子無しに子を呉れるな。
解釈:自分の子供を持った経験のない人は、子に対する本当の愛情を知らな
いから、子供にやってはいけないということ。
類義:馬持たずに馬貸すな。
小鍋は直に熱くなる、大きい薬缶(やかん)は沸きが遅い。
解釈:小さい鍋は火に架けると直ぐに熱くなってしまうように、器量の小さ
い者は直ぐに限界に達してしまう。大きな薬缶の水は沸くのに時間がかかるよ
うに、人間も大人物になるには、時間がかかるということ。
類義:大器晩成(たいきばんせい)。
子に過ぎたる宝無し。
解釈:親にとって、子供は何者にも勝る最上の宝であるということ。
類義:金宝(かねだから)より子宝。子に勝る宝無し。子は人生最上の宝。
子は第一の宝。千の倉より子は宝。
反義:子が無くて泣くは芋掘りばかり。子宝脛(すね)が細る。子は三界
(さんがい)の首枷(くびかせ)。無い子では泣かで、有る子に泣く。
子にすることを親にせよ。
解釈:自分の子に対するのと同じ慈愛の心で親に仕えよということ。
類義:子程に親を思え。
子に引かれる親心(おやごころ)。
解釈:わが子に対する愛情のために、親は思い切って行動ができない。
類義:子故(ゆえ)に迷う親心。子故の闇(やみ)。
碁に敗けて将棋で勝つ。
類義:碁で敗けたら将棋で勝て。
粉糠(こぬか)三合あったら、婿に行くな。
解釈:男は余程の事がない限り、婿入りなどするものではない。独力で一家
を立てるべきだということ。また、婿は気苦労が多いものだということ。
類義:来ぬか来ぬかと三度言われても、婿と養子には行くな。粉糠三合あっ
たら、入婿するな。養子に行くか、茨(いばら)の藪を裸で行くか。
子の心、親知らず。
解釈:親は自分の子の本当の心を知らない。わが子を無思慮なものと思って
いる親は、子供が案外と殊勝な考えを持っているということに気づかないもの
だということ。
参考:親の心、子知らず。
この母にして、この娘。
解釈:娘はその母親の影響を強く受けているものだから、嫁を貰うなら、ま
ずその母親の人柄をよく見てからにしたい。
類義:嫁を貰えば、親を貰え。
好む道には、労苦を厭(いと)わず。
類義:好きには身をやつす。
子は有るも嘆き、無きも嘆き。
解釈:子供というものは、有ればそのために心配事が多いが、無ければ無い
で寂しさを嘆く種になる。
類義:子供のある者は幸福だが、無くても不幸ではない。
子供は一世、夫婦は二世(にせ)、主従は三世(さんぜ)、他人は五世。
解釈:親子の縁はこの世限り、夫婦の縁はこの世からあの世まで続き、主従
の契りは過去・現在・未来の三世、他人との関係は更に深いものである。近縁
の者より、他人との関係を大切にせよ、という仏家(ぶっけ)の方便。
類義:師弟は三世。師は三世の契(ちぎり)、親は一世の睦び(むつび)。
子は生むも、心は生まぬ。
解釈:親は子供の体は生んでも、心は生まないのだから、子供の心が必ずし
も親の心に似るとは限らない。
類義:形は生めども、心は生まぬ。
子は親を映す鏡。
解釈:子には親の情愛や躾(しつけ)が反映するものだから、子を見れば、
親の人柄が分かる。
子は鎹(かすがい)。
解釈:鎹(材木を接ぐためのコの字形の大釘)が二つの材木を接ぎ止めるよ
うに、子に対する愛情のお蔭で、仲の悪い夫婦でもその縁が繋がり保たれてい
るものだ。
類義:縁の切れ目は子で繋ぐ。子は縁繋ぎ。子は夫婦の鎹。
子は三界(さんがい)の首枷(くびかせ)。
解釈:親は子を思う心のために、その自由を一生束縛されることをいう。三
界とは、過去・現在・未来の三世、或いは欲界・色界(しきかい)・無色界の
ことをいう。
類義:親子は三界の首枷。子が無くて泣くは芋掘りばかり。子は厄介の首枷。
無い子では泣かされぬ。
反義:子に過ぎたる宝なし。千の倉より子は宝。
胡馬北風(こばほくふう)に依る。
解釈:故郷は忘れ難いということのたとえ。中国北地の胡(こ)の国産の馬
は、北風が吹く度に故郷を思い出して嘶く(いななく)。
類義:越鳥(えっちょう)南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶(いば)ゆ。胡馬
燕(えん)に渡らんことを願う。代馬北風に依り、飛鳥故巣に翔(か)ける。
小判で面(つら)張る。
解釈:金銭の力で相手をいやと言わせぬようにすることのたとえ。
類義:金(かね)で面張る。小判ずくめ。
鼓舞(こぶ)。
解釈:励まし奮い立たせること。鼓(つづみ)を打ち、人を舞わせること。
用例:式を鼓舞する。
五風十雨(ごふうじゅうう)。
解釈:気候が順調で、世の中が泰平であること。五日に一度風が吹き、十日
に一度雨が降れば、農作物はよく育つものである。
類義:十日の雨土くれを動かさず、五日の風枝を鳴らさず。吹く風枝を鳴ら
さず。
鼓腹撃壌(こふくげきじょう)。
解釈:世の中が泰平で、人民が平和な生活を楽しんでいる様子。腹一杯食べ
て腹鼓を打ち、地面を叩いて唄を歌うこと。
呉服五層倍(ごふくごそうばい)。
解釈:呉服商は、原価の何倍にも値を吊り上げて、呉服を高く売りつけてい
るという意味。「五層倍」は、呉服に語呂を合わせている。
類義:薬九層倍、花八層倍。薬九層倍、百姓百層倍。
小袋と小娘は、思ったより入りが多い。
解釈:小さい袋が見かけより沢山物が入るように、娘にも案外思わぬ費用が
かかるものだ。
昆布(こぶ)に山椒(さんしょう)。
解釈:取り合わせのよい物のたとえ。昔は、お茶を飲むとき昆布と山椒が必
ず出された。
小舟の宵拵え(よいごしらえ)。
解釈:小さな舟を明日の船出のために前夜から用意するのは、大袈裟過ぎる
という意。手回しがよ過ぎることのたとえ。
類義:柴舟(しばふね)の宵拵え。蛞蝓(なめくじ)の宵から出し。
瘤(こぶ)の上の腫物(はれもの)。
解釈:不運や災いが重なること。
類義:痛む上に塩を塗る。転べば糞の上。泣き面に蜂。病み足に腫れ足。
小坊主一人に天狗八人。
解釈:力の釣り合いがとれないたとえ。弱い者一人に対し強い者が大勢で
向かうこと。
子ほど喜ばせ難(にく)いものはなく、親ほど喜ばせ易いものはない。
解釈:親が子を喜ばせるのは容易でないが、子が親を喜ばせるのは実(まこ
と)に簡単である。子は親の愛情に慣れ切っていて、その有り難みがを感じな
いことが多いが、親は子を愛するだけで満足してお返しは期待していないので、
少しの孝養にも喜ぶものである。
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