GLN 宗教を読む

法華経

◆3.比喩品
お釈迦さまはお弟子の舎利弗が、お釈迦さまがどのような知恵と慈悲で私たちを救済されようとしているのかを、理解したと認められやがて華光如来という仏になるであろうと、成仏の証明をされます。これを授記といいます。さらに他の者に対して比喩のかたちでよりわかりやすく述べられます。昔、大変大きな長者の家がありました。その家の中では動物や化け物がお互いに殺し合い、糞やウジ虫などがわき、それはすさまじい様子でした。そんな中で大勢の長者の子供たちが周囲のことを気にも止めずに遊んでいました。ある日のことです、その家で火事がおこりました。火はみるまに広がり、家を焼き尽くすかのように燃え上がりました。長者はいちはやく外に逃れましたが、子供たちは遊びに夢中で火事のことすら気が付きません。このままでは子供たちは焼け死んでしまいます。父親である長者は大声で早く外に出るように叫びますが、父親の声さえ聞こえません。そこで長者は考えました。「おい、子供たち、以前からほしがっていた羊車、鹿車、牛車が外にあるよ、はやくこちらに出ておいで。」と、呼びかけました。
 
* 授記・受記
 授記とは、仏が修行者に対して将来必ず仏となることを予言し保証を与えることを云う。 仏の側からは「授記」であり、修行者の側から云えば「受記」となる(Wikipedia)。

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