お陰でオーディオスペースは4DIN(!)もあり、カーオーディオ
 にこだわる人には絶好の素材。因みにマイチェン前のオーディオ
 は、メーカーオプション以外のものは装着できませんでした(爆)。
  エアコンの操作パネルも、オーソドックスな3連ダイアル式に。
 高級感は下がりますが、操作性は向上。運転中でも手探りで
 調整できるため、個人的には良いと思います。


  運転席右側に整然と並ぶスイッチ類。
 上段はスライドドアスイッチ・リモコンウォークインスイッチ・ドア
 ミラー調整スイッチ、下段は電動スライドドア操作制御用スイッチ・
 プラズマクラスター切替スイッチなどが配置されています。
  ドアミラー調整スイッチはパワーウィンドゥ操作スイッチと同じ
 位置にあったほうが視点移動が少なく調整しやすいと思います。
 しかし意外とプレサージュと同じインパネ部分に配置するクルマ
 が多く、メーカー内でもばらつきがあります。


  パワーウィンドゥ操作スイッチは、一般的な配置。ドアインナー
 パネルはモケット仕立てで上質なイメージ。インナードアハンドル
 はキューブやマーチと共有パーツで、高級感に水を差す部分(爆)。
 プレステージ・ミニバンですから、専用パーツを奢って貰いたかった
 気がします…。
  ドアの取っ手部分は微妙な隙間が設けられており、携帯電話など
 の小さな小物を挟んでおくことができます。その下には開閉式の
 マガジンラックがあり、ミニバンとしての機能を押さえています。

  シートは一体成型タイプですが、同タイプにありがちな座りの
 悪さを極力排した良質シートと言えるでしょう。
 サイズはやや小ぶりで、平均的な日本人男性ならピッタリ、
 180cmクラスの人はやや小さいと感じるかも。
  角度調整式のアームレストが装備されていますので、ロング
 ドライブも快適に過ごせます。

  セカンドシートはベンチタイプの3人乗りですが、左側シートは
 サイドスライドが可能。シチュエーションに応じてキャプテンシート
 に早変わりさせることができます。
 (画像にマウスを合わせると、キャプテンタイプになります)
  ベンチシートの状態では合法的に3人掛けが可能ですが、実際は
 大人三人が並んで座るには窮屈。中央部分もアームレストやシート
 ベルトのバックルがあって、座り心地は微妙…。大人一人+子供
 二人というのがベストのようです。シート外側にもアームレストが
 装備されているので、実に快適に過ごせます。
  なお助手席側シートをスライドさせるとドアとの間に隙間ができ、
 二列目を倒すことなく三列目にスムーズに乗降可能。完全ベンチ
 タイプシート車との利便性の差は歴然です。
 


  サードシートは小ぶりで、大人が乗るには少々キツめ。
 背もたれも低くて座面幅も狭いため、子供用と割り切ったほうが
 良さそうです。ただしクッションは十分確保されていて、座り心地
 自体は快適な部類。
  なお、ヘッドレストは引き出さないと機能を発揮しないほど、
 とっても低い位置。後方視界を確保するための処置だと思います
 が、ヘッドレストだけでも大型化できないものか?


  運転席から後ろを覗いたときの視界はこんな感じ。サードシートの
 背丈が低いので後方視界は良好で、セカンドシートがベンチ状態で
 あればヘッドレストも視界を遮らず、概ね良好。クラウンを凌ぐ4,865
 mmの全長ですが、後退に関してはさほど大きさを感じずに済むと
 思います。ただし狭いところでの方向転換はかなり辛いですので、
 車幅間隔をしっかり養ってから運転に臨みたいところです(爆)。

  サードシートから前方への視界はこんな感じ。
 シアターレイアウトを採用しており、さほど閉鎖感はありません。
  なお撮影車はサンルーフ装着車ですので、非装着車に対して
 天井の高さとエアコン吹き出し口の位置が異なります。
 (非装着車のエアコン吹き出し口は室内中央にあります)

  ラゲッジルームはボディサイズの割には狭く、乗員スペースを優先
 した造りになっています。トノカバーを外して左にあるレバーを引くと
 サードシートがスルスルと自動格納。更にそこからレバーを引くと、
 助手席側セカンドシートの背もたれも格納されます。
  ラゲッジ下には床下スペースがあり、通常は使わない洗車道具や
 三角掲示板などをスマートに収納できます。

  プレサージュはガラスハッチを全車装備。後方にリアゲートを
 開けるスペースがない時や、上方に積載された荷物を取るのに
 とっても重宝します。家族でキャンプや海水浴に行ってラゲッジ
 一杯に荷物を積んだとき、この機能に恩恵を感じると思います。
  なおガラスハッチを全開状態でリアゲートをオープンすると、
 最上部で自動的にガラスハッチが閉まり、ガラスハッチの接触
 や破損を抑止する機能が備わっています。

  撮影車両は3.5リットルエンジン車。V6ならではのスムーズな
 フィーリングと、CVTによる滑らかな走りが特徴です。エンジン自体
 はエルグランドに搭載されているものと同一で、231psを発揮。
 排気量の割には数値が控えめな印象ですが、アクセルを踏み込む
 と怒涛の加速を見せてくれます。
  因みに2.5リットル車は直4エンジンで、ミッションも4ATとなり
 ますが、トルク重視のセッティングと軽量なエンジン重量で、パフォ
 ーマンス的には不自由を感じません。税率や使用ガソリンの違い
 (3.5はハイオク仕様)で選ぶのが得策です。

 

ドライビング・インプレッション


 それでは、実際に走らせてみた感想をば。
 イグニッションを回すと、軽いセルスターター音の後に6気筒独特のシルキーなエンジン音が響きます。直4モデルには乗った事
がないので比較はできませんが、一般的には多気筒エンジン搭載車のほうが静寂性が優れています。しかしプレサージュは
後期型になって直4モデルの遮音性能を向上。上級ミニバンとしてステップアップを図っているそうです。
 実際に走らせてみると、やはりV6エンジンはトルクが細い…(汗)。排気量は十分なのですが、1.8tを超える車重には少々
鈍重な印象を受けます。しかしそれは、アクセルを遠慮気味に踏んだ場合の話。セレナ+αの気持ちで踏むと、怒涛の加速力を
見せつけてくれます(笑)
。いやぁ〜やっぱりフェアレディZと同じですね!(馬力は全然違うけど)
 車速のノリは軽やかで、気が付いたら法定速度を超過…というのはお世辞ではなく、ホントの話。滑らかなCVT制御と徹底した
遮音効果、加えて強靭な直進安定性が速度感を麻痺させます
。白馬の王子様には十分注意しましょう。しかしこれが峠道に
入ると…やはりノーズに重たいエンジンが載っていることを痛感する羽目に(爆)。意識的に(?)クイックに設定されている
ハンドリングでそれなりに向きは変わりますが、一世代前の足回りを感じさせるロール感は、ドライバーはもとよりパッセンジャー
にはイタダケナイ感じ
です。クルマの性格を考慮し、コーナリングはスマートに行うのが「吉」です。
 また購入を考えている方が一番気にされていると思われる「取り回し性」ですが、市街地や団地内ではボディの大きさ(特に幅)
を感じずにはいられません(笑)。しかし一旦走り始めると全く気にならなくなり、一週間も使えば慣れてしまうのではないでしょうか。
スーパーやコンビニなどの駐車場では、今度は車両の長さが気になります。よく行くスーパーの駐車場が狭い!と感じている方は
実車に試乗してその大きさを体感することをお勧めいたします。幸いメーカーオプションでモニター類が充実していますので、ある
程度はカバーできると思いますが…アラウンドビューモニターが欲しかったですね(^_^;)>
 逆を言えば、取り回し性さえクリアできれば上質かつ利便性の高い多人数乗用車が比較的安価(3.5リットル車が300万円
以下!)で手に入る
…これはトピックと言えるでしょう。
 ミニバンとしての性能は申し分なく、個人的にもベストな一台です。エス○ィマのような未来的なミニバンも良いですが、基本に
忠実なこの一台…中古車でミニバンをお探しの方は、一番のオススメです。

2009年8月に生産中止となり、絶版車となってしまったプレサージュ。
クルマ本来の出来は素晴らしく、もっと人気が出ても良いモデルだと思います。
このクルマの良いところを受け継いだクルマが登場することを願いたい…。

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