鹿友会誌(抄)
「第三十冊」
 
△想起す故人十三氏
○大越秀次郎氏
 氏をして今日に志を得せしめば、蔵前学閥の鹿友会員中の大先達として、佐々木、佐藤 両俊耄の上に兄然たり得たりしならん。血を吐きつゝ蔵前入学に猛進せるアノ努力、今の若い 人に告げて、エネルギーの不滅を図りたい。蒲柳の質に加ふるに事 も必ずしも多倖ならざりし 観たりし氏は、一意精進、遂に報いられず、万斛の憾を此の世に遺して逝いたのである。

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