神様の戸籍調べ
 
六十 八束水臣津野神ヤツカミヅオミツヌノカミ
 
戸籍謄本
 本籍地 出雲国八束郡佐多村
    八束水臣津野神
  実父 深淵水夜礼彦神
  実母 天之都度閇智泥神
 右出雲風土記に照合するもの也
          戸籍吏 田鹿成毛利 印
 
 この八束水臣津野神は、出雲国の出来た時、海岸に向かって、
 「出雲は一寸手狭じゃから、少し補オギなはねばならん」
と、三槎ミヨリの太い綱をもって、新羅国シラギノクニにひっかけ、エンヤラヤと土木工事を起
し、遂に彼国をひきちぎって出雲に綴つけられたのが、杵築御崎キヅキノミサキである。それ
でも尚ほ小さいからとて、北門崎国キタモンサキクニをもひきよせ、北方につけたのが、今の秋
鹿郡アキシカゴホリ佐多の辺で、次に、隠岐の島は、少しばかり余分だと、是をもぎとって、
闇見ヨミの浜として付けられた上に、越後の都々之御崎ツツノミサキを引よせて東北方の今の島
根郡として縫合せたのが、美保ミホの御崎である。即ち国引きである。
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