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宗教を読む / 聖書の宗教

◆プロテスト
 プロテスト [protest]とは、 「(名)スル 抗議。異議。異議申し立て。 」(goo 辞書)
 
* プロテスタント [Protestant]とは
「〔プロテストする者の意〕プロテスタンティズムを奉ずる人。」(goo 辞書)
* プロテスタントとは
「プロテスタント(Protestant)は、宗教改革運動を始めとして、カトリック教会 (または西方教会)から分離し、特に福音主義を理念とするキリスト教諸派の総称である。 日本ではカトリック(旧教)に対し、「新教」(しんきょう)ともいう。」(Wikipedia)
 
* プロテスタンティズム [Protestantism]とは
「ルター・ツウィングリ・カルバンなどによる一六世紀の宗教改革の中心的思想。 また、そこから成立した諸教会の信条の基礎となっている教え。 ローマ-カトリック教会の教理と伝承に反対し、聖書を重視し、 信仰による義認・万人祭司説などを主張する。 近代国家成立の気運と相まって全ヨーロッパ・北米に浸透・定着して今日に至る。 ルター派・改革派・メソジスト派・バプテスト派・会衆派など多くの教派から成る、 カトリックに次ぐキリスト教の大教派。新教。 」(goo 辞書)
 
* プロテスタンティズムの倫理と資本主義の『精神』 (Die protestantische Ethik und der 'Geist' des Kapitalismus)とは
「ドイツの社会学者マックス・ヴェーバー(ウェーバーとも)によって1904年〜1905年に著された論文。 研究者や学生はしばしば略してプロ倫と呼ぶ。
 プロテスタントの世俗内禁欲が資本主義の「精神」に適合性を持っていたという、 逆説的な論理を提出し、近代資本主義の成立を論じた。
  論旨
 オランダ、イギリス、アメリカなどカルヴィニズムの影響が強い国では合理主義や 資本主義が発達したが、イタリア、スペインのようなカトリック国やルター主義の強いドイツでは 資本主義化が立ち遅れた。こうした現象は偶然ではなく、資本主義の「精神」とカルヴィニズムの間に 因果関係があるとヴェーバーは考えた。ここでいう資本主義の「精神」とは、 単なる拝金主義や利益の追求ではなく、合理的な経営・経済活動を支える精神あるいは 行動様式(エートス)である。
 ヴェーバーによると次のようになる。 カルヴァンの予定説では、救済される人間は予め決定されており、 人間の意志や努力、善行の有無などで変更することはできない。 禁欲的労働(世俗内禁欲)に励むことによって社会に貢献し、この世に神の栄光をあらわすことによって、 ようやく自分が救われているという確信を持つことができるようになる。 また、サクラメントなどの呪術は救済に一切関係がないので禁止され、合理的な精神を育てるようになった (魔術からの解放)。
 このような職務遂行の精神や合理主義は、近代的・合理的な資本主義の「精神」に適合していた (ヴェーバーは資本主義の「精神」を体現した人物としてベンジャミン・フランクリンを挙げている)。 禁欲的労働によって蓄えられた金は、禁欲であるから浪費されることもなく、 再び営利追求のために使われることになる。
 こうして(結果的に)プロテスタンティズムの信仰が資本主義の発展に作用したが、 近代化とともに信仰が薄れてゆくと、営利追求自体が自己目的化するようになった。 元々「内からの動機」であった営利追求が、「外圧的動機」に変貌していった。」(Wikipedia)
 
 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の『精神』」では、予定説は見直された。 そして、「労働懲罰説」から「勤勉を美徳とする考え」へと変ってきた。
 その結果、『キリスト教とイスラム教』によると、
「勤勉を美徳としながら、プロテスタント諸国が工業化に成功し、 工業化社会においてますます勤勉が美徳とされた。」
 〔労働観の項参照〕
 
 ここで指摘したいのは、
 @「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の『精神』」も、「予定説」と同じく、 おかぐら的要素が強く感じられる。
 〔予定説の項参照〕
 A何故なら、プロテストしようとすることは結構なことであると思われるが、 その基となる思想哲学は、あくまでも『聖書』 − 労働懲罰説 − に立脚してのことであろう。
 B更に指摘したいのは、プロテストは、『聖書』のことを棚上げした (聖書を絶対是とすること・脆弱性を不問)まま、言葉だけが独り歩きしていることである。 つまりプロテスト(抗議。異議。異議申し立て。)の思想は、 あらゆる人間社会〜組織へ蔓延ってきている。 例えば、共産主義とか、ジェンダー・フリーとか、家庭(夫婦や親子の同居)の崩壊などなど…… 換言すれば、プロテストすることに意義がありプロテストすることで快感を覚える − (@_@) − 。
 〔ジェンダー・フリーと補うことのページ参照〕
 
 限り無く湧き出すプロテストの波……。
 組織の頂点近くに停滞する支配層の群れ − 例えば代議員たる政治家・理事役員……、 「世界宗教は神道へ収斂」の暁には、或いは機が熟したときには、 最早支配層の群れは、有名無実と云うか、必要性は希薄になってくるのではないだろうか。
 何故なら、アンケート調査や世論の動向を掴むことで、 支配層の企画実行予定策は無用になるからである。 即ち(執行)体制が無くなれば、プロテストの役目はもう終る……。
 
 この世の危機感についての模索が、プロテストの標的になろうとするのか。 私共の現実〜未来の世界に、果して危機が訪れるのか。
 しかし、プロテストの元々の役目は、いわゆる神の国を指向することであった筈である。 もはや、プロテストは、死語となり、別の……、 もっと世界人らしい、そして世界人に相応しい考え方が生まれてくるのではないだろうか。

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