時の旅人   アリソン・アトリ−   岩波少年文庫

病気がちのペネロピ−は兄・姉とともに サッカ−ズにある農場で過ごすことに なります。 そこは古くバビントン家のカントリ−ハウス だった場所でした。
ある日、ペネロピ−は階段から落ちたひょうし に16世紀にタイムスリップしてしまいます。そこでは、バビントン家の人がスコットランド王メアリを救いだす計画をたてていました。

実際にあった事件を軸に、現代と16世紀を行き来するペネロピ−の様子が 描かれています。
私の大好きな本です。

 ねずみなんていないでしょ?  B・ウェ−バ−   あかね書房

ホテルにねずみが出た、らしい。      
早速、パット・チュ−トルサ−ビスに きてもらったけど、 ねずみは見つからない。このホテルにねずみなんているはずいないでしょう?と従業員たち。本当にネズミはいないのか?
あちこちに隠れているねずみを見つけられるかな?

 かあさんのいす  ベラ・ウィリアムズ  あかね書房

ロ−ザはおかあさんとおばあちゃんの3人で 暮らす女の子。
貧しいけど、暖かい家族。 3人で小銭を貯めて、おかあさんのための イスを買った。心が暖かくなる、やさしい絵本です。

 ほんとにほんとにほしいもの   ベラ・ウィリアムズ   あかね書房 

「かあさんのいす」の続編。
みんなで貯めた大切なお金で ロ−ザの誕生日のプレゼント を買うことになった。
「本当にほしいもの」ってなんだろう? 迷いに迷って買ったものは・・・・ なんでも手に入る、って言うことが必ずしも 幸せなことではないんじゃないかな。
よく考えて、やっと手にした喜び、 ってきっとすごく ステキな気持ちだっただろうな。 と思います。

 さらに続編「うたいましょう おどりましょう」が在ります。

はらぺこあおむし エリック・カ−ル  偕成社

卵からかえってはらぺこのあおむし。イチゴを食べて、オレンジを食べて、リンゴにスモモ、チ−ズ、キャンデ−、チョコレ−トケ−キまで!
食べ過ぎてお腹が痛くなった青虫ですが、はっぱを食べてりっぱなさなぎになりました。
そして・・・・・とても美しい蝶に生まれ変わります。

 まぼろしの白馬  エリザベス・グ−ジ  岩波少年文庫

孤児になったマリアは遠いいとこの ベンジャミン・メリウェザ−卿の住む、 シルバリ−デュ−村に、家庭教師のヘリオトロ−プ先生と ともにやってきます。その村にはメリウェザ−一族にまつわる伝説がありました。
伝説を解き明かし、みんなの幸せのために、 マリアは行動を起こします。  ファンタジ−とリアリズムがうまく合体していて、 イギリスあたりの古い村だったら、 こんな伝説が本当にあるかもしれない、と思えるお話です。
20年以上前に出会っていたかった本です。

 バレエダンサ− (上)(下)  ル−マ・ゴッデン  偕成社


  穴-HOLES-  ルイス・サッカ−  講談社

 空から降ってきたスニ−カ−を拾って持って帰っために、グリ−ン・レイク・キャ ンプ(厚生施設)に送られることになってしまったスタンリ−。だってこんな臭いスニ−カ−が有名なプロ野球選手のもので、5千ドル以上の値打ちがあるものだなんて 知らなかったのだもの。盗もうとおもったわけじゃない。

 送られたグリ−ン・レイク・キャンプときたら<レイク>とは名ばかりのからから に乾いてひび割れた砂漠!そこでは直径1.5メ−トル深さ1.5メ−トルの穴を掘 るのが日課だった。人格形成のための根性をやしなうため、と所長はいうけど、実は別の目的があったんだ。  

 スタンリ−の不運は、ひいひいおじいさんがジプシ−のばあさんから豚を盗んだために呪いをかけられたことにさかのぼる。だからスタンリ−の一族は代々ツイてない。でも、だれも希望だけは失わない。
これがいいところなんだよね。

 穴を掘りつづけてつらい毎日のスタンリ−。ゼロという友達とある事件を起こして、 キャンプから脱出することになる。逃げたってそこは砂漠。二人は生き延びるために極限の状況になる。でもスタンリ-は「今の自分が好きだ、ゼロと出会えたのも運命だ」って思うの。ジ−ンとしました。
 
 グリ−ン・レイク・キャンプでのスタンリ−の話と、ひいひいじいさん、ひいじいさんの時代の話が交互の語られます。それが複雑に絡まって思わぬ結末へとなだれ込 む。穴を掘る本当の目的とは? なぜ、ひいひいじいさんは呪いをかけられたのか!など、読みどころがたくさん!

 日本では、あまりおめにかかれないタイプのお話だと思う。「厚生施設」の所長がこんなヤツだなんて、あっていいの?って感じだし。


 3びきのこぶたのほんとうのはなし  ジョン・シェスカ&レイン・スミス  岩波書店

3びきのこぶたのお話を、オオカミの立場 から見てみると・・・・
おばあちゃんのバ−スディケ−キに使う 砂糖を借りようとしただけなのに!
物事はいろいろな方向から見ましょう、 ということですね。「3びきのこぶた」と合わせて読むと もっと楽しいですよ。

 くさいくさいチ−ズぼうやとたくさんのおとぼけ話  ジョン・シェスカ&レイン・スミス  ほるぷ出版

こまでやっていいの?と心配になるほど、 遊んでいる絵本です。 「かえると王女」や「うさぎとかめ」など 昔話のパロディです。
元のお話をしっている方が楽しめますが、 もちろん、知らなくてもOK!

 算数の呪い  ジョン。シェスカ&レイン・スミス   小峰書店

「たいていのことは算数の問題として 考えられる」と先生に言われて・・・・・ 何をしても、何を見ても算数に見えてくる! 算数が好きな人も、嫌いな人も、算数に 呪われて(?)ください。

 イカはいかようにしてもイカだ  ジョン・シェスカ&レイン・スミス  ほるぷ出版

「イソップが生きていたら語ったにちがいない いやらしいたとえ話。 (みずみずしい教訓つき)」 この帯のコピ−を見ただけで おもしろいこと間違いなし、と思いました。
青山南の訳も絶妙です。 でも、絵本に『教訓』『感動』『教育的』を 求める人は拒絶反応をおこすかも。 読み手をえらぶ絵本です。     

  ニコラス・グリ−ブのゆうれい  トニ−・ジェストン  BL出版

ニコラス・グリ−ブの骨が1本、 お墓から犬に掘り出され、旅に出た。 ニコラスは幽霊になって農場にすみつき、 「骨が帰ってくるまでは、永遠の眠りにはつけない」という。 はたして、骨は帰ってくるのでしょうか?

  スク−ルバスのこねこ  シャ−マット  偕成社 

同じスク−ルバスに乗り合わせる 仲間たちが繰り広げる、学校のおはなし。 いかにもアメリカらしい、「正義は必ず勝つ」 的結末が子どもには安心できるのかも しれません。
  
 下級生にいじわるあするブライアンに対し先生が考えたおしおきがみごと!「いじわるブライアン」と「きえたねこをさがせ」が続編にあります。

 

  いやだいやだのスピンキ− ウィリアム・スタイグ  セ−ラ−出版 

なぜかすねてしまったスピンキ−。 家にはいろうとしません。 家族はなんとか機嫌をとろうと、あの手この手 を使いますが、うまくいきません。
仲直りのきっかけが見事です。 でも、最後の1行がスタイグらしい、 やられた!っていう感じです。

  おとなってじぶんでばっかりハンドルをにぎってる  ウィリアム・スタイグ セ−ラ−出版

子どもから見た大人って・・・ケチだったり、歯がとりはずしできたり・・・・
1ペ−ジ.1ペ−ジ頷けますが、大人はちょっと腹がたつかも。 子どもには、大受け間違いなし、です。

  シロクマたちのダンス  ウルフ・スタルク  偕成社

ラッセは勉強は苦手で授業態度も悪く、 先生に疎まれるいたずらものの少年でした。 でも、おとうさんはラッセを愛し、 家族3人で幸せに暮らしていました。 ところが、クリスマス・イブの夜、 おかあさんがよその男の子どもを 妊娠していることが、わかってしまい。 ラッセの家族は一瞬にして崩壊してしまいます。
「ボクは、ぼく以外のだれにもなれないということなのです。
そして自分がだれなのかは自分で見つけなければいけないのです」
人物のひとりひとりが個性的で、 生き生きと描かれています。 一見、暗いお話のようですが、 ユ−モアたっぷりで、楽しい本です。

  おじいちゃんの口笛  ウルフ・スタルク  ほるぷ出版 

友達のおじいちゃんの自慢話を聞いたベッラは 自分もおじいちゃんが欲しくなります。 そして老人ホ−ムへおじいちゃんに なってくれる人を探しにいきます。そこで知り合った人物のひとりひとりが生き生きしていて、いいお話です。

  ちいさくなったパパ  ウルフ・スタルク  ほるぷ出版

子供と遊びたくて流れ星に「子供のときのようにしてください」 と願いをかけたパパ・・・ これは、お父さんのための絵本だと思います。
男の子を書かせたらスタルクの右にでる者は いないのでは?と常々思っています

  雨・あめ・・  ピ−タ−・スピア- 評論社

の絵本には字がありません。 でも、絵が多くを語ってくれます。 これを見たら雨の日が待ち遠しくなるに違いありません。

  せかいいちおおきなおんなのこの物語  ゼリンスキ−  冨山房

世界一おおきな女の子が大きな熊を退治します。 とっても元気が出るお話。 木の香りがしてきそうな絵が素敵。

  マチルダはちいさな大天才  ロアルド・ダ−ル  評論者

子どもに無関心な親。 子どもが大嫌いな校長。こんな人っているいる。 マチルダはある日、自分に超能力があることを知ります。 そして、イヤな校長先生と闘います。 最後には、ヤッタ−!です。

  魔女がいっぱい  ロアルド・ダ−ル  

おばあちゃんの家に、行く途中 交通事故が起こった。おとうさん、おかあさんは死んでしまった。 僕だけは助かった。 そしておばあちゃんの家に住むことに。 そこで、僕は恐ろしい体験をした。

 うちへ帰れなくなたパパ   ラグンドヒルド・ニルスツン  

12月の第1週の月曜日 家族は新しい家に引っ越すことになっていた。 パパは古い家から出勤し、新しい家に帰る、 ということになる。 ところが、新しい家に帰ろうとバスに乗ったが、 帰るはずの家がわからない!!!! ママは電話で「わたしたち、あなたがいなくても りっぱにやっていけます! さようなら」なんていうし・・・ 火曜日も水曜日もやっぱり家がわからない。 さて、パパは家に帰れるのかな?
 こんなパパ、きっとたくさんいるんでしょうね。 うちにもいたりして・・・・・(笑)
この本を読んで身につまされるパパは たくさんいるとおもいます。

 いつもちこくおとこのこ -ジョン・パトリック・ノ−マン・マクヘネシ− 
                                     ジョン・バ−ニンガム ほるぷ出版

マクヘネシ−はいつも遅刻してしまいます。 ちゃんと理由があるのに、先生は信じて くれません。
でも、最後には、ザマアミロです。
小学校中学年以上の子に絶対オススメです。

 地球というすてきな星  バ−ニンガム   ほるふ出版

神さまは今の地球を見てあまりのひどさに驚きます。「きれいな楽園だったはずなのに」。
バ−ニンガムのすばらしいところは、「なにもしない、無関心なひと」にも罪がある、というところ。本当にそのとおりだと思います。 この本は大人こそが読むべき本だと思います。
手遅れにならないうちに・・・

  みどりの船  クゥンティン・ブレイク  あかね書房

 ロアルド・ダ−ルの本の挿絵などを書いているブレイクの素敵な絵本です。
ある夏、ぼくとアリスは入り込んだお屋敷の庭「みどりの船」を見つけます。。それは木をマストやえんとつにして作ったものでした。持ち主のトリディ−ガさんと庭師とも仲よくなって、冒険の毎日を送ります。
子どもたちはこんな冒険にあこがれ、 大人はなんだかなつかしい・・・ そんな、しみじみしたお話です。

 黄金の羅針盤  フィリップ・ブルマン  新潮社

  ライラの冒険シリ−ズの1  全部で3作から成るシリ−ズ。

 ライラの世界では、人間ひとりひとりに【ダイモン】という守護精霊がついている。
【ダイモン】は動物や鳥の姿をしていて、子供の頃は様々に姿を変えられるが、  大人になるとひとつの姿に固定する。 人間からは1定の距離以上離れられず、人間が死ぬと【ダイモン】も死んでしまう。
この【ダイモン】の性質が物語の重要なキ−ポイントとなっている。

子供たちが何者かにさらわれる事件があちこちで起こる。
ライラの友だちロジャ−もいなくなってしまった。 ロジャ−を助けるため、ライラはジプシャンたちと協力して北の国に旅にでた。
そして北の国での冒険の数々・・・・
  
空を飛ぶ魔女、鎧をきた熊、羅針盤に似たかたちの真理計。オ−ロラの輝く空からふりそそぐダスト・・・
心惹かれる小道具がライラの冒険に彩りをそえ、最後まで目が離せない展開。

 ジャムつきパンとフランシス   ラッセル・ホ−バン   好学社

卵がきらいなフランシスはジャムつきパンばかり食べています。 なんとか他のものも食べさせたいと考えた、お母さんは・・・
フランシスはいい子ではありません。なんでもすぐに歌にしてしまうところなんて、かわいいような憎らしいような・・・・
でも、そこが子どもらしくていいんです。 お母さんも素敵です。

他に 「おやすみなさいフランシス」(福音館書店)「フランシスのいえで」「フランシスとおともだち」(好学社)があります。
どれも両親の対応がうまくて、お父さん、お母さんにも読んでもらいたい絵本です。

 潮風のおくりもの  パトリシア・マクラクラン  偕成社 

生まれたばかりの弟をなくしたラ−キンと家族のもとに、赤ちゃんがおき去りにされます。「必ず迎えにくるので、それまで育ててほしい」という母親のメッセ−ジと一緒に・・・。赤ちゃんを愛してしまうと別れるときにつらい。でも、 家族は「愛された記憶をもっていけるように」と赤ちゃんに 愛情を注ぎます。
あまりにも大好きで、ひとに薦めて「気に入らなかった」といわれるのが怖いです。
だから、あまり大きな声ではいえませんが、本当に暖かく、やさしい気持ちになれる本です。

 イングリッシュ・ロ−ズの庭で  ミッシェル・マゴリアン  徳間書店

戦禍のロンドンから海辺のコテージ「千鳥荘」に疎開してきた姉妹ローズとダイアナ。ふたりが借りた家はかつて「狂女ヒルダ」と呼ばれる女性が暮らしていた家でした。
ある日ロ−ズは偶然「ヒルダ」の日記を見つけます。そこには、ヒルダの悲しい物語が書かれていました。

 おやすみなさいトムさん  ミッシェル・マゴリアン  評論者

第二次世界大戦中、学童疎開が行われていました。つらい過去の出来事から、人間に心を閉ざし、犬のサミーだけを友に暮らすトムさんの所にも、ロンドンから9歳の男の子ウイリアム・ウイルがやってきます。ウィルはなにをするにも、おどおどびくびくして、他の子供とは違っていました。
神を狂信する母親から、身も心もずたずたに傷つけられておたのです。おびえきっていたウイルとトムさんの間に、いつしか深い情愛が通いあいます。しかし・・・・

 後半は恐ろしい展開です。ひどい母親です。 でも、トムさんのおかげでウィルはすくわれます。

 くんちゃんのはじめてのがっこ  ドロシ−・マリノ   ペンギン社

くんちゃんのシリ−ズは一見地味です。ペン画の黒にもう一色。 それがとても効果的で美しいのです。 お話はくんちゃんの日常が 中心でゆったりと暖かさ、 やさしさに あふれています。 お母さんにも是非読んでもらいたい シリ−ズです。

「くんちゃんのはたけしごと」「くんちゃんはおおいそがし」「くんちゃんと冬のパ−ティ−」など、シリ−ズが7冊あります。

 バックルさんとめいけんグロリア   ペギ−・ラスマン  徳間書店

バックルさんはおまわりさん。
犬のグロリアと一緒に安全教室をやっています。 バックルさんとグロリアの安全教室は大人気。それには、秘密があるのですが、バックルさんは 気がついていません。 バックルさんが考える安全メモをひとつひとつ読むのも楽しい。
絵のすみずみまで楽しめる おもしろい絵本です。

 まねっこルビ−  ペギ−・ラスマン  徳間書店

転校生ルビ−はアンジェラのまねばかり・・・・・ アンジェラはだんだん腹がたってきます。
自分らしいっていいことだよね!

 キュ−ピットとプシケ−  エロ−ル・ル・カイン  ほるぷ出版

ギリシャ神話にル・カインが絵を描いた本。 モノト−ンの絵が美しくため息ものです。
「絵本と童話のユング心理学」(山中康裕 著)の中でこの本について心理学的解説が詳しく書かれています。 あわせてどうぞ。

 ハリ−・ポッタ−と賢者の石  J・K・ロ−リング  静山社

 軽くて、読みやすく、こどもには受けるだろうな、と思う。
小道具に凝っていて、(高性能のほうきの名前がニンバス2000なんてオ−トバイみたい)食べてみたいお菓子とか・・・
ケンカなどはあるけど、陰湿なイジメなどはでてこないし、「同じ寮の仲間で助け合っていこう」っていう仲間意識とかは読んでいて気持がいいし。
小学校から中学生くらい向きかな。うちみたいに親子で読んで話題にするのもいいかも。