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鹿角市文化財保護協会「上津野」NO.31

五、角館町樺細工伝承館
 同じく角館武家屋敷群の一角にある角館町樺細工伝承館は昭和五十三
年九月、同町の伝統工芸品樺細工の振興と、広域観光の拠点施設という
二つの使命をもって開館した。
 館内は、樺細工を始めとして、工芸、文化、歴史資料の展示室や、樺
細工製作実演、また物産展示室、喫茶室などからなっている。
 
 因みに、ここでいう「樺」とは、ヤマザクラ類のことである。つまり、
ヤマザクラ類の樹皮を用いて作られる工芸品を樺細工というのである。
ヤマザクラ類の樹皮には特有の光沢がある。その光沢のある樹皮を、独
特の技法によって、渋くて奥深な色合いを持たせ作ってある。樺細工は
名実ともに伝統的工芸品として広く愛用され、代表的な製品として茶筒
・茶櫃等のお茶道具類、文箱、茶だんす、ブローチ、タイピンなどがあ
る。
 樺細工に用いられるヤマザクラ類とは、マヤザクラとカスミザクラで
ある。山桜の樹皮を何故「樺」と呼ぶかというと、どうやら元来、すべ
ての木の樹皮を意味する言葉であったとの説がある。もともと角館地方
をはじめ、秋田ではヤマザクラの樹皮を「さくらかば」と呼ぶので、今
日では「樺」といえば、ヤマザクラの樹皮を指すようになったとされて
いる。また、樺細工は、ヤマザクラの樹皮を用いていることを分かりや
すく示すために、「桜皮細工」と表記する場合もあるという。
 樺細工が盛んになるということは、この地方には、原料となるヤマザ
クラ類が十分に生育していたことを意味する。樺細工の製品がこれから
も継続して供給されてゆくためには、ヤマザクラ類の保護育成を要する
ことは論をまたない。

 ここ角館は、桜の名所として全国的に知られている。しかし、ところ
どころに生えている巨樹も見事である。ことにモミの木の太く、空をつ
くようなたたずまいは、武家屋敷の歴史的価値を一段と増してくれる。
また、通りに沿った用水路には清水が流れ、メダカも元気に泳いでいる。
 お土産品としは、何はともあれ食べ物に人気があったようである。
 自分ながら参加者の動向を観察していると、@生もろこし、Aゴマソ
フトクリーム、B漬物類であった。
 
 この研修視察において、樺細工伝承館を除いて他の施設を訪れるのは、
自分は初めてであった。しかして十分に得るものが多かったことは幸い
であった。
 この研修視察に関わられた本協会の担当役員や、協力していただいた
鹿角市役所の担当の方々に対して衷心よりお礼を申し上げたい。

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