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自分が専ら参考に供した原書はズンツアーの「ファウスト」、コープランド
の「ゲーテ、ファウストのスピリット」、リュウイスの「ゲーテ伝記及作物」、
スワンウイックの「ファウスト」英訳、テローの同英訳、ヘワードの同散文英訳、
アンスターの同英訳等である、上記各書の内最も自分の役に立ったのは、
ヘワードの散文英訳であった、此の書は三十五種以上もある「ファウスト」の
英文訳中、最大多数の売行を見たとのことである、で英人が独逸原書を読む時
でさえ、此の散文英訳の必要を切に感じたと聞いて居る。 明治三十四年同三十五年に、自分が本書の第一稿、第二稿を起すに際しては、 友人柴田一郎君の熱心なる協力を得た、同四十一年、四十二年に第三稿、第四稿を 綴る折には、友人文学士相馬治郎君の厚き助勢を辱うした。今や柴田君は大連に、 相馬君は山形に在り、斯くて本書を大成出版するに際しては、友人岩崎穂一君の 多大なる助力を得た、乃ち本書の刊行に際し、三君の厚誼に対して茲に厚く感謝の 意を表する。 明治四十五年六月下浣(げかん) 訳者識 |
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