上見ぬ鷲。 解釈:鷹は餌を一口食べては空を見て、鷲の襲来を気にするが、鷲にはその 心配がなく、上を見ない。何者も恐れる心配がない地位のたとえ。 魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ) 解釈:そちらの出方によって、こちらの気持もそれに応じる。行為を示され れば、それに応える。 類義:網心あれば魚心。君心あれば民心あり。水心あれば魚心あり。 魚と水。 解釈:切っても切れない関係、密接な間柄のこと。仲のよいこと。 類義:君臣水魚。水魚の交わり。 魚は鯛。 解釈:魚のうちでは一番美味なのが鯛である。 類義:魚は鯛、人は侍、木は檜。 鶯の巣の杜鵑(ほととぎす)。 類義:子で子にならぬ杜鵑。 雨後の筍。 解釈:雨の後に次々生えてくる筍にたとえて、相継いで出てくる物事のこと。 牛の一散(いっさん)。 解釈:思慮のない人が分別もなく勇み立つことのたとえ。 牛の糞にも段々。 解釈:どんな事にも順序・段階があって、それを無視しては事が成り立たな いことをいう。 類義:沙弥(しゃみ)から長老にはなれぬ。てんから和尚にはなれぬ。 牛の角を蜂が刺す。 解釈:痛さも痒さも感じない。何の影響も受けないたとえ。 類義:石地蔵に蜂。蛙の面(つら)に水。鹿の角を蜂が刺す。釣鐘を蜂が刺 す。 牛は牛連れ、馬は馬連れ。 解釈:類を同じくする物が集まること。似た者同士連れ添えば、上手くゆく というたとえ。 類義:馬は馬連れ、牛は牛連れ。同気相求む、同類相求む。似た者夫婦。似 るを友。類は友を呼ぶ。類を以て集まる。破鍋(われなべ)に閉じ蓋。 蛆虫(うじむし)も一代。 解釈:どんな暮らし方をしようとも、一生は一生である。 類義:蛞蝓(なめくじ)も一代。蠅取蜘蛛(くも)も一生、袋蜘蛛も一生。 臼から杵。 解釈:古来より臼は女、杵は男と考えたから、女から男へ働きかけることを 表す。これは順序が逆として、物事の逆さまなことをいう。 烏兎(うと)。 解釈:日と月。歳月。中国の伝説では、太陽の中には三足(みつあし)の烏 が棲み、月の中には兎がいるという。 用例:烏兎怱怱(うとそうそう。月日が経つのは早い)。 独活(うど)の大木。 解釈:独活は丈は大きくなるが、茎は弱いことから、身体ばかり大きくて役 に立たない者のことをいう。 類義:独活の大木、柱にならず。大男、総身(そうみ)に知恵が回りかね。 大男の見かけ倒し。大きな大根、辛くなし。白豆腐の拍子木。千人持ちの蒟蒻 (こんにゃく)。長鞭(ちょうべん)、馬腹(ばふく)に及ばず。 鰻に梅干。 類義:熊に山椒、鯉に胡椒。 鵜の真似する烏。 解釈:自分の能力や適性を顧みず、人の真似をすると失敗するという意。姿 形が似ているからといって烏が鵜のように水に潜って魚を捕り、溺れるという たとえから。 類義:鵜の真似して、烏水飲む。鵜の真似する烏は、大水を飲む。鵜の真似 する烏、水に溺れる。鸚鵡(おうむ)の人真似。烏が鵜の真似。人真似すれば 過ちとする。人真似すれば大水食らう。 鵜の目、鷹の目。 解釈:鵜や鷹が獲物を探し出そうとする様子。また、そういう目つき。 類義:鵜の餌、鷹の餌。血眼(ちまなこ)。 馬を鹿。 解釈:馬を指して鹿と言うことで、理屈に合わない間違ったことを無理に押 し通すことをいう。 類義:鹿を指して馬と為す(なす)。 梅に鶯。 解釈:取り合わせのよい物のたとえ。 類義:猿に絵馬。竹に雀。竹に虎。波に千鳥。紅葉に鹿。 埋れ木に花咲く。 解釈:土の中に埋もれた木に、再び花が咲く。転じて、世間から忘れられて いた人に、再び幸運が巡り、出世すること。 瓜の蔓に茄子(なすび)はならぬ。 解釈:平凡な親から、非凡な子は生まれないというたとえ。血筋は争えない ということ。 類義:瓜の種に茄子は生えぬ。蛙の子は蛙。糸瓜(へちま)の種は、大根に ならぬ。 瓜二つ。 解釈:親子兄弟などの容貌が非常によく似ていることのたとえ。 類義:瓜を二つに割ったよう。 |