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孔雀の道 松館老人クラブ 桜田守宏 一、通りゃんせ 通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの 細通じゃ 天神さまの 細道じゃ ちっと通して 下しゃんせ 御用のないもの 通しゃせぬ この子の七つの お祝いに お札を納めに まいります 行きはよいよい 帰りはこわい こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ この歌は、天神様こと菅原神社へお参りするとき、又は子供たちの遊戯のときなどに歌われる童謡です。 松館の「天神さまの細道」
二、菅原道真公について 鹿角市内で、産土様として菅原神社をお祀りしいている集落の代表的な例として、松館地区があります。 菅原神社のご祭神は、菅原道真公です。道真公は、公明正大、真面目に天皇にお仕えしておりましたが、同僚などからかげ口をいわれ、そのため九州の大宰府へ左遷させられました。この人事異動は、道真公にとって、あまりにも心外なことであったため、赴任先の大宰府で病気になり、とうとう亡くなってしまいました。 このことを知った国民は、こぞってその死を悼み、同情しました。一方、かげ口をした同僚たちは、落雷など天変地異によって次々に死傷しました。そこで、これは道真公の祟りだとして、その恨みを鎮め、霊魂を慰めるために天満宮を造ってお祀りすることにしました。やがて無実で、正義の人道真公を慕う国民の願いにより、菅原神社(=天満宮・天神様)は全国各地に建立されて行きました。 ここ松館の菅原神社も、今から七百年前(一説には一千年前)に京都の北野天満宮からお分けしていただいて、祀っているものです。 道真公の誕生日は六月二十五日、大宰権帥を命ぜられたのが一月二十五日、 亡くなられたのは二月二十五日、ということで「二十五日」という日は、菅原神社にとって特別な日としております。松館の菅原神社でも、春の例大祭は四月二十五日、秋のお祭りは十月二十五日に執り行っております。天神講も毎月二十五日に拝礼しております。 天神講
三、松館の菅原神社のお祭り 春のお祭りでは、当家から神社まで渡御の行列を組み、松館天満宮舞楽保存会の方々により、「渡御の曲」を奏でながら参道を参進致します(退下のときも同じ)。渡御の曲は、秋田県指定無形民俗文化財「松館天満宮三台山獅子大権現舞」の中の一曲です。 この渡御の行列の通る参道は、集落のほぼ中ほどから、一番鳥居をくぐり、田園地帯を通り、やや山手へ入って二番鳥居、そして石段を上り巨木の生い茂る中を通って三番鳥居へと続いています。三番鳥居をくぐるとそこは神社の境内です。この間、一キロメートル弱です。 やがて本殿では例祭祭式、終って境内では、松館天満宮三台山獅子大権現舞が奉納されます。 山伏(修験者)の修行の姿、即ち白装束を着用して、@御幣舞、A地舞、B榊舞、C青柳舞、D扇舞、E剣舞、続いてF権現舞を舞い納めます。権現舞には、神歌が謡われます。次にG稲の作占いと、H湯浴みを行う「お湯立て神事」を納めます。祭場の外ではI獅子頭による獅子権現の霊力授与を行います。 なお、秋祭りのときは、権現舞のみ奉納しております。 「孔雀の道」を参進する氏子たち
四、参道改修(表参道) 昭和六十三年(一九八八)四月、天神宮参道改修工事・竣工記念碑を建立しました。総工費五百二十九万円、実行委員長下田初雄氏です。従前の石段はぐらついていたり、急であったりなど、特に年配の方々にとっては非常に難儀でしたので、氏子や崇敬者など大勢の方々から真心の協力をいただきまして、参道を改修したものです。石段はコンクリート造り、手すりをつけ、また参道沿いや社殿などには自家発電による照明が灯されました。関係者一同、感謝しているところです。即ち、竣工記念碑には、 趣 旨 産土神と氏子は参道によって結ばれております 石段をのぼりすゝむと参拝者の心が清浄になってま いります 参道・石段の改修につきましては永年の懸案であり ましたが、当松館部落の発起により工事に着手し、 この度竣功しました この施工にあたり氏子崇敬者の寄進及び担当役員、工 事請負者の協力を得、衷心より謝意を表します 爾後益々菅原神社々頭の繁栄並びに各位に対する恩頼 を祈願するものであります 菅原神社と参道改修竣工記念碑
五、孔雀の道 @春の例祭が近付くと、日曜日の朝仕事(午前五時から)として自治会員全員で社殿や境内・参道の清掃をします。 Aさて、神社の境内や参道(表参道・裏参道とも)には、キクザキイチリンソウ、タチツボスミレ、エンレイソウ、マイヅルソウ、チゴユリ、ホウチャクソウ、フタリシズカ、ミズ(ウワバミソウ)、タチギボウシ(ウルイ)、ツルニンジン、またキブシ、ガマズミ(ジョミ)、エゾアジサイ(ガクアジサイ)、ハナイカダ、サンショウ、ヤマグワ、コブシなどなど沢山の草木が生えております(ときには、参道を横断する形でニホンカモシカの獣道も見られます)。 その中でも、参道沿いには孔雀羊歯(クジャクシダ)が間断なく、気持ちよく生い茂っております。 という訳で、この参道を「孔雀の道」と呼んでみたいと思います。 木々深き参道に射す日の光 進み行く影我のみならず [守] 孔雀の道
B年末大晦日の午後は、参道を除雪します。子供会を中心に、自治会役員や神社関係者なども従事しています。 やがて除夜の鐘が終ると、きれいに除雪された参道を通って、氏子たちが賑やかに神社へお参りにやってきます。元旦未明、社殿では厳かに新年の歳旦祭が執り行われます。終 |