5501左多六さまは荒神コウジンさま
 
                    参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角の伝説」
 
 左多六さまは、おっかない(恐ろしい)「荒神」さまで、左多六さまを呼び捨てにす
ると、すぐその場でどんな仕返しされるか、罰バツがあたるか、分からないと云います。
 ある時、三人の若者が集まっていて、
「荒神さまって、どんなにおっかい神さまだろうか」
と話していました。
 そしたら、一人の若者が、
「いくら荒神さまでも、火を付けて焼いてしまったら、とうすることも出来ないだろう
」
と言いました。
 三人目の若者は、前の二人が言ったので、正直にマッチで荒神さまのお堂に火を付け
て焼こうとしました。そうしたら「火を付けて焼け」と言った人から、順々に腹が痛く
なりました。
 「火を付けて焼け」と言った人から先に、マッチで火を付けろと言った人も、マッチ
で火を付ける気になった人も、荒神さまの祟りで、死んでしまいました。荒神さまとは、
左多六さまのことでした。
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