鹿友会誌(抄)
「第二十四冊」
 
△短歌
 今日も亦家に在るのが苦しければ 図書館に行き新聞読む(K)
 満鉄の社長社宅のシャンデリヤ 輝く下に立てる君かな(K)
 手をついて権力チカラの前にうなだれし あはれ哀しきこれの男の子よ(K)
 なれもなれ吾も吾なりかたくなの 二人の心いつよりかふれし(H)
 
 初夏の夜はほのぼのと明け初めぬ 板谷峠の中程にして(K)
 峯々のいたゞき未だ雪消えず 消えざるまゝに夏に入るかも(K)
 蝉がなく湯船の山で蜜柑けば たゞ何となく暑さ忘るゝ(I)

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