神名解説
 
〈七 天アメの安河原ヤスノカハラでの誓約ウケヒにより現れた神々〉
 
 あまてらすおおみかみは、須佐之男命の十拳剣トツカノツルギから、次の三柱の神をお生み
 なられた。
 
多紀理毘売命タキリビメノミコト(奥津島比売命オキツシマヒメノミコト)(N田心姫タゴリヒメ)
たきりひめのみこと
 川の急な流れを意味し、奥津島比売命とは、沖の島に住んでいる女神と云う。筑紫の
 国の宗像ムナカタの奧津宮オキツノミヤに鎮座しておられる。
 
市寸島比売命イチキシマヒメノミコト(狭依毘売命サヨリビメノミコト)(N市杵島姫イチキシマヒメ)
いちきしまひめのみこと
 尊い島に住んでいる女神と云う意味で、狭依毘売命とは、船が寄る処に住んでいる女
 神と云う。同じ宗像の中津宮ナカツノミヤに鎮座しておられる。
 
多岐都比売命タギツヒメノミコト(N湍津姫タギツヒメ)
たきつひめのみこと
 早瀬に住んでいる女神と云う意味である。同じ宗像の辺津宮ヘツノミヤに鎮座しておられ
 る。
 
 すさのおのみことは、天照大御神の五百箇の勾玉マガタマから、次の五柱の神をお生みに
 なられた。
 
正勝吾勝勝速日マサカアカツカチハヤビ天之忍穂耳命アメノオシホミミノミコト(N正哉吾勝勝速日マサカアカツカチハヤヒ
 天之忍穂耳尊アメノオシホミミノミコト)
まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと
 稲穂と太陽を現している男神である。
 
天之菩卑能命アメノホヒノミコト(天菩比神)(N天穂日命アメノホヒノミコト)
あめのほひのみこと
 この名も、稲穂と太陽を現している男神である。
 
天津日子根命アマツヒコネノミコト(N天津彦根命アマツヒコネノミコト)
あまつひこねのみこと
 太陽の子の神と云う意味である。
 
活津日子根命イクツヒコネノミコト(N活津彦根命イクツヒコネノミコト)
いくつひこねのみこと
 生き生きとした太陽の子と云う意味である。
 
熊野久須毘命クマヌクスビノミコト(N熊野久須日命クマヌノクスヒノミコト)
くまのくすびのみこと
 熊野に住んでいる不思議な霊と云う意味である。
 
建比良鳥命タケヒラトリノミコト
たけひらとりのみこと
 天之菩卑能命の御子で、その名は天降って辺境を平定する、と云う意味である。
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