神様の戸籍調べ
 
二十二 宇摩志摩治命ウマシマヂノミコト
 
 饒速日命ニギハヤヒノミコトの第二の御子で、母は長髄彦ナガスネヒコの妹御炊屋姫ミカシヤヒメである。
 神武皇帝陛下御東征の時、長髄彦を殺して父君饒速日命と共に帰順せられたので、天
皇非常に嬉美給ひて、深く恩寵オンチャウを加へて、神剣を賜ふて功を賞しなされた。命は太
イタく此恩遇オングウに感激して物部モノノベのものどもを率ゐて、皇軍に随従し、自ら又四方
に馳駆チクして蛮夷バンイを平げた。
 紀元々年、天皇大和国に宮居し給ひて、皇位に御即オツキになると、命は天璽テンジを献上
し、神楯カミタテを堅タテて御祝ひ申した。その時、特に詔ミコトノリがあって、道臣命ミチヲミノミコトと
共に、殿内を護る役目になり、足尼スクネと云ふ号を給はりて、内物部ウチモノノベを率ゐ、矛
カヤや楯を以て、軍装勇々しく、禁裡を御守りしたが、御即位の二年二月に及び、天皇更
に命をして大臣となり忠勤を励むべく、剣を給はったから、これから、此命の子孫は永
く物部氏モノノベシと号して輔弼ホヒツの大役を承け、天皇の股肱ココウとなったのである。
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