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13 からめ節金山踊り

エ、旧からめ節九番「黄金まじりの霧」
 『日本民謡大観』に収録されている「山唄(その四草刈唄)」(秋田県旧
羽後国仙北郡大曲町)は、山仕事または酒宴のときに歌われる唄である。
  朝の出掛けに東を見れば、黄金まじりの霧が降る
 同じく「馬方節」(山形県旧羽前国南置賜郡窪田村)は、駄賃附の馬方
衆に歌われた唄である。
  ハイハイ 朝の出がけに ハア 東を見れば、
  黄金まじりの霧が立つ
 
オ、旧からめ節十二番「赤い鳥居」
 『日本民謡大観』に収録されている「山唄(その二かくま刈唄)」(山形
県旧羽前国山形市外)には、次のような歌詞がある。
  ハアー 山で赤いのは躑躅か椿、
  お稲荷様の ハアー 鳥居か、鳥居か
 
カ、旧からめ節十四番「どんど、どんど」「お台所」
 『日本民謡大観』に収録されている「田植唄(その二)」(宮城県旧陸前
国桃生郡大塩村)は、田植えのときに歌われる唄である。
  どんどどんどと ハアー 鳴るのは何処よ ト、
  あれは滝かけ水の音 ト、ハアヨイショット
  お台所と ハアー 川の瀬は ト、
  いつもどんどとなるがよい ト、ハアヨイショット
 同じく「ゑんぶり田植踊(お台所)」(山形県旧羽前国西村山郡左沢町)
には、次のような歌詞がある。「ゑんぶり」とは、田んぼの地均しをする
農具の名である。
  お台所と川の瀬は、いつもどんどと鳴るがよい(返して返して)なもさ、
  鳴るがよい
 
キ、旧からめ節十七番「大黒」「恵比須」
 『日本民謡大観』に収録されている「地形唄(松前音頭)」(宮城県旧磐
城国伊具郡枝野村)は、北海道松前に何らかの関係を持った土搗き木遣唄
である。
  旦那大黒 ヤーレサ(パ、ヤートコセ、ヨーイヤナ)、
  おかさま恵比須 ヨイトコナー
  (アヨイヨイ、アリャアリャリャンリャン ヨイトコ、ヨイトコナ)
  御座った皆さん ヤーレサ(パ、ヤートコセ、ヨーイヤナ)、
  福の神 ヨイトコナー
  (アヨイヨイ、アリャアリャリャンリャン ヨイトコ、ヨイトコナ)
 同じく「長持唄」(秋田県旧羽後国秋田市)は、婚礼に際して花嫁の調
度を運ぶときに歌う唄であるが、この歌詞は荷物が途中で嫁迎えの人と出
会ったときに歌われる歌詞である。
  仲人 ナー する人(ホウ、ヤレヤレ)、
  大黒恵比須、今度 ナー、 ゆく嫁ア ヨ、
  オヤー 福の神 ナーエー、ホウ(ヤレヤレ)
 
 同じく「山唄(ヤイデヤ)節」(秋田県旧陸中国鹿角郡毛馬内町)は、山
唄ともヤイデヤ節ともいわれ、宴席用の祝儀唄である。
  ヤイデヤーヤイデヤ 大黒は ヤイデヤー、
  八畳座敷に アヤイ 昼寝して、
  ヤイデヤー 桝と斗掻で ヤイ 金はかる
 同じく「木挽唄(その二)」(山形県旧羽前国北村山郡東根町)は、山
仕事での木を伐るときの唄である。
  ハアー 旦那大黒だよ内儀さんは恵比須 ヨー、
  ハー 挽屋若衆は ヨ、ヨイサー 福の神 ヨー
 同じく「いざや巻」(山形県旧羽後国飽海郡南平田村)は、元来祝唄で
あるが、お座敷唄化してきている。
  此処の座敷は目出度い座敷、
  上は大黒、上座は恵比寿、
  中で酌とる弁財天
 同じく「さいこら節」(福島県旧磐城国相馬郡原の町日吉神社)は、日
吉神社で十三年目毎に行われる遷宮式の「おつゞら馬」の供奉のときに歌
われる唄である。
  トコサイコラ、サイコラサ、トコサ、エヽコレワイコレワイサ、
  恵比寿大黒車にのせて トコサイコラ、サイコラサ、
  鶴と亀とに イヨ 引かせたい トコサイコラ、サイコラサ
 『日本民謡集』に収録されている「さんさ時雨」(宮城県仙台地方)は、
岩手・宮城・福島の三県にわたって行われる祝儀唄である。
  飲めや大黒歌えや恵比寿、中で酌とる宇迦の神
 
………
(完)
「からめ節金山踊り」

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