下タ沢の音吉さんがブリキの時計をつくったとき、何時ときかれて、テンポの何
時頃とかいったというが、テンポは天保(1830〜1844)でもないだろうし、いずれ
いいかげんなウソッパチをついたのだろうと思ったが、「秋田のことば」をみてい
るうちに、「テンポ」がでてきた。 「テンポ」:うそつき。江戸時代の咄本(はなしぼん)に「てんぽ者(行き当り ばったりにことをなす者)」の語が見得るが、これと関係があると考えられると。 全国分布。また、嘘。ほら。などで「てん見える「でんぽ」「てんぷ」などその 地方によっていろいろないい方があるようだ。 私達は、嘘(うそ)のことは「じほ」とはいったが、「てんぽ」はあまりきいた ことはない。 |