02 祭祀の式次第(現行)
日本人の精神的な拠りどころとして、上古
より伝えられてきました諸々の「お祭り」に
ついて、収録しました。
本稿をご覧になりながら、所謂「鎮守の森
」について、想いを馳せてみて下さい。
「鎮守の森」は、私共の住んでおります、
全国の各地域には必ず存在しています。
住民一人ひとりが、神社を守るこの「鎮守
の森」を守り育ててゆくことに貢献していた
だくことを、自分としては関心を持ち、そし
て願っております。
また、「鎮守の森」を守り育てると云う活
動は、青少年の情操教育として、また奉仕活
動として、恰好の題材です。
その「鎮守の森」では、以下のような「お
祭り」が執り行われています。
なお、「鎮守の森」にある神社は、通常「
産土神ウブスナノカミ」として、地域の諸々のこと
を、分け隔てなくお守りし、祝福して下さっ
ております。 SYSOP
△祭祀のいろいろ
通常、祭祀の式次第は、その神社の規模やお祭りの大小、またお祭りの種類によって、
多少異なることがあります。
大祭は、神社において最も厳粛に行われるお祭りで、次の祭祀を云います。
例祭:例祭は、一年に一度行われるお祭りで、他の祭祀の規準となる祭祀です。
祈年祭:わが国は稲作を基本とする国ですので、その豊作を祈願するお祭りです。
新嘗祭:祈年祭でお祈りした作物を収穫し、それを神様にお供えして感謝するお祭り
です。
式年祭:一定の年を期し定例の儀式として執行するお祭りで、一般には五十年毎に行
います。二十年に一度行われる伊勢神宮の式年遷宮祭も含まれます。
これ以外の大祭としては、鎮座祭、遷座祭、合祀祭、分祀祭、及びその神社に特別の
由緒ある祭祀があります。
中祭には、歳旦祭、元始祭、紀元祭、神嘗祭当日祭、明治祭、天長祭、その他これに
準ずる祭祀及びその神社に由緒ある祭祀があります。
上記以外の祭祀を小祭と云います。
△例祭の式次第
一、当日早旦に社殿を装飾します。
二、定刻までに、宮司以下祭員、献幣使、総代及び氏子や崇敬者たち(以下便宜上「関
係者」と云う。)は社殿へ参進します。
また、関係者には、奉納神楽に従事する氏子たちも含まれます。
なお、関係者は事前に「手水の儀(清水で手を洗い口を濯ぐこと)」を済ましてお
きます。
宮司グウジとはその神社の代表者、祭員サイインとは本祭祀に奉仕する神職を云います。
献幣使ケンペイシとは、神社本庁の幣帛ヘイハク(本庁幣)を献納するため、神社本庁から
派遣された神職を云います。
神社本庁とは、宗教法人である全国の各神社を包括する宗教法人です。
三、修祓シュバツ、即ち関係者は祓所その他適宜のところに著き、祭員によるお祓いを受け
ます。
祭員が祓詞ハラエコトバを奏しているとき、及び大麻オオヌサなどでお祓いを受けるときは、
他の関係者は低頭いたします。
四、宮司、祭員、献幣使は本殿に間近い幣殿ヘイデンに、総代、氏子、崇敬者たちは、拝殿
その他適宜のところに、それぞれ著座します。
五、宮司一拝、即ちこれから祭祀を行うと云うことを、宮司に倣って関係者全員は神前
に向かって一礼します。
六、宮司は本殿の御扉を開きます。その間関係者は低頭いたします。
七、祭員は、神前に神饌シンセンを供します。神饌とは、祭神に供する飲食物のことです。
飲みものは水、酒、食べものは米、餅、魚、鳥、海菜、野菜、果実、菓子、塩など
です。
八、宮司は祝詞ノリトを奏します。その間関係者は低頭いたします。
九、祭員は本庁幣を献じます。
十、献幣使は祭詞サイシを奏します。その間関係者は低頭いたします。
十一、氏子たちは神楽を奉納します。
十二、宮司は玉串タマグシを奉りて拝礼します。他の祭員は列拝レッパイします。
拝礼は、「二拝二拍手一拝」の作法によります。
十三、献幣使は玉串を奉りて拝礼します。随員は列拝します。
十四、総代、氏子や崇敬者は順次玉串を奉りて拝礼します。関わり合う方々は列拝しま
す。
十五、祭員は本庁幣を徹します。
十六、祭員は神饌を徹します。
十七、宮司は本殿の御扉を閉じます。その間関係者は低頭いたします。
十八、宮司一拝、即ち祭祀を終えたと云うことを、宮司に倣って関係者全員は神前に向
かって一礼します。
十九、関係者は所定の座から退下して、直会所に著きます。
二十、直会ナオライ、即ち関係者は徹した御饌ミケ御酒ミキを頂戴いたします。
即ち、撤饌は「一拝一拍手」してから戴きます。
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