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こちらは旧サイトです。

創業八十年周年を振り返って一言

文・清水 きよ子 初代清水直次郎長女・二代目一三の妻・三代目三千代の母

大正十二年十二月、初代清水直次郎・シズエ夫妻により深川にて創業。
以来、平成十五年十二月で丁度今年で、八十年になります。
人間で申しますれば傘寿の大台です。

思いかえりますれば・・・
大正十二年は大震災・・・
昭和は戦前・戦中・戦後・・・と
本当に激動の時代を、父直次郎と母シズエは生きる為に一生懸命働き、
食べる物も今の様に飽食の時と違ひ、天丼くいたい。そばくいたい。
お金が無いから家で野草のてんぷらを揚げて一家で「おいしいね」と言って食したものです。

戦後、軍事費に税金を取られなくなる様になって初めて、あの苦しい生活から・・・脱却できたのかも・・・と思います。

今は、飽食の時代。
孫達のお誕生日のお祝いに、「何を食べる?」と聞くと、
「此の間ステーキもお鮨も食べたので、今日は焼肉がいい」との事・・・幸が身に付きすぎて。。。
此の子達の未来はどうなるのか心配しましたが・・・老婆心なのです。

若い人の中には、箸にも棒にもかからない「親やおばあさんを殺す」悪い子も時には居りますが、
松井選手の様に人間的にも野球選手としても、世界に通用する立派な日本の若者も数々いる事には安堵して居ります。
それも日本人の根柢には儒教の教えが有ったからかも・・・其の上、天皇を中心に同一民族で有ったからかも。

日本の戦後も・・・今のイラクのように昏迷がいつ終わるのか・・・解らない様な混乱は無いに等しい位・・・
日本国はもすぐに立派に立直った様に思います、此れも昭和天皇がご立派なお方で有ったからかも。
外国の王や君子は自分と自分の家族だけ会話をして、命乞いをして国外に逃げてしまい国民を捨てた君子が多い中、
「戦争は私の責任だ。私を罰して国民を助けてください」とマッカーサーに申し出たとか・・・
それを耳にしたマッカーサーは天皇のお人柄に感銘し、天皇の大ファンになり、
日本はすばらしい君子を持った国だ。二千七百年近くも續いた立派な国!此の国を大切に思わなくては・・・と思ったそうです。

創業八十周年には程遠い余談でしたがお許しください。

昭和二十年より進駐軍の家族が日本にも上陸し多量の洋食器が必要になり、ガラス製品を保谷ガラスに注文が来・・・
それより五十数年保谷ガラスさん一筋・・・

保谷ガラスさんとの仕事を始めたばかりの時は、お互い紆余曲折を繰り返し、
お互いにガラスに対し、血のでる様な努力に努力を重ね、
今や保谷ガラスさんは日本一・・世界でも三本指に入る程、
ガラス業界では立派な会社になりした。従って、当社清水もガラスの加工においては、それなりに立派な仕事が出来るようになりました。
保谷ガラスさんのお陰と思って居ります。

其の上、当社二代目清水一三は、量より質を思んじる様も職人たちに折りあることに訓示していたのが、職人の身に付き買う人の身になって時間を掛けて作ったのが、今の買う人を喜ばせている次第です。
有難い事と思って居ります。

テレビの武蔵の中の一言、「人間は1人では生きてゆけない」まったくその通りと思いました。
今の当社三代目三千代は寡婦なれど、わずかな忠実なる職人に助けられ、また力を合わせて、
此の不況の中仕事に子育てにがんばって居りますので、此れからも三千代の事、よろしくお願い申し上げます。

創業八十周年を振り返って一言。ありがとうございました。

 

清水きよ子
平成一五年十二月一日