シルビィ・ギエム オン ステ−ジ  「眠れる森の美女」    1999年11月9日  東京文化会館
音楽 チャイコフスキ−
振付 マリウス・プティパ
「おもな配役」
オ−ロラ姫 シルビィ・ギエム
デジ−レ王子 ニコラ・ル・リッシュ
リラの精 吉岡美佳
カラボス 井脇幸江

シルビィの「眠りの森の美女」を観るのは2回目。
今回は東京バレエ団との共演。残念なことに、予定されていたパ−トナ−のジョナサン・コ−プが病気のため、ニコラ・ル・リッシュが王子役となる。ジョナサン・コ−プとシルビィの組み合わせが一番好きなだけに、本当に残念。

 はっきり言って今回はなんだか物足りなさが残る公演だった。シルビィ自身は本当にすばらしい。特にロ−ズ・アダ−ジョなどはアチチュ−ドの姿勢のまま床に張り付いているのかと思うほど、グラリともしないし、すばらしい安定感だ。
いろいろな人で何度か「眠り〜」は観ているけど、ここまでの人はいなかった。表現力のすばらしく、まさに王女そのものの初々しさと気品。
4月に「マノン」で妖艶で官能的なバレエを踊った同じ人とは思えないほど。ただ、立っているだけでも、光輝いているようだった。

 そんなにシルビィはすばらしかったのに、なんでもの足りなかったのだろうか。どうも演出と群舞だったような気がする。ロイヤルなど、外国のバレエ団に比べて群舞の人数が少ないような気がする。「王女の誕生」にしても「結婚式」にしてもお祝いにしては駆けつけた人が少なくて、舞台上が寂しくなっていた。”枯れ木も山の賑わい”というわけでもないが・・・・・
また、王子がリラの精と出会い、オ−ロラ姫のことを知り、いばらをかきわけて城を目指すところでも、「オ−ロラ姫の幻とのダンス」を抜いてしまってあるので「オ−ロラ姫を救いたい」という思いも伝わってこないし、カラボスとの戦いもあまりにあっけなかった。簡単に負けるな>カラボス

 やっぱり全幕ものは主役ひとりではなく、全体によくないと盛り上がらない、ということか。

 でも、やっぱり、シルビィを生で見れてうれしい。それに、全幕ものは音楽も生音なので、そこも得した気分。
「眠りの森の美女」は「英国ロイヤルバレエ」の舞台が一番好きだ。