あめふり  さとうわきこ  福音館書店  <絵本> 幼児から

子供に大人気のばばばあちゃんシリ−ズ。たいてい1冊は読んだことがあるでしょう。ばばばあちゃんのパワ−にはあっとうされますが、どれもおもしろい。
ばばばあちゃんがやっていることって子どもがやってみたい、ようなことばかりだと思いませんか?

 ばばばあちゃんには、他に「どろんこおそうじ」「すいかのたね」「ことりのす」「やまのぼり」「あひるのたまご」「よもぎだんご」 があります。

  100万回生きたねこ  佐野洋子 講談社  <絵本>

100万回も生まれ変わったねこ。 でも、1回も自分が好きではなかった。王様、泥棒、女の子など、いろんな人に
飼われたけど、誰も好きではなかったねこ。そんなねこが、のらねこに生まれ変わり、いっぴきの白ねこを好きになった。そして自分も好きになった。子どもも生まれ、幸せになった。
でも、白ねこが死んだとき、100万回いきたねこは泣いて泣いて・・・そしてとうとう死んでしまった。もう二度と生まれ変わらなかった。生きるってどういうことなんだろう?
とても、大好きな絵本です。

 たからものくらべ  杉山 亮

6歳の姉と4歳の弟のたからものは何でしょう?この本を読んだとき一瞬「うちのこと見てたの?」と思いました。
大人にはゴミにしか見えないものでもこどもにとっては宝物なんですね。
作者の杉山さんは、いつもお世話になっている、Dorothy’sのゲストブックに時々書き込みなさっています。そちらもどうぞ。

  11月の扉  高楼方子 リブリオ

11月の始め、偶然見つけた赤茶色の屋根の白い家を爽子は好きになります。その家には「11月荘」という名前がついていました。「11月荘」に出会った翌日、爽子のお父さんが転勤になり、一家は引っ越しをしなければならないことがわかります。でも、爽子は2学期いっぱいは転校したくないと思い、「11月荘」に下宿することを考えつきます。幸い両親の許可も出て、2学期終了までの約2ヶ月、爽子は「11月荘」の住人になります。
 11月荘の住人は家主の閑さん、建築士の苑子さん、馥子さんと小学1年生のるみちゃんの親子。お互いが必要以上に干渉しないで、でも協力しあって暮らす様子はとてもステキです。爽子が書き始めたお話「ド−ド−森の物語」が、所々挿入され、そちらも楽しめました。

 時計坂の家  高楼方子

12歳の夏休みフ−子はイトコのマリカにさそわれて、汀館の祖父の家に行きます。
「時計坂の家」と呼ばれる祖父の家で、フ−子は祖母の死の謎を知ります。謎を追いかけるうち、フ−子は不思議な庭園にまぎれこんでしまいます・・・・
庭園の場面では緑のにおいがむせかえるようです。懐中時計、天使のからくり時計、マトリュ−シカ人形・・・・小道具にも心惹かれます。
ファンタジ−が好きな人にオススメです。

 じごくのそうべい  田島征彦  童心社

 上方落語<地獄八景>を絵本にしたもの。 軽業氏のそうべい、やまぶし、医者などが4人で地獄で大暴れ?地獄
の鬼たちも立場なし。とてもおもしろいお話です。関西弁を使えるひとが音読するといい絵本だと思います。
 
 続編に「そうべえごくらくへいく」があります。

 となりのせきのますだくん  武田美穂  ポプラ社

朝、みほちゃんは病気になればいいな、と思います。だって学校に行きたくないから。となりの席のますだくんが、意地悪するから。みほちゃんにはますだくんが怪獣に見えてしまいます。

ハキハキしていて、元気いっぱいのますだくんと、ちょっと気が弱くて苦手なことが多いみほちゃんのシリ−ズ。ますだくんはみほちゃんがもどかしくて、なんとなく手をだしてしまうようです。うちの息子はますだくんに似たところがあるので、私はますだくんの応援をしてしまうのですが、みほちゃんのような子もたくさんいますよね。
1年生には是非読んでもらいたいシリ−ズです。

 「ますだくんの1ねんせい日記」「ますだくんのランドセル」「ますだくんとはじめてのせきがえ」「ますだくんとまいごのみほちゃん」

  月神の統べる森で  たつみや章  講談社

すべての自然には神がやどり、人はその恵みによって生かされていると 信じられていた縄文時代から弥生時代へ変わっていく頃が舞台になっている。月神の支配する森の恵みをうけて暮らすムラの民はある日、 ヒメカという日の神の巫女に従い、人をあやめる武器をもったクニの民に攻撃され、ムラを追われた。 ムラの長アテルイと、半人半神の月神の巫者シクルイケは ヒメカと話あうためにクニを尋ねるが、捕らえられてしまう。 何とか逃げ出し、ムラへ帰る途中、少年ポイシュマの命を救う。
ポイシュマは人の世に起こる災いのさきぶれで、かつ災いから人々を救う 宿命を背負っていた。
とてもおもしろかったです。 まだまだ話は続くようで、この先どうなるんだろう、と待ち遠しいです。それぞれが背負った宿命。神の巫女であるはずのヒメカの陰謀。さて、みんなの運命は?
 特に、ムラの人々の恵みを与えてくれた、川や森や生き物の神(カヌイ)に 感謝をささげる部分がすきです。
 ちょっと前までは、日本でもありましたよね。
 神に感謝したり、祈ったり・・・・宗教とは別の部分で。 お祭りってそういうものでしたよね。 なのに、今では、本来の意味が失われているようで、 この本を読んで、改めて思い出しました。

 続編に「地の掟 月のまなざし 」「天地のはざま」があります。お話はまだ完結していません。

  あな  谷川俊太郎  福音館書店

子どもが庭にどんどん穴を掘って行きます。
ただそれだけのこと、といえばそうですが、なんとなくこころひかれる絵本なんですよね。

  これはのみのぴこ  谷川俊太郎  サンリ−ド

「これはのみのぴこ」から始まって、どんどん言葉が連なっていきます。
最後になると結構長いのに、子どもはおまじないのように、「これはのみのぴこを○○××」って唱えていました。言葉遊びの絵本。

 もこもこもこ  谷川俊太郎   文研出版

「もこもこもこ」や「じょわらん じょわらん」などリズミカルなな音と絵の絵本です。
大人には理解しにくいようですが、なぜか子どもは大好きなんですよね。読み聞かせで読んだら大受けでした。

  キャベツくん  長新太  文研出版

おなかがすいたブタヤマさん。道で出会ったキャベツくんを食べようとします。ところが、「僕を食べるとキャベツになるよ」と言われて・・・・
キャベツになったゴリラやくじらがぽっかり空にうかびます。

なかには、「なんだ、これ?」と思う大人がいるかもしれません。
でも、おもしろいんです。お話もナンセンスでおもしろいし、絵がいいんです。とくに、「キャベツくん」は絵本の中に広い広い空間が広がっていて、のびのびできます。「あははは」と笑いたい時にはぴったりのシリ−ズです。
読み聞かせにもオススメです。

 シリ−ズに「キャベツくんとブタヤマさん」「キャベツくんのにちようび」「ブタヤマさんたらブタヤマさん」があります。

  つみつみニャ−  長新太  あかね書房

 れほど、絵と文が一体となっている本はめずらしいかもしれません。
絵と文がまんじゅうの皮とあんこのようにいいバランスなんです。
お話は、卵とまちがわれて目玉焼きにされそうになった積み木が、いろいろなものを「積んで」しまう、というもの。本当におもしろい本です。