下タ沢会によせて(覚書)

梅、桃、スモモ

 先に下タ沢の桜の話しを書いたが、梅や桃、スモモのことは忘れてしまった。
 下タ沢の大ていの家に梅の木はあったと思う。上みの方で吉沢さん上みの畑にな っているところ、真佐博さんの家の向い、私の家の前、ハルヱさんの家の前にもあ ったと思う。トヨ子さんの家に上っていく所の梅は、何に梅といったか忘れたが、 すごく粒が大きかった。上の畑の方にもあったような気がする。そのほかにもあっ たと思うが、一寸思い出せない。
 
 桃の木はあまりなかったと思う。義夫の家と幸子の家の間に大きい木があって、 真赤な花が咲き、小さい桃がなった。これは花桃で、実はほとんどといっていい程 虫くされだった。
 幸子の家の後ろというか向って左はじの土手の上の方、お寺の坂の下側にピンク 色に咲くのがあった。木は小さかったが、その木がほしいと思っていたので、よく おぼえている。ほかにはなかったかもしれない。私の家の下の道路の川よりの脇に、 ジンベェモモという小さい木があった。白い花だったと思うが、実は熟すと上の方の 皮は黒っぽい紫で、下の方(割れ目のある方)は少しみどり色のままだったと思う が、あまりうまくなかった。ほかにもあったかもしれない。
 
 スモモはほとんどなかったような気がするが、小粒のスッパイのを食ったような 気がするので、どこかの家にあったかもしれない。墓所の下、芳一エの畠といった ところに大きい木があった。ハッタンキョウといったと思うが、どんな種類で、ど んな字を書くだろう。これはうまかった。真佐博さんの家の土蔵のあったあたりに は、いろんな木があったように思うが、思い出せない。
 
 尾去の別当さんが下タ沢にきたとき、赤い花のモモの種を拾っていって植えてい ると聞いていたので、私の今住んでいる所に移ってきて(26〜7年前)、2〜3年後に 苗木を1本下さいといったら、私の人差し指くらいになったのを10本程持ってきてく れた。その後枯れたり邪魔になると切られたりして、今は直径10CMくにいになった のが、5〜6本ある。びっしり植えられたままなので、枝を切られ切られしているが、 真赤な花だけは、よく咲く。3〜4年前実がいっぱいなってあったが、この頃さっぱ りならない。あのくわれない、まだ青いようなのをナンバン漬に入れたものだった。

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