ポケモンの耐久度について

 

1,耐久度とは?

ルビーサファイア版以降、全ての能力に努力値を完全に入れられなくなった。
攻撃、特攻、素早さは独立したステータスと言えるのでともかく、
HPと防御、特防は、配分の次第で打たれ強さに差がついてくる。
その総合的な打たれ強さのことを「耐久度」と呼ぶことにする。
では、具体的にどのような配分がもっとも適しているのか?

 

2,計算式からの考察

このゲームの能力計算式は以下のようになっている。

努力レベルとは努力値を4で割ったものである。こちらのほうが計算をする上で扱いやすい。
種族値、個体値、種族値は能力に関する隠しパラメータに、非公式にマニアが付けた名称。
非公式とは言ってもネット上では基本用語扱いなので、知らないという方は攻略サイトで調べていただきたい。

HP:(種族値×2 + 個体値 + 努力レベル)×レベル÷100 + レベル + 10

それ以外:(種族値×2 + 個体値 + 努力レベル)×レベル÷100 + 5

ここでのポイントは、努力レベルと個体値は足し算で入っているということ。
ちなみに性格補正は掛け算で入る。これも重要事項だが後述。
次いで、ダメージ計算式を見てみよう。

攻撃×技威力×(Lv×2÷5 + 2)÷防御÷50 + 2

タイプ相性による補正やランダム要素がかかるものの、基本的にはこの式になる。
タイプによっては攻撃は特攻、防御は特防に入れ替わることは言うまでもない。
なんだか面倒な式だが、ここで覚えておくべき事は
攻撃、技威力、防御が関わる計算は、すべて掛け算と割り算になっていると言うことだ。
これがどういうことかと言えば、例えば攻撃が2倍になった場合、ダメージも単純に2倍になる。
(最後の定数「+2」があるため完全に2倍ではないが…)
同様に、防御が2倍になればダメージは半分になる。
防御が2倍になるのも、HPが2倍になるのも、単純な打たれ強さの点では同じ意味である。

能力計算式とダメージ計算式を比較すれば、より打たれ強くするにはどうすればよいのかが見えてくる。
例えばHPを50増やすのも、防御を50増やすのも、努力値の量としては同じではあるが、
それによってどれくらい打たれ強くなるのかは、HP、防御の元の値によって変わってしまう。
100だった能力が150になったら、ダメージは元の100/150=2/3になるが、
200だった能力が250になっても、ダメージは元の200/250=4/5にしかできない。
つまり、元もと低かった方の能力を上げた方が得、と言うことである。
(HPが低い方が吸収に有利であり、高い方が固定ダメージに有利になるなど、
技効果による差は出るが、それはあくまでも限られたケースである)

少なかった方の能力をなるべく上げる方が良いと言うことは、
つまり「HP×防御(または特防)」の値を、なるべく大きくするような配分が望ましい、とも言い換えられる。
それはつまり、HPと防御(特防)の値を同じにする、あるいはなるべく近づけるようにすると言うことである。

一本のヒモで長方形を作ることを考えてみるとわかりやすいかも知れない。
4辺の合計の長さが同じなら、もっとも面積が大きくなるのは正方形である。

 

3,耐久度に関する誤解

掲示板やチャットを見たり、あるいは直接ポケモンの話をしていると、
耐久度について誤解している人が少なからずいることが分かる。
ここでは、僕が今まで見聞きした誤解を紹介し、それを解いてみよう。

プラスの性格補正がかかっているなら、なるべくたくさん努力値を入れた方が良い
→プラスの性格補正は1.1倍。元の値がどうあれ、ダメージには1割の差がでる、という点では同じである。
もっとも、補正は切り捨てなので、元の値をちょうど10の倍数にしないと端数が出てしまうが。

元もとの種族値が低いから、個体値は軽視しても構わない
→能力計算をおさらいすれば分かるが、種族値に関係なく、個体値による能力変化量は同じ。
変化量が同じと言うことは、元の値が小さいほど変化率は大きいと言うことであり、ダメージへの影響も大きい。
むしろ種族値が低いほど個体値は重視しなければならない。ハピナスの防御は、その顕著な例だ。

身代わりを使うなら、防御か特防を重視した方が壊されにくくなる
→身代わりのHPは、使ったポケモンの最大HPの1/4なので、
普通のダメージ量と同じ考え方でよい。根拠不明の誤解とも言える。

:ヨガパワー特性のチャーレムや、太いホネを持たせたガラガラは、
 他のポケモンに比べ個体値や努力値の影響が2倍である。

→これらの特性や道具によって二倍になっても、努力値(あるいは個体値)が低いときとの比は変わらない。
…もっとも、これらのポケモンは種族値が低めなので個体値や努力値の影響(変化率)が大きいことには間違いないが、
それは倍増効果とは無関係。もういちどダメージ計算から見てみよう。