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[鹿角の民謡]

 
△検校節
 
一、
盃を三合ひかえて
海老と鰯で祝い申す
 
春の初めに筆取り持ちて
この家ご亭主は長者となる
 
さても目出度いこの家のご亭主
今年初めて家を建て
如何なる大工の建てた家
飛騨の匠の建てた家
柱白金ヌキ(貫)黄金
屋根は小判のこけら葺き
東切り窓銭すのこ
銭のすのこに朝日さす
朝日かがやく長者となる
 
二、
さても目出度いこの家のご亭主
一の座敷にご祝儀する
二の座敷に孫をもうけ
三の屋敷に蔵を建て
五穀蔵をば二十と四つ
金銀蔵をば二十と四つ
四十八字のイロハ蔵
大坂下りの鍵を取る
蔵の番とは誰々か
一に大黒二に恵比寿
三の鍵取り福の神
扇のように末広く
打ち出の如くまん丸く
柳のように末長く
この家ご亭主は果報な人
末代までも栄えるように
末に長者となるわいな
 
三、
さても目出度いこの家のご亭主
朝に早起き門開く
朝に入るは朝恵比寿
昼に入るは福の神
夜は大黒笑って入る
右の手に持つ蔵の鍵
左の手に持つ宝槌
金の成る木を庭に植え
家内辛抱で金が成る
金がこぼれて長者となる
大升小枡で金はかる
又も積みおく千両箱
千と重ねて万となる
万と重ねて億となる
億も目出度いチョウ(今日)となる
諸国ちょうする長者となる
(伝承者 大欠・米沢甚作)
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