13 神社有職故実
 
〈臨時祭の鋪設とそ用具〉
 
△臨時祭の鋪設
 臨時に祭典を行う場合、適当の場所を選び祭場を設けます。祭場(南面又は東面)の
四隅に斎竹イミダケを立て、それに注連縄を引き渡し、更に四周に幔マン或いは幕を張り巡廻
らして前面中央に幔門を設けます。
 祭場の中央の奥に祭舎を構え、その正中に神籬を据え、前面左右に真榊・旗等を樹て
ます。祭舎を中心として向かって右方に幣饌幄舎、奉仕員幄舎、向かって左方に奏楽幄
舎を設けます。更に祭舎に向かって正面又は左右に参列員幄舎を設けます。
 殿内の場合は祭場の正中に神籬を据え、周囲に注連縄を引廻らし、三方に壁代を、前
面に幌(場合によっては簾をも)を垂れます。
 
△臨時祭の用具
▲神籬ヒモロギ
 神籬は神霊憑依の鋪設であって、先ず庭上又は床上ショウジョウに新薦を敷き、神籬案を設
けます。案上には神籬台を安オチツき、台の中央の柱に、八垂の紙垂と麻苧とを附けた榊枝
を麻苧で上下の二箇所に括り附けます。
▲幄舎アクシャ(アゲバリとも)
 明治八年制定の神社祭式の附図に幄舎を示し、「蓋は板、苫トマ、雨障子等にて葺き、
三方へ幔を張り或は幕を用ふべし」とあります。
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