RPGコラム

 

1,魔法の名前

剣技や体術の場合、「乱れ斬り」だとか「爆烈拳」だとか、
それっぽい名前を付けておけばどうにかなる。
しかし、問題は魔法である。チャンバラやケンカではなく、未知の力だ。
ネーミングにも気を遣う。いろいろなゲームを見ると、
魔法のネーミングは次のタイプに分類される。

 1,英語名そのまま

ファイヤーボールやキュアポイズンなど。
最近よく見受けられる(というか、昔のゲームは文字数の都合上使えなかったこともあるだろうが)。
中学生レベルの英単語の知識があれば、かなりわかりやすい。
しかし、「魔法」と呼ぶのはどうだろうか?
もはや、英語さえ使えばかっこいいという時代ではない。

 2,英語名をアレンジ

FFシリーズが有名。4文字なり5文字なりに英単語(または連語)を縮め、
強化版には独特の接頭語、接尾語をつける。
ファイラ(ファイア+上位魔法を表す接尾語「ラ」)や、ケアル(ケア+ヒール?)など。
わかりやすさと魔法らしさを兼ね備えた例と言える。

 3,独自の魔法言語を作成

ドラクエや(初期の)ウィザードリィに見受けられる。
前者はメラ(燃える様子を表す擬態語から)、メダパニ(混乱呪文。めだまがパニック?)、
トラマナ(ダメージ床回避。トラップ踏まない?)など、
日本語(日本語化している外来語含む)をもじったものから、
レミーラ(明かり)やホイミ(回復)のように、それっぽい語感を作るものがある。
(レミーラは、ウィザードリィの明かりの呪文「ロミルワ」をもじったものかも知れないが、定かではない。
冷気呪文のヒャダルコも、wizのマダルトをもじったものかも知れない。
モンゴルの音楽にホイミというのがあるが、制作者が知っていたかどうかは不明)。
これも、わかりやすさと魔法っぽさを兼ね備えているものと言える。
多少覚えにくい部分も、「魔法を覚える」という行為をロールプレイしているような気がする。

一方、ウィザードリィの場合、言葉をもじるというより、
意味を持った文字(トゥルーワードといわれる)を組み合わせることによって成り立つ。
たとえば炎系呪文にハリト、マハリト、リトカンなどがあるが、
これは「リト」という言葉が炎を表している。
普通に使う言葉とは違うので、わかりにくいことは確かだが、
プレイヤーがこれを覚えたときは、まさに魔法使いの気分かも知れない。

…と、こんな感じが主流派だと思われる。
個人的に好きなのは3のタイプだが、
プレイヤーに「やってもらう」ということを考えると、覚えにくさはいただけない。
かといって、英語名はあまり使いたくないし…

そこで提案。いっそのこと完全に日本語にしてみる。
このとき、すべて漢字二文字でまとめるとすっきりするかも知れない。
「火球」とか「解毒」とかね。
これでは全然「魔法」という感じがしない、という声もあるだろう。
しかし、ここはテキストに注目してみよう。
魔法を使ったとき、「カケルは火球の呪文を唱えた!」と表示する。

これは「カキュウ」という言葉を発したのではない。
「火球」を放つための「呪文」を唱えたのだ。
どのような呪文を唱えたのかはプレイヤーの想像力次第。
ドラクエ好きならメラでいいだろう。wizが好きならハリトだ。
独特の魔法言語の詠唱を想像してもいいし、
お経のような物を連想してもいい。

「ファイヤーボール」ではなく「火球」という、
よりわかりやすく具体的な言葉にすることにより、
呪文名を単純に「記号化」したとも言える。
(いっそのこと、文字ではなく絵文字のアイコンにするのも手だが、
それだとテキストにならないので)
この記号から何を連想するのかは、プレイヤーにゆだねる。
まさに、プレイヤーの数だけ呪文があるのだ。

というわけで、自作RPGの呪文名はシンプルな漢字熟語で決定!

 

2.補助攻撃

僕は補助攻撃が好きだ。補助攻撃が活かせるゲームが好きだ。
能力ダウンが好きだ。状態異常が好きだ。
一部のものしか役に立たなかったり、
終盤の敵にはほとんど効かなかったりするのは嫌いだ。
かといって、補助魔法を駆使しないと生き残れないような戦闘バランスも嫌だ。

補助攻撃のベストなポジションとしては、
「使わなくてもいいけど、使いこなせばさくさく進む」だろう。
補助攻撃が好きなら、それを駆使してさっさと進めばいい。
戦略立てて進むのが嫌いな人は、地道にレベルを上げて力押しでOK。
プレイヤーなりに、いろいろな遊び方ができるというのが一番だろう。

 

3.選択肢と自由度

なにも、シナリオ上の分岐だけが自由度というわけではない。
しかもこの手のシナリオは、自由を謳っていながら、
最終的な到達点はほとんど同じだったりする。

前述した補助攻撃のこともそうだ。
本当の自由度とは、いろいろな遊び方ができるということだと思う。
シナリオなんか一本道でもいいのだ。

たとえば、ゲームの割と早いうちに、主人公専用の比較的強力な、
世界に一つしかない武器が手に入るとする。
プレイヤーの誰もが、手に入れたらすぐに身につけることだろう。

しかしここで少しひねってみる。その武器が、高額で売却できるとしたらどうだろう?
お金に困るゲーム前半のことだ。それを売ったお金で、
仲間の装備を調えるという選択肢も生まれるのではないか?
低レベル、短時間でクリアしたいプレイヤーにはうってつけだろう。
この場合、主人公は、武器攻撃ではない、魔法中心で戦うことになる。

もちろん、アイテムコレクションをしたいなら、大事に使っていればいい。
こういった選択こそが、真の「自由度」だと思うが、どうだろうか。

 

4.「魔法の力」とは?

自分の中での魔法というのは、限られた人のみ使える秘技でも、
神や精霊、悪魔の力を借りて使うものではない。
あくまで「人間の潜在能力」のようなイメージだ。
ポケモンのナツメのセリフに
「超能力は限られた人の力じゃない、ただそれに気付かないだけ」
みたいなのがあったが、まさにこのイメージである。

「文明生活に慣れきった現代人のほとんどはその力を忘れていて、
ごく希にその力を残した者がいれば「超能力者」と呼ばれる。
だが、人間は誰でも精神の奥底には魔法の力が眠っているので、
魔力の宿った物を身につけることにより、その力を引き出すことができる」といった感じ。

なんかオカルトっぽいけど、現代物RPGで魔法を出すとなるとこんなところが妥当かと。
それに、限られた人のみの力とか、神頼みとかは好きじゃない。
「神に選ばれし者」みたいな設定にはもう飽きた。