09 神社有職故実
 
〈修祓シュバツとその用具〉
 
△修祓
 修祓とは、祓ハラいを行うことです。つまり祓いの目的とするところは、不浄を清浄に、
不完全を完全に、不良を良にすること、更には災いを除き、幸福と平和とを齎モタラすこと
にあります。
 祓いは毎年六月、十二月の晦日の大祓や、臨時に解除ケジョを行うほか、恒例祭、臨時
祭を通じて祭典の前に必ず行います。
 
△修祓用具
一 大麻オオヌサ(大幣オオヌサとも)
 「ぬさ」とは祷総ネギフサ(総は麻の義)の意義で、即ち事を祷ネぐために奉る布帛の類
を指したことに基づきます。麻や木綿ユウ(紙を以ても代用とする)を祓具としたのは、
古え人間生活に欠くべからざる衣服の原料であったから、その霊徳によって不浄を祓清
め得ると信じたのに因由します。また後に述べる切麻キリヌサに米を混じえるのも食料とし
ての生命の根元たるその霊徳に信憑シンピョウしたからです。
 大麻は榊(又は常盤木)の枝に麻苧アサオ又は麻苧と紙垂シデとを附けたもので、神籬
ヒモロギ・幣帛・神饌・祭典関係者その他一切の不浄を祓清めるに使用します(咄嗟の出来
事に際し大麻の用意なき場合に笏を左右左と振って修祓することもある)。
二 小麻コヌサ
 小麻は各自が執って祓うものです。細く短い木串に麻苧と紙垂(或いは紙垂のみ)を
挟んだものです。
三 塩湯エントウ・シオユ
 塩は潮水に代えたもので、これを湯にするのは浄火で沸かして一層清める意なりと云
います。塩湯を水器に容れ、榊の小枝でそそぎ、大麻と同じく神籬以下のものを祓いま
す。
四 切麻キリヌサ
 切麻は麻を細切りにし、切紙だけを混じえ、更に米を混えもします。これらを土器に
容れ、これを撒いて祓います。
五 木綿ユウ
 木綿は潔白、清浄の義と云い、楮コウゾの皮を晒して織った布です。今日では楮布は得
難いので、大祓の祓物ハラエツモノには常の木綿モメンを以て代用します。
六 布ヌノ
 布は、麻苧を績ウんで織った麻布マフです。大祓の祓物にも使用します。
七 形代カタシロ(人形ヒトガタ・撫物ナデモノ・雛形ヒナガタとも)
 形代は人の身に代わるものなるが故に、この名が附きました。鉄・木・草・紙等で作
り、大祓の祓物、修祓用、鎮物シズメモノ用として使用します。
八 解縄トキナワ
 解縄は縄を解く故に斯く云います。菅・藁・麻・紙等で左綯ナイ、右綯の二筋の小さな
縄を作り、これを解くことによって、罪穢を解き除く意を寓したものです。大祓におい
て大祓詞を宣るときに、先ず右綯、次に左綯(この逆もある)の縄を解きます。
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