鹿友会のこと 「はじめに」 |
△「鹿友会とは」その三 − 「鹿友会五十年史」創立当時 |
次に創立と仝時に制定せられたる最初の鹿友会規則を回顧しよう。 ○鹿友会規則 第一条 本会ヲ名ツケテ鹿友会ト称ス 第二条 本会ノ主旨ハ同志相結合シテ親睦ヲ第一トシ知識ノ交換ヲ謀ルハ勿論良行名誉ノ精神ヲ 養成スルニアリ 第三条 会員ヲ賛成員及ヒ正員ニ分ツ 第四条 正員ハ確然タル志ヲ持シ官私ノ学校ニ在学スルモノ及ビ独立ノ生計ヲ営ムモノトス 第五条 賛成員ハ本会ノ主旨ヲ翼賛シ会運ノ隆盛ヲ計ルニ尽力スルモノトス 第六条 正員中投票ヲ以テ幹事三名ヲ撰シ本会ノ事務会計ヲ処理セシム但シ任期ヲ一ケ年トシ 満期ノ後ハ再撰スルヲ得 第七条 毎月一回例会ヲ開キ学術上ノ談話質疑等ヲ為ス 但シ例会日ハ毎月第一日曜日ト定ム 第八条 毎年一回総会ヲ開キ事務ノ報告役員ノ改撰等ヲナス 第九条 入会セント欲スルモノハ族籍住所姓名ヲ記シ其旨ヲ幹事に申込ムヘシ 但シ会員転居ノ時ハ必ス幹事ニ通知スヘシ 第十条 事故アリテ退会セントスルモノハ其理由ヲ記シ幹事ニ届出ツヘシ 第十一条 本会ノ面目ヲ汚シ諸会員ノ規諌ニ服セサルモノハ会員過半ノ決議ヲ以テ 退会セシム 第十二条 毎年二回ノ報告書ヲ発行シテ会員及ヒ会員ノ父兄ニ頒布ス 但シ報告ニ記載ノ事項左ノ如シ 一、会員ノ言行並ニ成績等 ニ、会員ノ起草ニ係ル学術上ノ論説 三、本会ノ沿革会計並ニ時々ノ模様 第十三条 正員ハ入会料金三拾銭例会毎ニ金拾銭ヲ納ムヘシ 但シ総会費ハ臨時之ヲ定ム 第十四条 入会料寄附金及ヒ例会費残余ヲ以テ積金トス 第十五条 会員中疾病或ハ不時ノ災厄ニ罹リ止ムヲ得サル入用アルトキハ一ケ月ヲ限リ其費用ヲ 積金ヨリ貸与スルモノトス 但シ貸与ニ関スル細則ハ別ニ之ヲ定ム 第十六条 会員ハ其身上ノ位置変換及ヒ試験成績等ハ必ス幹事ニ報シ幹事ハ之ヲ本会ノ記録ニ記載ス 第十七条 本会ノ利害ニ関シ意見アルモノハ之ヲ幹事ニ申出幹事ニ於テ有益ト認ムルトキハ之ヲ衆員ノ 議ニ附ス 此の記念すべき我等の古法典は、其後幾たびか改定せられ、以て現行規則となったのであるが、 此の第二条の如き、現行法では、「本会ノ目的ハ会員ノ親睦ヲ旨トシ智徳ノ研磨ヲ図ルニアリ」と改め、 「仝志相結合」と「良行名誉ノ精神ヲ養成」の二句を削って了った。これは単にその一例であるが、 精神的の匂ひが、事務的色彩に掩はれたことは、これも時勢の影響か否か。 |