法あっての寺、寺あっての法。 解釈:持ちつ持たれつの関係にあること。仏法があるからこそ寺があり、寺 があるからこそ仏法も保たれている。 方位家の家潰し。 解釈:方角の吉凶に拘って気にし過ぎると、家を潰してしまうという戒め。 「方位」は陰陽(いんよう)、五行(ごぎょう)、十干(じっかん)を配して、 吉凶を占うこと。 方外(ほうがい)。 解釈:人の道から外れていること。また、世捨て人のこと。 参考:「方」は、世俗の礼教の規範のこと。「方外の学」は、儒教以外の主 として仏教のこと。「方外の地」は、中国の外。 判官贔屓(ほうがんびいき)。 解釈:弱者に対する同情のこと。源義経(みなもとのよしつね)(判官)の 華々しいが薄幸であった境涯に対する憐憫(れんびん)の情から生じた言葉。 「判官贔屓(はんがんびいき)」ともいう。 類義:曽我贔屓。 蜂起(ほうき)。 解釈:蜂が巣から一斉に飛び立つように、大勢が一時に事を起こすこと。 奉公人と牡牛は使いようで動く。 解釈:主人の使い方次第で、奉公人はよく働きもすれば怠けもするというこ と。 類義:鋏と猿は使いがら。 奉公人に使われる。 解釈:人を使う者は、気苦労が絶えず骨が折れるから、かえって人に使われ ているようなものだ。 類義:人を使うは、使われる。 暴虎馮河(ぼうこひょうが)の勇(ゆう)。 解釈:虎を手討ちにしたり、大河を歩いて渡る勇気から転じて、向こう見ず な勇気のたとえ。命しらず。 坊さんのおっつけ。 類義:紺屋(こうや)の明後日(あさって)。 帽子と鉢巻。 解釈:似たような物、大同小異(だいどうしょうい)のたとえ。又は、よく 似た物で誤魔化すこと。 類義:帽子と頭巾。棒に棹(さお)。 法師の軍咄(いくさばなし)。 解釈:不似合いな様子。 類義:町人の刀好み。似合わぬ僧の腕立て。 法事腹七日。 解釈:法事のご馳走は、七日後まで腹持ちするくらい沢山あるというたとえ。 類義:御講(ごこう)腹七日。里腹(さとばら)七日。 傍若無人(ぼうじゃくむじん)。 解釈:傍に誰が居ようとも、勝手気ままに振る舞うこと。 望蜀(ぼうしょく)。 解釈:隴(ろう)を得て、蜀を望む。 坊主憎けりゃ、袈裟(けさ)まで憎い。 解釈:人を憎む気持があると、その人に関係のある物全てに憎しみを持つと いう意。 類義:親が憎けりゃ、子も憎い。 坊主の花簪(はなかんざし)。 解釈:持っていても何の役にも立たないこと。 類義:猫に小判。猫に石仏(せきぶつ)。豚に真珠。 方寸(ほうすん)。 解釈:心。胸中。心臓は方寸(一寸四方。一寸は約3p)の大きさだといわ れる。 用例:全てを方寸に収める。 茫然自失(ぼうぜんじしつ)。 解釈:気が抜けてぼんやりし、どうしてよいか分からないさま。また、あっ けに取られて、我を忘れてしまうこと。 活用⇒ぼんやりして、自分を忘れる。I forget myself because it is dopy. 疱瘡(ほうそう)は眉目(みめ)定め、麻疹(はしか)は命定め。 解釈:疱瘡(天然痘)は顔を一生醜くしてしまい。端かは生死に関わる重病 である。どちらも一生の大事だということ。 蓬頭垢面(ほうとうくめん)。 解釈:もじゃもじゃに乱れた髪と垢(あか)染みた顔。汚い身形(みなり)。 身嗜(だしな)みが乱れていること。 棒に振る。 解釈:それまでの努力や苦心の結果を無駄にしてしまうこと。 類義:水泡(すいほう)に帰す。水の泡。 豊年の飢饉(ききん)。 解釈:豊作のときほど、農作物の値が下がり、生活が苦しくなること。 類義:豊作飢饉。 忘年(ぼうねん)の交(こう)。 解釈:年齢の差を気にすることなく親しく交友すること。 豊年は飢饉の基。 解釈:豊作の後に凶作が巡ってくること。 類義:豊年は二度続かず。 朋輩(ほうばい)の笑み仇(かたき)。 解釈:表面上は笑顔が絶えない友達同士でも、本当は互いに妬み合っている ものだということ。 捧腹絶倒(ほうふくぜっとう)。 解釈:大笑いする様子。腹を抱えて笑い転げること。「抱腹絶倒」とも書く。 棒ほど願って、針ほど叶う。 解釈:棒のような大きな望みを持っても、実際には針のような小さな望みし か叶えられないというたとえ。願いはほんの一部しか実現しないという意。 類義:富士の山ほど願うて、蟻塚ほど叶う。 報本反始(ほうほんはんし)。 解釈:自然や先祖の恩に報いること。 亡命(ぼうめい)。 解釈:本国を脱出して、外国へ逃亡すること。「命」は名籍のことをいい、 逃亡して戸籍から消されるという意。 忘憂(ぼうゆう)の物。 解釈:酒のこと。憂いを忘れさせてくれる物。 朋友は六親(りくしん)に叶う。 解釈:友人は肉親と同じくらい大切なものだということ。 参考:「六親」とは、父・母・兄・弟・妻・子。又は、父・子・兄・弟・夫 ・婦の総称。 亡羊(ぼうよう)の嘆(たん)。 解釈:枝道が多くて逃げた羊が見つからず嘆く意。学問の道がいろいろ分か れていて、真理を見極めにくいこと。また、方法に迷い思案にくれること。 類義:多岐亡羊(たきぼうよう)。 蓬莱(ほうらい)。 解釈:中国の伝説で、東海の中にあって、仙人が住み、不老不死の地とされ る霊山のこと。 焙烙(ほうろく)の割れも、三年置けば役に立つ。 解釈:当座は役に立たない物でも、そのうちに役立つこともあるという意。 「焙烙」は、茶道で、灰を入れる器の総称。 類義:いらぬ物も三年経てば用に立つ。禍いも三年経てば用に立つ。 反義:破鍋(われなべ)二度の役に立たず。 暴(ぼう)を以て暴に易う(かう)。 解釈:一つの暴力を取り除くのに、他の暴力を用いることは、結局暴力を取 り除くことにはならない。また、暴力に対して暴力で対抗すること。 類義:暴を以て暴に報ゆ。 吠える犬にけしかける。 解釈:勢いのある者に、更に勢いを加えること。 類義:火に油を注ぐ。 吠える犬は噛み付かぬ。 解釈:口喧(やかま)しい者ほど、実行が伴わないこと。 類義:鳴く猫は鼠を捕らぬ。 頬を顔。 解釈:呼び名は異なっても、物は同じであること。 類義:南瓜(かぼちゃ)と唐茄子(とうなす)。頬は顔。 帆掛け船に櫓(ろ)を押す。 解釈:益々勢い付けることのたとえ。 類義:鬼に金棒。駆け馬に鞭。虎に翼。飛脚に三里の灸(きゅう)。 墨守(ぼくしゅ)。 解釈:自説を守り、譲らないこと。 用例:自説を墨守する。 木石(ぼくせき)に非ず(あらず)。 解釈:人間は木や石と違い、感情を持っているということ。 類義:岩木に非ず。 反義:石部金吉金兜(いしべきんきちかねかぶと)。 木鐸(ぼくたく)。(論語) 解釈:世の人々の迷いを覚まさせ教え導く人。また中国で、法令を人民に知 らせるときに鳴らした、木製の舌の付いた大鈴。 用例:社会の木鐸となる。 木訥(ぼくとつ)。(論語) 解釈:無口で素朴なこと。自分の思いを十分に伝えられないこと。朴訥とも。 用例:剛毅木訥(ごうきぼくとつ)は仁に近し。 |